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“ディーバ”の条件 MISIA 7th Album

2007年02月13日 | 女性アーティストブランド価値評価・構造
 日本を代表する女性R&Bアーティストであり、ライブパフォーマンスの質の高さに定評のあるMISIAが、先週(2/7)、2年2ヶ月振りのアルバムをリリースされました。

 月夜のマンモス、一体、何のメタファーなんでしょうか?

 先日、伊藤由奈が「ディーバの条件」を満たしていると書きましたが(私の主観ではなくデータを解釈したもの)、この方の場合はどうなんでしょうか?

  歌の上手いお姉さま=ディーバ

 と勘違いしたり、プロモーションで強調すると、痛い目に遭ったりします。

 認知度も好感度も特に大きな特徴のないこの方ですが、やはり好感度は「40歳以上」で高いですね。表面的な宣伝文句でなく、本気で「本格派R&Bアーティスト」として訴求するのならば当然の結果でしょう。但し、極端に10代に偏重したわが国のマーケットでは結構、機会ロスが多いはずです。

■価値構造


 「基本価値」の各スコアが素晴らしいこの方ですが、それらの高スコアが、一番大切な「観念価値」と結びついていない傾向です。

 例えば、「歌唱力」への高評価が、ファンが抱く強い愛着や、「口コミ」として人に自慢したくなる気持ちと結びつき難い、という傾向がみられます。相対的な話ですけどね。

 「基本価値」では、「声質」「曲の構成」「歌詞」などが魅力度・好感度に結びつきやすい。さらに、ファンの深層心理を抽出すると、「ファッションセンス」と並び、

時代の先端性が魅力度・好感度に貢献し、
いつもフレッシュであることが、ファンのロイヤリティを高め、口コミも誘引しやすい

という仮説が導き出されます。

■ブランド価値評価

 「基本価値」の高さは驚異的なくらい。
 「感覚価値」は一転して低スコア。
 結果として、「観念価値」はチャラになって「普通」。

 歌唱力が“最大の武器”なので「感覚価値」は重きを置かない。
 というのも戦略の一つです。
 好きにして下さい。
(私の言っていることは「データ」に基づいていますが、“余計なおせっかい”なのです)。

 ただ一言、言わせて頂きますと、この方にとっての「CD購入のキードライバー」は、

 「感覚価値」。
 特に「セクシーさ」なんです。


 ただ、「歌唱力がある」「声が良い」「曲がいいよね」なんて言ってる人たちは、特にCD買わんでも済んでしまう、という傾向なんですね。

 「基本価値」の各評価は、

 買うか、買わんのかのポイントにはなりません。
 “必要条件”に過ぎないのです
 (それ自体、凄いんですけどね)。


 では、何の“必要条件”?

 “ディーバ”です。

 前世紀末から、散々、“ディーバ”をブームにされた多くの皆様、
 「今更、古い」なんて言わんで下さいよ。
 皆様が“火をつけた”のは、本物の“ディーバ”じゃなかったのかもしれないんですからね。
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