千曲川のうた

日本一の長河千曲川。その季節の表情を詩歌とともに。
人生は俳句と釣りさ。あ、それと愛。

石を拾ってくるのはいいかげんによそう(3)

2020年08月10日 | 千曲川の石

石を拾ってくる子どもだった。

もう大人になって、というか初老のおっさんなので、石を拾ってくるのは我慢しておこうと思うのですが、河原を歩いているといろいろな石が声を掛けてきます。

2019年の台風19号は千曲川の風景を一変させてしまいました。石河原だった所が堆積した砂に埋まり、石の声も聞き取りにくくなりました。チドリやコアジサシなんかも営巣地に困ったのではないでしょうか。葦原も流されたり埋まったりしたので、ヨシキリも住宅難だったかも知れません。

最近の河原徘徊の成果がこの石です。5cm弱。

白い筋がぐるりと一周しています。

こういう石を「鉢巻石」と言って縁起が悪いのだ、と聞いたことがあります。それを思い出して広辞苑に当たってみると、

〈鉢巻石〉石の周囲を白や黒の筋が一周しているもの。家に置くと病人が絶えないとか親を巻き殺すとかいって忌む。信越地方でいう。

とあります。オソロシイ。信越地方ってこの辺じゃないですか。一方、今ネット検索したら、三保の松原の海岸で鉢巻石を見つけると縁起が良いらしい。

こんなつまらん迷信がどのようにして発生するのか、人間の脳は謎です。

かわいい石なのでしばらく手元に置くことにしました。もう親も死んでるから巻き殺される気遣いはないし。いやまてよ、親って俺のことかな。

 

もうひとつ、こちらは8cmくらい。

なかなか渋い縞模様です。

鉢巻じゃなくてボロ包帯でぐるぐる巻きされたような。

この石が、当事務所のメモ用紙に置かれる文鎮の現役です。



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