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市ヶ谷日記

喜寿を超えた老人です。日々感じたことを、過去のことも含めて、書き記しておこうと思います。

「金正男」事件は、他所事では済まない

2017-02-18 | 独吟

 「金正男」暗殺事件は、北朝鮮の暗部を全世界に曝け出した。

 権力者と複数の女性の間に産まれた異母兄弟が、父親の残した権力をめぐって、誰がそれを継承するかの争いである。決定のプロセスが、話しあいとか、投票とかでなく、プレーヤーの抹殺であることが、この事件を陰惨なものにしている。

 この事件について、我々日本人は誰しも、聞きたくもない、見たくもないこととし、日本人に生まれてよかったと思うかもしれない。しかし、この事件をグローバル(地球的)に見た場合、我々日本人も関わりないものとして看過するわけにはいかない。何故なら、世界のほとんどの人々が、日本人と半島人を区別していないからである。

 顔つき、身体つきがそっくりである。しゃべる言葉はアルタイ語系で外国人には同じように聴こえる。食事はコメが主食でほとんど同じである。こうした類似性から、多くの外国人は、サムソンやヒュンダイを日本企業と誤認しているのと同様に、日本人と半島人を同じ文化、同じ性情を持つ民族と見做している。そのうえ、かつては同じ国家を戴いていた国民であったこともあるのである。

 日本のマスメディアは、連日、長時間かけてこの事件に関連する事象を放送している。おおむね興味本位であり、この事件により我々日本人に降りかかる災厄について語ろうとしない。しかし、日本人と半島人を区別しない普通の欧米人には、今回の事件が神の摂理に悖る極めて野蛮な行為と写り、彼らの我々日本人を見る眼が厳しくなることを覚悟しなければならない。実に辛いことであるが、我々日本人、そして将来の日本人は、当分の間、この濡れ衣を心ならずも耐えていくことになる。


北朝鮮のミサイル発射が安倍首相の「日米同盟を強固・強靭なものにする」を後押し

2017-02-15 | 独吟

 注目の日米首脳会談が終わった。

 筆者はブログで、日米首脳会談は波乱なく終了し、2月13日には株価が暴騰する、と予想していた。実際には、その一営業日前の2月10日に日経平均が470円急騰し、翌営業日の13日には80円の上昇にとどまった。しかし、両日合わせて550円値上がりし、日経平均が久々に1万4千円を超えたのであるから、予想はおおむね的中したと言ってよい。

 また、筆者は、この首脳会談の最も重要な課題が北朝鮮対策であると考え、そのこともブログで触れておいた。実際の会議で北朝鮮のことがどのように話し合われたか知る由もないが、実質的な会議が終わり、両首脳の交わりが佳境に入ったところで、北朝鮮がミサイルを発射したというニュースが飛び込んで来た。

 このミサイル発射のニュースは、北朝鮮の脅威を全世界に知らしめる上で、これほど効果的、かつ、タイミングのよいものはなかった。トランプ大統領ならびにアメリカ国民は、北朝鮮が、①トランプ政権下のアメリカに対し敵意を抱いていること、②日本海および太平洋をまたいでアメリカ本土を直接攻撃できる能力を持ちつつあること、③核弾頭搭載のミサイルにより瞬時に数百万を超えるアメリカ国民を殺傷できること、を否が応でも知ることとなった。

 今、アメリカでは、イスラム教徒への対応について国論が二分し、各地で紛争が起きているが、北朝鮮問題は深刻さにおいてこれを上回る危険性をはらんでいる。大規模テロであっても犠牲者は高々数百人であるのに対し、北朝鮮の核攻撃は数百万人を超える犠牲者を生むおそれがあるからである。 

 トランプ大統領も、その閣僚たちも、今回の北朝鮮によるミサイル発射を覚知し、北朝鮮への対応をより真剣に考えるであろう。そして、経済制裁や軍事的威嚇では態度を変えさせることのできない北朝鮮を動かすには、地政学的に北朝鮮と密接な関係を持つ日本との同盟関係をさらに強固なものとし、発展させることの必要性を痛感したはずである。

 それにしても、安倍首相の強運には驚くほかない。筆者がかつてのブログで記したように、一昨年前半の集団的自衛権については尖閣諸島周辺での中国艦船による示威行為が結果として安保関連法の成立を促進し、昨年6月の消費税率引上げの再度の先送りの際には、熊本地震やイギリスのEU離脱といった激変が安倍首相を助けることとなった。

