わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

オバマケア

2017-01-15 | アメリカのニュース
 故エドワード・ケネディー議員の悲願であり、オバマ大統領が心血を注いだ医療保険制度改革法(アフォーダブル・ケア・アクト、通称オバマケア)の廃止に向けて、共和党はトランプが大統領に就任してもいないのに、下院で可決してしまいました。共和党は、未だに代替案を提示していません。にも関わらず、取り敢えず現行の制度を取っ払っちゃおうと言うのです。実に卑怯だと思います。
 
オバマ・ケアは、日本の国民健康保険制度とは全くの別物で、国が保険を提供してくれるのではなく、民間の保険会社に加入しやすくなるだけですが、それでも、ここ数年間のアメリカの保険加入者の割合は、史上最高レベルに達したのに。
 
 自分の健康は自己責任、お国に頼らず、自分でどうにかしろ、という訳です。オバマケアのような、政府の社会保障制度の充実は、社会主義的だと嫌う人も多いですが、民主的社会主義者を名乗ったバーニー・サンダース候補が若者に圧倒的な人気があったように、若い世代の考え方は変わってきてると思います。

 意外と知られていないような気がしますが、オバマケアは、健康保険制度だけではありません。例えば、アメリカでレストランやファーストフード店のメニューに提示されているカロリーは、オバマケアによるもの。授乳中のお母さんが、トイレ以外のプライベートな場所で快適に搾乳できるよう、企業に搾乳スペースの設置を求めたのもオバマケアです。

 また、健康保険に関しても、保険会社が既存性を理由に保険提供を拒否することを禁止したり、最高限度額を定めて、効果な治療を継続的に必要とする患者が、最高限度額に達したからと保険金支払いを停止することを禁止したのもオバマケアです。このような、国民を保護するための手段を織込んだ制度が、代替案もないままに廃棄されてしまう理不尽!そして、実際の制度内容に対する十分な知識すら無いのに、闇雲に「トランプがより良い制度にしてくれる」と信じる支持者。

 トランプが過去のTV番組で見せた態度、選挙中そして当選語を通しての発言や態度が示すものは、トランプにとって貧困層は敗者であること、敗者を鑑みるつもりはないであろうということではないでしょうか。共和党が今後出してくるであろう、保険制度の代替案、私は大いに刮目しています。オバマケア以前と同じ精度を出してくるなら、共和党の無能が晒されるでしょう。何らかの新しい案が出てくることを期待していますが、それは本当に大多数の国民の利益となるようなアイデアでしょうか?早く、提示して欲しい。

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