秋の空気がまだそれほど冷たくない頃、忘れられない体験をした。
東京国際フォーラムの入口で、空が随分青いなと見上げていた。
あのーすみません、声をかけられて振り向いたら1人の若者がいた。
「イトーヤはどこですか、ギンザにいくのはどこですか」
手に持ったプリントには有名文具店の写真とハングル文字。
彼、日本語はありがとうとすみませんくらい。私は外国語全然できない。
ぶっきらぼうな英語もどきで説明しかけたけど、行ったほうが早い。
「レッツゴー」で袖を引っ張って歩き出した。
途中で彼の携帯電話が鳴った。
少し話していたけど、そのうち彼が私に携帯電話を差し出した。
電話を指差して私に「おかーさん。はなしをしたい」と言う。
え、そんな、私のことをおかーさんと言ったのか?え、違う?
出てみたら彼のお母さんがソウルから電話をしてきていた。
お母さんは日本語が話せる。
「息子は1人でオオサカから新幹線で行った、今日の朝に東京についたばかり。
私はオオサカにいたことがある。
お店まで連れて行ってくれているのはありがとう、でも悪いから言葉で教えるだけで結構です。本当にありがとう」
目的地に着いて、私は元の場所に引き換えそうとしたけど、
彼が間違えて隣に入りそうになったので、あわてて戻って、こっちこっちと教えた。
そうしたら、ただきょろきょろしていただけみたいだった。
純朴そうな彼はじっと私を見たけど、お互いに言葉を知らない。
日本語と英語ごじゃまぜで
「私はコリアのこと知らないけど、好きよ。あなたのオモニにありがとうと言って」
にっこり笑って手を振ってそれでおしまい。
外国の人と電話で話したのは生まれて初めてだった。
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東京国際フォーラムの入口で、空が随分青いなと見上げていた。
あのーすみません、声をかけられて振り向いたら1人の若者がいた。
「イトーヤはどこですか、ギンザにいくのはどこですか」
手に持ったプリントには有名文具店の写真とハングル文字。
彼、日本語はありがとうとすみませんくらい。私は外国語全然できない。
ぶっきらぼうな英語もどきで説明しかけたけど、行ったほうが早い。
「レッツゴー」で袖を引っ張って歩き出した。
途中で彼の携帯電話が鳴った。
少し話していたけど、そのうち彼が私に携帯電話を差し出した。
電話を指差して私に「おかーさん。はなしをしたい」と言う。
え、そんな、私のことをおかーさんと言ったのか?え、違う?
出てみたら彼のお母さんがソウルから電話をしてきていた。
お母さんは日本語が話せる。
「息子は1人でオオサカから新幹線で行った、今日の朝に東京についたばかり。
私はオオサカにいたことがある。
お店まで連れて行ってくれているのはありがとう、でも悪いから言葉で教えるだけで結構です。本当にありがとう」
目的地に着いて、私は元の場所に引き換えそうとしたけど、
彼が間違えて隣に入りそうになったので、あわてて戻って、こっちこっちと教えた。
そうしたら、ただきょろきょろしていただけみたいだった。
純朴そうな彼はじっと私を見たけど、お互いに言葉を知らない。
日本語と英語ごじゃまぜで
「私はコリアのこと知らないけど、好きよ。あなたのオモニにありがとうと言って」
にっこり笑って手を振ってそれでおしまい。
外国の人と電話で話したのは生まれて初めてだった。
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