千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

ミニトマトをいただいた

2019年08月21日 | いただきもの歳時記
Nさんからたくさんのミニトマトをいただきました。


ずっしり。


採りたて。


オカメインコはトマトを食べませんが、一応報告だけしときます。

野菜は何でも好きですが、トマトはうれしい。
最近のトマトは美味いですからねえ。


トマトはもちろん夏の季語。例句は山程あるでしょうが、とっさに浮かんでくるような句がありません。浮かんでくるのは、

  赤茄子の腐れてゐたるところより幾程もなき歩みなりけり

という斎藤茂吉の奇怪な一首。なんのこっちゃかわからん、と思いつつ、一読わすれられないインパクトがあります。

いただいたミニトマトは茂吉の歌とはだいぶ遠いポップな感じですけどね。

桃をいただいた

2019年08月19日 | いただきもの歳時記
Kさんから桃をいただきました。
収穫が始まったばかりの(多分)川中島白桃。


今年の初物です。


袋をかけたままの状態でいただきましたので、剥がしてみます。


白桃というのは、皮ではなく果肉が白いと言うことです。
割と固めの品種でしかも収穫直後ですから、果肉はしっかりしています。
とろとろと柔らかい桃とはまた違うおいしさ。私は種まわりのちょっと酸味のあるところが好きです。
うまい。


オカメインコにフルーツを与えることについては諸説あります。
私は見せただけ。彼も特に興味は示しませんでした。


さて、桃の俳句といえば好きな作品がたくさんあります。

  中年や遠くみのれる夜の桃   西東三鬼
  磧にて白桃むけば水過ぎゆく  森 澄雄
  桃食べて体が匂ふ今朝の秋   殿村莵絲子
  白桃を投げれば鬼が口ぬぐふ  仙田洋子
  翁かの桃の遊びをせむと言ふ  中村苑子

桃はちょっとエロいですね。

じゃがいもをいただいた(2)

2019年08月19日 | いただきもの歳時記
またまたじゃがいもをいただきました。


こんどはMさんから。しかもたくさん。


立派なキタアカリです。

キタアカリはホクホク系の薯ですから煮物に使う時は注意が必要です。とにかく煮崩れやすい。
かき回さないこと、煮すぎないことが大事です。「煮直した二日目のカレーが美味い」という迷信を未だに信じている方は特に気をつけて下さい。じゃがいもの消えた、もっちりルーのカレーになってしまいます。

じゃがいも料理のレシピはメイクイン系か男爵系かを区別するべきだ、と私は全国民に訴えたい。

さてしかし、こんなに大量では食べきれないかなあ。おすそわけ先を考えなくては。



  コロッケに藷のかたまり夜学果つ  辻桃子

お施餓鬼

2019年08月16日 | いただきもの歳時記
菩提寺の施餓鬼会に行ってきました。

毎年のことながら、暑い。特に今回は台風10号が運んできた熱い空気が澱んでいるようです。

扇子が必需で、私も持っていきましたが、儀式や住職の挨拶のときなどそうパタパタもできません。扇子を閉じるとじわっと汗が出て来ます。
すると隣でジーっというかすかな音。ちらと見ると携帯用のミニ扇風機を使っていました。その手があったか。

お坊さん10人によるイベントは1時間程で終了。

お塔婆をいただいて本堂を出ると別室にテーブルが用意されて折詰とお酒が並んでいます。しかしここで飲食するのはお坊さん達と幹部役員で、われわれは1セットづついただいて帰ります。


こんな感じ。すぐさま冷蔵庫へ。


夜、京都五山の送り火のTV中継を見ながらこの折詰を開けてみると、かすかに違和感のある匂いがします。この時期ですからねえ。
食品ロスは遺憾なことですが、私の座右の銘は「無難に無難に」ですから、廃棄処分としました。

福無量は冷やしといてまたいつか飲むことにします。



  町中にかつと日当る施餓鬼寺   山田みづえ

  送り火の法も消えたり妙も消ゆ  森 澄雄

古本から紙魚が出て来た

2019年08月14日 | いただきもの歳時記
昨年、幸田露伴の「評釈芭蕉七部集」全七冊を購入しました。1983年岩波書店刊、当時の定価11,800円。

安東次男の「芭蕉七部集評釈」をはじめ七部集に関連する本を読むと、しばしば露伴の評釈についての言及があります。それで読んでみたいとずっと思っていました。
ふと思いついてネットで検索したら案外簡単に見つかり、すぐに注文しました。

35年前の本ですからさすがに外箱は灼けていましたが、中の本は上等。読んだ形跡のない綺麗な状態でした。


6,599円で入手しましたが、良い買い物だったと思います。

それから1冊づつ取り出しては読んでいたのですが、昨夜ちょっと調べたいことがあり、書架から箱ごと持ってきて机上で本を引き出すと、


虫が出て来ました。


紙魚(しみ)です。


知識としては知っていましたが、実は私、紙魚を見たのは初めてです。

ルーペで観察してから駆除。全部の本を調べましたが1匹だけでした。ウチへ来てからだけでも1年以上、どうやって生きていたのやら。

この本は表紙に和紙が使われているので、それを囓っていたのでしょうが、幸い目につくような食害の痕はありませんでした。

  光琳忌きらゝかに紙魚走りけり  飴山實
  指先の銀はつぶせし紙魚のもの  品川鈴子
  雛箱の紙魚きらきらと失せにけり 臼田亞浪
  紙魚の銀身をうねらせて走るかな 野村喜舟

