勝手に思うままに 榊原秀光のブログ

日頃 思っていることや感じたことを思うままに書きます。

勝手に思うままに 68

2010-09-24 06:46:56 | 平和
いまのところ日本でサービスというと、「お一つサービスしますよ」というように
「無料、タダ」として使われています。

でも、加賀屋のサービスはそうじゃない。
加賀屋では、「サービスとは、プロとして訓練された社員が給料をいただいて、お客様のために正確にお役に立って、お客様から感激と満足感を引き出すこと」
と語るのは、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」24年間連続総合1位に輝く小田禎彦(加賀屋会長)さん。

勝手に思うままに68 サービスの本質

私はサービスの本質は、突き詰めれば2つだと考えています。

1つは正確であること。

例えばモーニングコールの時間を頼まれていたのに、時間を間違えてしまったとします。
それはサービスの正確さという点においては、病院が酸素ボンベと炭酸ガスを間違えたり、肺がん患者と心臓病患者を間違えて手術室へ入れることと何ら変わりはありません。

サービスで1番大切なのは正確かどうかです。

しかし、正確であればそれでいいのではなく、やはりホスピタリティー、お客様の立場に立って思いやる心がなければなりません。

この2つが揃って初めていいサービスができるのです。

700名もの社員さんには、とにかく最初は丸暗記しろって言っているんです。

私はよく「まね、慣れ、己」と言うのですが、最初は会長に言わされている、物まねさせられていると思っても、自分の体験が伴って納得できると、言葉が生きてきて、最後には自分オリジナルの言葉になるのです。

私はこの加賀屋のサービスの定義は、社員だけでなく、出入りするコンパニオンやらパートタイマー、マッサージ師やショーに出るバンドの人たちにもしっかり理解してもらおうと思って、私も機会を見つけてはお話しさせていただいています。

うちが給料を払っているわけじゃないが、お客様にしてみれば「加賀屋にいるスタッフ」には違いありませんからね。

ですから、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」24年間連続総合1位をはじめ、各方面から高い評価をいただいているのは、そういった訓練・教育を通し、社員たちが成長し続けている証ではないかと思っています。

選ばれ続けるのには、わけがあるわけであります。 拝

勝手に思うままに 67

2010-09-23 06:29:26 | 平和
 本日は、徒手空拳でギターメーカーを創業、一代で世界シェア3割強の会社を築いた
横内祐一郎氏のお話をご紹介します。

 英語がまったく話せない横内氏は一度も行ったことのない外国へ行かされます。
しかし飛び込み営業に回っても、「ゴー、ホーム」と言われ、追い返されてしまう始末。
資金は見る見るうちに底をついて、食事は1日1回ホットドックを頬張る程度。
社長に送金してくれと手紙を書くと、注文がなければカネは送らないという。それでは日本に帰ることもできません。
アポイントを取らなければと気づいてからは、「アポイントを取りたいが都合はどうだ」という英語を勉強して電話をかけるのですが、それに対して向こうが返してくる言葉が分からない。
そうして5か月くらい悪戦苦闘しても、1件もアポイントを取れず、1本もギターが売れませんでした。
きょう売れなきゃ俺は死んじゃう。そういう決死の思いで、アポイントを取らずにギターを4本ぶら下げて営業に出ました。でも、やっぱりダメでした。もう売れないし、お金もないから俺は死ぬのを待つしかない……。

勝手に思うままに  セントラル・パークの奇跡

 どこをどう歩いたのか、セントラルパークまでやってきて、「あぁ」とため息をついてベンチに腰を下ろすと、アメリカ大陸の地平線に真っ赤な太陽が沈んでいくところでした。
そしてすとんと沈み終わったその時、母が手を合わせて祈っている姿が浮かんできたのです。
「おまえの祐一郎という名前は、 天が助けてくれるという意味で、お父ちゃんがえらい学者さんからもらってきた名前だよ。困ったら絶対に神様が助けてくれるで、大丈夫だで。おまえは何をやってもうまくいく」
そう言って子供の頃から励まし続けてくれた母のことを思い出し、「お母ちゃ~ん、助けておくれよぉ~。お母ちゃ~ん!」 と体いっぱい太陽に向かって叫びました。
どれくらいたったでしょうか。
気がつくと目の前に一人のアメリカ人紳士が立っていました。思わずその人に縋り付いて、私はワンワン泣きました。彼は静かに私の背中をさすりながら「なぜ泣いているんだ?と。
「私は日本からギターを売りに来ました。しかしアポイントが取れません」とありったけの英語力で伝えると、
「私の家に来なさい。妻が英語を教えるだろう」と言って家に招待してくれました。
そうしてその方の奥さんに2週間ばかり手ほどきを受けたら、すっかり英語が分かるようになったのです。
あれは不思議でした。「You, try your business」

そう言われて再びアポイントの電話を入れると、向こうが言っていることがおもしろいようにわかるんですね。
そうして取ったアポイントで、300本の注文を取ることができました。
帰りのタクシーの中で嬉しさがこみ上げてきましてね。
ああ、あのアメリカ人夫婦に救われたなぁと。
いや、考えてみれば社長にも、留守を守る母や妻にも支えられているな。
会社では、俺の留守を社員のみんなで守ってくれているんだな。
ああ、おれはみんなに支えられながら生きているんだと心から思いました。
その感謝が原動力となって、全米を回って合計1万本、20万ドルの注文を取ってくることができました。
その後、オイルショックで大打撃を受け、社長は完全に経営から退きました。
私は大赤字に転落した会社を引き継ぎましたが、
「商品をつくるまえに人間をつくる」
「素晴らしい人間がつくるギターが、悪いわけがない」
という経営方針でやってきたら、自然と世界シェア3割強のギターメーカーとなっていました。 以上

