19日和歌山で開かれた、和歌山「正論」懇話会での、元空将・織田邦夫氏の講演でのアジア極東における安全保障の現実、我が国が抱える問題点など、参考になる話がたくさん聞けたようだ。
中国が東シナ海や南シナ海に進出し、北朝鮮はミサイルで日本を焦土にすると言っている中、日本でといあげられる話題は森友・加計問題や大相撲の暴力のことばかりだ。
約70年前、米国のダレス国務長官が日本を訪れた際、周辺の事情に目をつむることについて「不思議の国のアリス」と語ったことがあるらしい。
織田邦夫氏はそのことを引き合いに出し、今も当時と全く変わっていないのではないか。と、緊迫する北朝鮮の脅威についての講演をおこなったのだ。
弾道ミサイルがの射程が伸びて、米国に届くかどうかが話題になるが、日本に届くミサイルは600~700発あるという。
米国や北朝鮮を包囲する国々から、核放棄を迫られているが、放棄した途端に命が狙われていると思っている金ジョンウンが、核放棄するはずがない。と、織田氏は断言する。
アメリカは、ソウルなどの北朝鮮の火砲の射程圏に2000万人の人が暮らしていて、それが人質状態。国連での武力行使容認決議は難しい。これ等が米国の手詰まり状態いを示している。
もし、仮に米中が手を結び、「核保有は認めるが、ICBMについては、米国と中国が共同管理する」などということが現実になれば、日本にとって最悪のシナリオになる。
いつまでも、米国が頼りという他力本願だけで、我が国の防衛を考えることでは、国民の命を守ることは不可能ではないのか。
織田氏はこうも言っている。
日本のすべきことは、非核化を追求するとともに、非核化できなかった場合の安全保障や半島有事への備えを進めるべきである。と。
平和ボケというぬるま湯にいつまでも浸かり、危機意識を持たない日本人へいつ災いが降りかかるかもしれない。
災いの火種が落ち始めてからでは手遅れだ。