千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

ポポーをいただいた

2019年09月30日 | いただきもの歳時記
俳句仲間のYさんからポポーの実をいただきました。庭にポポーの木があるのだそうです。


小さめのを3個。独特の香りがします。


オカメインコは若干興味をもったようです。匂いはどの程度感じてるんでしょうかねえ。

ねっとりとした食感で、少し癖のある甘さです。食べたのは3回目ですが、ううむ、特にウマイなあとも思えません。不味くはありませんが、これが大好きという人は少ないか。


種が大きい。これを埋めておくと割と簡単に芽が出るらしいですが、大木になるのでやめておきます。

ポポーの実を季語として取り上げている歳時記は見たことがありません。でもまあ、秋の生りものということで季語扱いしてもいいかなあ。

  鱶がいて台風圏の青いポポー     和知喜八
  ポポー二つどちらからともなく匂ふ
  ポポー稔りぐんぐん離れゆくごとく

和地さんのお宅にもポポーの木があるんでしょうか。

マンゴーをいただいた

2019年09月29日 | いただきもの歳時記
沖縄の知人からマンゴーを送っていただきました。


グリーンマンゴー。私はこの緑のは初めてです。


一応、オカメインコに報告。どっちも南国生まれではあるけど……


こんなふうに黒点が出て来たら食べ頃なんだそうです。


切り方へたくそ。


完食。南方のフルーツもいいですねえ。

  犬は海を少年はマンゴーの森を見る  金子兜太

バナナとパイナップルはどの歳時記でも季語になっていますが、マンゴーは載っていません。マンゴーは夏の果物であってバナナより季節感があると思いますが、歳時記に載せるには例句、特に名句がないと難しい。

キウイ、パパイヤ、マンゴー、うれしはずかしフルーツスキャンダル!
古すぎて何の話か分かんないですね。

曼珠沙華

2019年09月28日 | 千曲川の植物
今年はちょっと遅かったようで、9月の最後になって咲いています。


千曲川左岸、笄橋付近です。


独特の激しい赤です。


背景のニセアカシアの向こうは河原で、川音が聞こえています。

川では何人かが投網を打っていました。投網打ちを見たのは随分久し振りのことでした。
昔はこのあたりは鮎釣の名所でした。
友釣りシーズンの後に落ち鮎の投網漁が解禁されるのですが、今はそもそも鮎がいないので落ち鮎もいるわけがありません。
何が獲れるのかとしばらく橋の上から眺めていたのですが、遠いので私の視力では良く分かりません。大漁でないのは確かでしたが。


  西国の畦曼珠沙華曼珠沙華  森澄雄

結局、この句には勝てないですね。

林檎をいただいた(2)

2019年09月24日 | いただきもの歳時記
林檎をいただきました。




シナノスイートと千秋かな。
最近は品種が多くて良く覚えられません。

これは栽培農家の方からいただいたもので、傷りんごです。収穫の時落ちてしまったものなどで出荷できませんが、食べれば美味しい。ジュースにするという手もあります。


とりあえず食べます。うまい。


オカメインコも食べます。

物の本によるとインコに林檎の種は毒なんだそうですが、うちの鳥は長年食べていたような……

葡萄をいただいた

2019年09月24日 | いただきもの歳時記
葡萄をいただきました。シャインマスカット。
今年は結構高い値が付いています。


色も味も大分のってきました。

知り合いの農家にお願いして、毎年たくさんの葡萄を親戚知人に送っています。これはそのオマケとしていただいたものです。


オカメインコは剥いてやらないと食べません。



  葡萄食ふ一語一語の如くにて    草田男
  葡萄あまししづかに友の死をいかる 三鬼
  葡萄吸ふひとの情人のまなこ澄む  不死男

いずれも初心の頃に読んで覚えた句ですが、今でも結構好きです。

ハエトリグモ

2019年09月23日 | 千曲川の動物
トウガラシにアブラムシが発生しました。遊びで栽培してるだけですが、あまり増えるようなら駆除の方法を考えなくてはなりません。
ある朝見ると、葉にハエトリグモがいました。


見えますか?


拡大。

ハエトリグモは巣を張らず、飛びついて蠅を捕まえます。昔はよく家の中にいて便所の窓なんかで蠅を追っかけていました。このごろはとんと見なかったのですが、こういう所にもいたんだ。
はたしてこのクモはアブラムシを食べているのか、俄然興味が湧きます。
しかし観察しようと近づけば瞬間移動で隠れてしまい、私の視力では確認出来ません。

この格好を見ると、飛来する虫を待ち構えているのでしょうか。


蜘蛛は夏の季語。ハエトリグモも当然その一種ですが、多くの歳時記は「蜘蛛」とは別項で「蠅虎(はえとりぐも)」の題を立てています。蜘蛛の巣を懸ける普通のクモとは生態が全く違うからでしょう。

  蠅虎鉄斎の書にはしりけり  青畝
  蠅取れぬ蠅虎と時過ぎぬ   楸邨
  帰国して蠅虎の待つわが家  汀子
  向きかへて蠅虎の鬱と跳ぶ  展宏

「蠅虎」の表記は大袈裟な感じですが、この蜘蛛のハンターぶりは古くから注目されていたようです。
平井照敏編「新歳時記」(河出文庫)は蠅虎の解説に、

蠅をとらえるすばやさが喜ばれ、昔はこれを飼いならして、蠅をとらせて喜んだという。それで虎の字が宛てられ、また座敷鷹とも言ったという。

としています。

わたしはこの歳時記を愛用しているので、「座敷鷹」という呼び方は知っていました。
しかしこの語、広辞苑にも日本国語大辞典にもなく、新旧の歳時記を見ても「新歳時記」以外には取り上げているものがありません。「座敷鷹」を季語とした例句も私の管見には入りませんでした。
それでも古句にあるかも知れないと考えて今回検索していると、思わぬサイトに行き当たりました。なんと「座敷鷹」の専門サイト。

江戸と座敷鷹

座敷鷹情報満載の驚くべき、というか呆れるべきページです。
蠅取蜘蛛ファンの方は是非!

