昨日はヴェルレーヌのお葬式だった。
もうひとり死んだのだが、わたしは路上をさ迷うのみで、とにかく腹が減って不安が募るばかりであった。
日傘をもった和服の婦人三人に道脇の階段で出遭うが、一応葬式の場所を聞いてみた。
場所は知っているのだが、迷っている。
まあ有名だったヴェルレーヌは男色家で愛色家であり、両刀使いであり、井上ひさしのように女房を殴って喜悦に浸り、そして才能に恵まれるのである。
彼の脳裏はには「ぶっ殺す!」の単語が隈なく襲ってくる。
実際乱暴めがけて拳銃を発射した。この拳銃発射の亡霊はピカソにも移ってしまった。
そしてわたしにも移ってしまったのであろうが、わたしよりも模造拳銃を作っていた刑事の方に移ったのかもしれない。
47news共同通信
福岡県警警部補を送検 「雑誌で改造銃購入」
改造拳銃を所持したとして、銃刀法違反の疑いで福岡県警捜査1課の警部補岡田好典容疑者(46)が警視庁に逮捕された事件で、岡田容疑者が「十数年前に雑誌を通じて改造済みのモデルガンを数十万円で購入した」と供述していることが23日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁組織犯罪対策5課は同日、岡田容疑者を送検した。
捜査関係者によると、岡田容疑者は、雑誌の読者交流欄で、ほかの拳銃マニアが既に改造したモデルガンを売りに出しているのを見て、購入したという。
警視庁の鑑定の結果、この改造拳銃は回転式で、銃身が真ちゅう製。実弾が発射可能で、厚さ4ミリのベニヤ板6枚を打ち抜く威力があり、殺傷能力があると判断した。
岡田容疑者宅の家宅捜索では、この改造銃のほかにも改造の疑いがある十数丁のモデルガンや工具が見つかっており、組対5課は、一部の銃を自分で改造していた可能性もあるとみて性能などを調べている。
警察のことはさておき、ヴェルレーヌは亡くなってしまったのである。
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秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。
……上田敏訳
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わたしは何故か道をどんどん登りつめていた。いつものことで腹が減っていた。喉が乾いていた。
それでもどんどん山の方へ進んでいく。葬式の場所は全く反対である。葬式では何が起きているかはイメージでわかってしまう。
そういえば海の家へ行くのに電車を降りる場所はいくつもあった。
どの駅も海に面している。だらかどの駅に降りても海水浴には行けるが待ち合わせ場所は指定されている。
だから目的地は一つであるが、勝手に自分でその駅を決めてしまおうとしてしまう。それは海水浴の場所と海の家が多く賑わっていて、駅からも違い場所がよいと思うからである。
たぶん松林が沢山あるが、それが電車の中から景色を邪魔にしている。
もう一人死んだのは誰だったか、そうそうそれはわたし自身だった。