四苦八苦奮闘記

日常、アート、僕の奮闘劇、思うことなど。

優しいと甘いの境界線

2007年11月06日 14時21分19秒 | Weblog
があるなら、僕は間違いなく甘いほうなのでしょうね(爆)



いやいや、感覚の違いはいつでもどこでもあるなぁ。





この休みに親にずっと言えなかった話をしました。


友達にもあまり言えなかった話で、なんの機会もなければ一生、親には話すまいと想いを固めていた類の話です。


僕が自分でも可笑しくなる程、自分に自信がない話は皆様もうご存じだと思います。


それが小さいときからの根が深いこと、学校や家庭環境から来てしまっていることなども話しました。


もちろん、うちの親だって馬鹿ではありませんから、そういう僕の必要以上の自信のなさはに対してはずっと気に掛けてくれ、何度も何度も自分を否定し続ける僕に「そんなことない」と言い続け、愛を注いで育ててくれました。


みんなも不思議に思っているように、親もまたずっと不思議がっていました。

「何故、こんなにもこの子は自分を認めることを拒み続けるのか?」


親に愛されていない
友達もいない
そんな状態ではなく、親にも友達にも恵まれたと、どんなに見えなくても僕は愛されなかったなんてことはないと、恥ずかしげもなく言う僕が、何故ここまで拒み続けるのか。


その原因はどこにあるのか。
僕のトラウマとコンプレックスの原因はどこにあるのか。


そんな話を掻い摘んで母にしました。





その話は墓まで持っていくつもりだったことも。





関西大震災を覚えていらっしゃいますか?

僕の祖母は神戸に住んでいて、夏は神戸で一人で暮らし、冬は僕らと一緒に暮らしていました。

そして、あの震災の日、幸運なことに祖母は僕らと一緒に暮らしていて、あの痛ましい状況に一人でいることにはなりませんでした。

そのことを契機に祖母は僕らと一緒に暮らし、次第にどんどん弱くなり、介護が必要になりました。


その時、僕は中学生。
まさに、自分のことだけでも神経の狂う時期に母と二人で祖母の介護をしていました。

母と祖母の言い争いの仲立ちをし、
時には食事を作り、
祖母の身の回りの世話をし、
トイレや食事の介助もしました。

よく身体が上手く動かない苛立ちや気持ちを上手く伝えられない歯痒さをぶつけられました。
それでも親に心配を掛けさせないように、祖母が自暴自棄になるのを少しでも押さえられるように笑うのが僕の仕事でした。
道化役には慣れていました。


皮肉なものです。
祖母が目に見えて可愛がっていた姉と弟は何もせず、扱いの一番悪かった僕が介護の手伝いをしていたんですから。
親や家族のことが嫌いで愛がなかったら出来ない芸当だったと思いますよ。


受験生なのに休み返上で神戸に祖母を連れていったり、
車椅子を引いて外に散歩にいったり、
祖母と母が望むことを出来るだけ叶えようとしました。





祖母が亡くなったのは確か、冬でしょうか。


僕は2つの理由で泣くことが出来ませんでした。



一つは母が好きなだけ悲しみに浸れるように。

もう一つは僕の染み付いた道化役がために。





書きましたが、僕は大抵の事に対して甘く、どんな扱いに対しても愛を感じられる限りはその人が悪いのではなく、僕が悪いのだ、と思ってしまいます。



祖母の葬式の日。
親も、姉も、友達もそのことを直接は知りません。
言えるわけありませんでした。

自分が介護をしていた祖母を送るときに、
あれだけやられても祖母のことが好きだった僕が、


「ちゃもちゃん、今日だけで良いからおとなしくしていてね」


なんて言われたなんて。
しかも、母の友人の近所のオバサンに。
どの面下げて、誰に何を言えっていうんでしょう?

怒りも出ませんでしたよ。

ただ、悔しくて、悲しくて。


あぁ、結局、僕はこういうふうに思われているのだと言う絶望感をそんなことわかってたはずだろと皮肉に笑い、僕は無表情に祖母の葬式を終えました。


わかっていました。
そのオバサンだけでなく、今まであったそういう言葉や態度には悪意がないんです。
何の悪意もなく、他意もなく、大人たちは僕にその手のことをしてしまったということを僕はわかっていたんです。


だから、言えなかった。

だから、信じられなかった。

親というものは子どもに対して甘いものだと、
まわりの大人達の意見こそがリアルな意見だと、
事実がどうこうではなく、どう見られているかということこそが重視すべき、信じるべきモノだと僕は思っていました。





なんだか訳が分からない話ですが、こんなようなことを話のついでに話しました。


周りの評価が高すぎてもダメ、低すぎてもダメ。
期待がありすぎてもダメ、なさすぎてもダメ。


世の中っていうのは皮肉なものです。











ま、そんなものに負けてられないんですけどね。