西瓜をいただいた

2019年09月10日 | いただきもの歳時記
親戚の畑でとれた西瓜をいただきました。


今日は9月10日、普通なら「えー今頃!?」というところですが、台風15号の後異常に暑い。西瓜日和です。


ちょっと熟れすぎで実が弾けかかっていましたが、いい色。


オカメインコも試食。


結構イケるでえ!

果肉の食感はちょっとボケ気味ですが、味は最高。


西瓜の俳句について考えるのは面倒なので、私の旧作を掲げておきます。

  大声で呼ばれ大きな西瓜食う  松栞

むかしはどの家も家族五、六人はいました。夏休みの頃などは更に人数が増えて、大きな西瓜もたちまちなくなったものでした。
今は冷蔵庫に収まるように作られた小玉西瓜さえ、持て余します。
この西瓜、完食できるだろうか。

アメリカシロヒトリ

2019年09月10日 | 千曲川の動物
アメリカシロヒトリは年に2回発生します。8月末から9月初旬は2回目の発生期です。
通称アメシロ。桜、桑、胡桃、柳、柿などによく付きますが、大発生した時はあらゆる広葉樹を食うように見えます。

胡桃はまずやられる木です。


葉っぱはほとんど食われてしまった。


こんな感じ。


こちらの木もひどい状態。

こちらは柿の木です。


葉は一枚も無く、青い実がまばらに残っています。


アメリカシロヒトリのヒトリは「火取り」。火取虫の意ですね。
だからその成虫は「蛾・火取虫」であり、幼虫は「毛虫」であって、いずれも夏の季語です。
一般にアメシロの成虫には余り関心が向けられません。アメシロと言えばほぼ幼虫を指しています。だから俳句に詠むとすれば「毛虫」なのでしょう。
単に「毛虫」ではあの爆発的に繁殖して木を丸坊主にしてしまう勢いが想像されにくいように思いますが、ま、しょうがない。なにしろ名前が長すぎるので「アメリカシロヒトリ」と詠んだ句は稀です。

もう一つ、時季の問題があります。「秋の毛虫」という季語はありませんから、さてどうしよう。

  垂れ毛虫皆木にもどり秋の風  臼田亞浪
  葛咲けり毛虫地に置く糞ゆたか 飯田龍太

こういう大先生になれば季重ねなんてへっちゃらなのですが。

プルーンをいただいた

2019年09月09日 | いただきもの歳時記
Kさんからプルーンをいただきました。


プルーンは大好物。煮たり干したりなんかしないで、どんどん食べちゃいます。


いい色です。


例によってオカメインコにも報告。

昔は家内の実家にプルーン畑があったので季節には食べ放題でしたが、今はパック詰めを買って食べています。だからこのいただきものはうれしい。



プルーンは歳時記には載っていません(もちろん全部見たわけじゃありませんが)。
大雑把に言えば李(すもも)の一種ですから、「李の実」または「巴旦杏」の傍題として扱って良いと思います。夏の果物ですね。プラムとかソルダムなんかも同じでしょう。

  血肉噛むかに巴旦杏甘く渋し   津田清子
  密教の風吹いてくる巴旦杏    宇佐美魚目
  虫食ひすもも赤犬人をなつかしむ 細見綾子

李や巴旦杏の例句はたくさんありますが、プルーンの俳句は見たことがありません。私もこれまで作ったこともありませんでした。
まあ、食べながら考えてみることにします。

どうしろというんだ!

2019年09月05日 | いただきもの歳時記
ロシア旅行みやげです。
これをどうしろというんでしょう。


プーチン。


マトリョーシカって言うんでしたよね。
二人目はエリツィン。


ゴルバチョフ。


スターリン!!??


ん?


レーニン、ちっちゃ!
この5人、順番逆じゃないでしょうか。

私はこれを(レーニンではなくマトリョーシカを)見ると、女性は胎児の段階で卵子を持っているのだという話を思い出します。

それはともかく、変な人選ですねえ。
スターリンを入れるならフルシチョフとブレジネフも欲しい。
エリツィンが居るならメドベージェフは?

もっとも、メドベージェフはマトリョーシカじゃなくてマリオネットということかな。

考えてみればロシアについては何も知らないにひとしい。残念ながら、ロシアと聞いて浮かんでくるイメージは我ながら貧しく類型的で、詩的感興には遠いです。

  大愚イワン夜ごと大きな芋を掘る  松栞

でも青年時代に愛唱したロシア民謡は、今も時折私の頭の中を流れています。歌詞は「劇団カチューシャ訳」というのが多かったですねえ。


  遠い女シベリヤの鴨潟に浮き    西東三鬼
  朧月露国遠しと思ふとき      飯田龍太
  ロシア見ゆ洋酒につらら折り入れて 平井さち子
  レーニンの脳の話や秋の暮     大木あまり

やっっぱりみんな、遠いような。


オカメインコは戦闘モードです。