紙魚の別名はきらら虫。きららは雲母のことですから、銀色の鱗粉のようなものを纏っているのでしょう。
しかし机上の紙魚はキラキラ感がありません。
たぶん、喰った本が渋かったのでしょう。

初めて紙魚の実物を見られたので、ちょっと得した気分。これは本のオマケに付いて来たものということにして、無理矢理「いただきもの歳時記」に放り込んでみました。

手打ち蕎麦をいただいた

2019年08月14日 | いただきもの歳時記
打ち立ての蕎麦をいただきました。
趣味で打つ方からいただいた方からのおすそわけです。


年季が入っているようで、とても綺麗な出来上がりです。

さっそく、我が家で一番大きい鍋を出して茹でました


期待通りうまかった。

しかし全部は食べきれませんでした。


翌日、茄子汁のぶっかけにして昼食。見映えはともかく、うまい。


蕎麦自体は季語ではありません。
新蕎麦、夜鷹蕎麦、年越し蕎麦などは季語になります。
夜鷹蕎麦は夜鳴き蕎麦に同じ。

  夜蕎麦売いつの間にやら子をでかし  柳多留


ホタテ貝をいただいた

2019年08月11日 | いただきもの歳時記
青森産の帆立貝をいただきました。
甥が青森の女性と結婚し、そのご縁で時々いただきもののおすそわけをいただきます。


なんかイキモノ感満載。


殻に、別の生命体が……。

やっぱバター醤油で焼いて食うのが一番かなあ。

貝類は春の季語になっているものが多いですが、帆立貝と鮑は夏、牡蠣は冬となります。

私一個の印象に過ぎませんが、帆立貝の作例は少なく佳句に乏しいように思います。私もこれまで俳句に詠んだことがありません。

何故なのか分かりません。ひょっとしたら安岡力也と武田久美子が邪魔しているのかも。

夏野菜をいろいろいただいた

2019年08月11日 | いただきもの歳時記
Oさんから自家製野菜をいただきました。


茄子、胡瓜、ゴーヤ、クロウリ、万願寺唐辛子、ピーマン、トウモロコシ。
トウモロコシは皮を剝いて持ってきてくださったので、急いで蒸すことに。


10分でこんな感じ。


  東京の客がある唐黍をもぐ  一石路

栗林一石路は信州青木村の人。青木村は平成の大合併に加わらず今も村です。江戸時代ここは百姓一揆の発火点で、今も「義民の村」を誇っています。なんか、この村はいかにも長野県だなあって気がします。

吟行地を探している俳句団体の方、青木村を検討してみて下さい。石仏群で有名な修那羅峠もここです。一石路の資料館・句碑もあります。ニジマスも釣れます。道の駅も充実してて、季節の野菜やキノコなんかも売っています。今日行けばトウモロコシも買えます。


五島慶太も青木村の人です。この村から東急グループの総帥とプロレタリア俳句の旗手が出ている。なんか面白いですねえ。

トウモロコシを蒸すついでに、先日いただいた、ちょっと育ち過ぎの胡瓜を煮ておきます。


種を取って、適当に切って、適当に味付けして、適当な時間煮れば、適当なおかずになるはず。

さてさて、どこの家庭菜園も夏野菜の収穫が盛りを迎え、いただきものも増えるばかり。いろいろ考えなくては。

献血グッズ

2019年08月08日 | いただきもの歳時記
献血に行ってきました。
こんなんもらいました。


歯磨き粉、AKBのお嬢さんのクリアファイル。ここには写っていませんがスポーツドリンク1本。

私の家の近くには、毎年2月と8月に献血車が来ます。暑さ寒さのピークで献血の少ない時季ですから、出来るだけ行くようにしています。
献血はとても簡単お手軽安直な社会奉仕ですから、見逃す手はありません。幸い自営業なのであらかじめ仕事の日程を調整して行きます。受付・問診・検査・献血、全部で30分もかかりません。
献血は69歳まで。ただし、60歳から64歳までのあいだに献血していない人は以後は出来ません。
私はもう60代後半なので、献血もあと何回というところに来ました。
私が70歳になって献血人口が1人減るというのも面白くないので、後継者(?)を3人程度確保したいというのが切なる願いです。どうか、何かの因縁と思って、定期的な献血を習慣にして下さい。あなたが悪人でも善人でも、血液は人のためになります。

若い人なら、骨髄バンクの登録もして下さい。いつかそのうちなんて思っていると老人になってしまいますから、今すぐ検索して実行に移しましょう。


献血しただけで歯磨き粉がもらえるなんて夢のようじゃないですか。我が家のオカメインコも「スッゲー!!!」と絶叫しています。


  献血車出て炎天に立ち向かふ 松栞

わ、平凡!
でも実感。



ゴーヤをいただいた

2019年08月07日 | いただきもの歳時記
近くに住む親戚からゴーヤをいただきました。
家庭菜園で育てている人も多く、信州でもすっかり身近な夏野菜になりました。


長いのと短いのは品種が違うのでしょうかねえ。

  苦瓜といふ悶々のうすみどり  坂巻純子


頂いたゴーヤは信州産ですが、やっぱり本場は沖縄。
先年遊びに行った時に撮ってきた沖縄の写真を並べてみます。


やっぱ、なんか、風景の色彩が違いますね。


可憐な朝顔。


可憐な山羊。


可憐なマサヒデ。




  草蝉の草地に深し不発弾  矢島渚男