勝手に思うままに 榊原秀光のブログ

日頃 思っていることや感じたことを思うままに書きます。

勝手に思うままに 1

2008-08-20 17:46:51 | 平和
 日頃 感じたことや思い、学びから得たものや良書の紹介等々勝手に思うことを書いていきます。楽な道を歩んだり、不正のつけは夢や希望ある子供達にすべて振りかかっていきます。私達にできることをみんなで考えていきませんか?

初回は、月刊「致知」の2002年9月号で向野幾世さんが紹介した詩です。

勝手に思うままに 人生のテーマ

ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細かいうなじに ぼくはいう
ぼくさえ 生まれなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら

ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり

作者は山田康文くん。生まれたときから全身が不自由、口も利けない。
通称やっちゃん。そのやっちゃんを養護学校の先生であった向野さんが抱きしめ、彼の言葉を全身で聞く。向野さんがいう言葉がやっちゃんのいいたい言葉だったら、やっちゃんがウインクでイエスのサイン。ノーの時は舌を出す。気の遠くなるような作業を経て、この詩は生まれた。
そしてその2ヵ月後、少年は亡くなった。
自分を生み育ててくれた母親に報いたい。その思いが少年の人生のテーマだったといえる。
短い生涯ながら自分は見事にそのテーマを生ききり、それを一遍の詩に結晶させて、逝った。
生前、ひと言の言葉も発し得なかった少年が、生涯をかけてうたいあげた命の絶唱。 この詩が私たちに突きつけてくるものは重い。
人は皆、一個の天真を宿してこの世に生まれてくる、といわれます。
その一個の天真を深く掘り下げ、高め、仕上げていくことこそ、各人が果たすべき人生のテーマといえるのではないでしょうか「我行精進、忍終不悔」-わが行は精進して忍んで終に悔いなし。
『大無量寿経』の言葉である。永遠の人生のテーマがここにある。
  
いやだから「や~めた」とか「後からやろっ」これは自分との約束を守らない、普通の自分なのでしょうが、いやなことに立ち向かう、いやなことを進んでやる。
やり遂げたあとの達成感や、清々しさの大きさが違うと思います。 
                                  拝