運 天命 奇跡 それは、あきらめない心があって成り立つものなのですね

勝手に思うままに 66

2010-09-21 06:38:58 | 平和
今回も石川洋さんのお話です。

「人生逃げ場なし」という言葉は、自分を正すために心に刻んできた言葉の一つなんですが、私はそんなに強い人間ではございませんので、逃げたくなる時もある。

どこかに逃げ場がないかと追い求めてきた一人の人間でもあります。
と石川さんは言う。
勝手に思うままに66 人生逃げ場なし

 私は17歳の時に一燈園の西田天香さんとのご縁をいただいて、最後の弟子としてお仕えをさせていただき、生涯を下坐行に捧げることにいたしました。

ところが7、8年たって原因の分からない病気にかかりまして、ものを食べてもほとんど喉を通らなくなったんです。

最後には流動食も入らなくなり、先輩のお許しをいただいて実家の母の元に帰ったのです。天香さんは、講演で実家の近くまで来られた時に、お見舞いに立ち寄ってくださいました。

寝ている私のそばにお座りになって、母親に「洋さんの容態はいかがですか」と聞いてくださいました。

母はきっと、疲れて帰ってきましたなどと、私に対する慰めの思いを込めて天香さんに
報告してくれるだろうと思って聞いておりました。

ところが、母の口から出た言葉は全然違ったんですね。「私の息子は神経衰弱でございます」と答えたんです。耳を疑いました。
私は神経衰弱などではないのに、どうして母はそんなことを言うのか。

師匠の前で問いただすこともできずに、私は黙って横になっていました。
天香さんはそれを聞くと、「早く元気になって戻ってきなさいよ」と言って帰っていかれました。
私は天香さんが帰られてから母に、「なぜ私を神経衰弱だと言ったのですか」
と聞きました。しかし、いくら聞いても答えてくれません。でも、とうとう重い口を開いて言うことには、「私はあなたを生んで、体は育てることができたけれど、心を育てることはできなかった。そのあなたの心を育ててくださっている師匠は私の師匠。そのお師匠の前で、息子は疲れて帰ってきたと言えますか」
と。私は、布団をかぶって涙がかれるくらい泣きました。

悲しい涙でもなけりゃ、辛い涙でもない。母親の心情を思うと、涙が止まらなかったんです。

天香さんは、この子はこれからどうするかと見に来ているわけです。
園に戻るのか、母親の情にほだされて実家に落ち着くのか、真剣勝負で私を見ている。

その厳しい空気を察して、神経衰弱だと一刀両断のもとに叩き切った母のすごさ。

私は病気が治るかどうかも関係なしに一燈園に帰らせていただきました。
すごい母だと思いました。

でも、私を叩き出しながら、その後ろで母はきっと泣いていたんですね。

その涙が分かるようになったのは、私に子どもができてからですけれども。


だから人生逃げ場なし、逃げたらあかんというのは、私にとってはギリギリの言葉なんです。
天香さんとの師と弟子の心の闘いです。
実家に落ち着いてダメになるか、親を捨てて下坐に生きるという志を貫けるか。
その迷いを断ち切ってくれたのは母でした。

勝手に思うままに 65

2010-09-20 06:18:01 | 平和
久しぶりの投稿であります。
今年の猛暑は異常でした。
やっと朝は涼しくなってきたものの、日中の日差しは夏であります。

さて今回は、何度かお名前は登場している 石川洋さんのお話です。
私が、行き詰まったりしたときに自分自身を見つめなおす、そんな言葉を教えてくれたのが、石川洋さんです。
石川さんからの教えを頂くかたはたくさんみえます。
石川さんの本の中には仏教のことがよく書かれています。

仏教はたった二つのことだけを教えてくれています。1つは、なぜ苦しみ、なぜ悲しみ、なぜ行き詰っているのか。それに気づくことによって私たちは成長できる、というのです。だから一つのことを達成した方たちの共通語は「おかげさま」という言葉です。泣いたおかげ、病気をしたおかげ、行き詰ったおかげ、一浪したおかげ・・・・その「おかげ」がわかる人が物事を達成できる人です。

勝手に思うままに65 行き詰まり

仏教のもう一つの教えは、行き詰っている原因は私にあると気づくことです。

つらいことが多いのは、感謝を知らないから。
苦しいことが多いのは、自分に甘えがあるから。
悲しいことが多いのは、自分のことしかわからないから。
心配することが多いのは、いまを懸命に生きていないから。
行き詰まりが多いのは、自分が裸になれないから。

自分自身が困難や行き詰まりの原因だと思ったら、90%の問題は解決するのではないでしょうか?
人の責任にしている間、被害者意識を持っている間は、本気にならないから解決できないのです。
本気になるということは、自分が自分の人生の第一責任者なのだと自覚することです。
と、石川さんに教えられました。
石川さんの自戒の言葉をいつも目につくところに、いつも読めるところに貼り付けている次第であります。 拝