 今回の日米首脳会談では、最終日における北朝鮮のミサイル発射がこの会談の意義を非常に高いものにし、安倍首相ならびに日本国民に想定以上の成果をもたらした。安倍首相が単に運に恵まれているだけなのか、あるいは先見の明に秀でた指導者であるのか、どうでもよいが、安倍首相をリーダーにいただく日本国民が幸せであることは確かである。

 このブログをしたためている最中に、「金正男、暗殺か」の臨時ニュースが流れた。これが恐ろしい事態の幕開けになるかもしれない。頼りのトランプ政権が未だ十分な態勢を整えていない現在、そして隣の韓国ではこともあろうに大統領が職務停止中である現在、安倍首相の安全保障に向けての努力だけが頼りである。安倍首相の獅子奮迅の活躍を期待したい。


日米首脳会談を終えて、株式市場は暴騰する。

2017-02-09 | 独吟

 注目の日米首脳会談が2月10日の明日に迫った。

 株式市場はこのイベントの成行きを固唾を吞んで見守っている。

 安倍首相を迎えるトランプ大統領は今、テロリストの入国を停止する大統領令によって巻き起こされた混乱の渦中にある。

 トランプ大統領はポピュリストのレッテルを貼られ、評判が芳しくない。ただ、ポピュリストと言われる政治家は、①選挙に勝つために大衆に迎合する政治家、②大衆の要望を自らも正しいと信じる政治家、の2種類に分けられるが、非常に珍しいことに、トランプ大統領は後者に属する政治家である。

 それゆえ、トランプ大統領の公約に取り組む姿勢は、勢いがあり、執念が感じられる。これが就任以来、国民の間で紛争を生じさせる大統領令を次々に発布している理由である。しかし、こうした政治家は、自分の進めている政策が正しくないことに気付けば、方向転換も早い。トランプ大統領の支持者も、アメリカ・ファーストを引っ込めない限り、個々の政策の変更には寛容であるはずである。

 日米首脳会談の主要議題は、マスメディアによれば、米軍駐留経費の負担、アメリカ車の輸入数量、為替操作などとされている。しかし、これらの問題はすでに回答が出ている。

 米軍駐留経費については、先に訪日したマティス国防長官の「日本は他国のモデルになる」という発言で解決済みである。

 アメリカ車の輸入数量については、同じ条件の下でドイツ車は大量に輸入されている事実を示せば、事足りる。

 為替操作の問題は、説得するのがやや難しい。日本側がデフレ経済からの脱却を図るために低金利政策を実施していると説明しても、このことが結果として円安ドル高を招いているからである。この点については、麻生財務大臣の活躍に期待したい。

 要するに、日米首脳会談においては、TPPなど対立する事項はあるものの、終わってみれば、ハプニングは起こらず、「今後、両国はともに関係改善に努力する」という穏当な決着になるであろう。

 筆者は、この首脳会談の真に重要な課題は、中国、そして北朝鮮に対する対応を日本とアメリカが如何に協力し、如何に分担するかの協議であると考える。

 先に韓国、日本を訪問したマティス国防長官は、北朝鮮はアメリカ本土を攻撃できる核搭載のミサイルを開発している、中国は北朝鮮のこの動きを止める意向を持たない、韓国も全く頼りにはならない、といったことを前提に、信頼できるのは安倍首相率いる日本だけである、と報告したはずである。

 アメリカにとって北朝鮮はイスラムのテロリストとは比較にならない危険な存在である。経済制裁や軍事的威嚇の通じない北朝鮮を動かすには、アメリカ軍の直接的な軍事攻撃を選択肢から排除すれば、北朝鮮と濃密な関係を持つ日本に危機解消の役割を果たしてもらうしかないのである。

 日本の株式市場はこの数日間、日米首脳会談で何が起きるかを心配して動きが止まっている。2月13日以降の株価の動向が楽しみである。


日米首脳会談の中心課題は北朝鮮対策。日本はアメリカの期待に応えるべきである。

2017-02-08 | 独吟

 日米首脳会談が2月10日、ワシントンで開催される。今後の4年間、あるいは8年間における我が国の経済および安全保障を律する重要なイベントである。

 これに先立ち、アメリカはマティス国防長官を韓国および日本に派遣した。トランプ政権の有力閣僚による最初の訪問先が韓国および日本であったことの意味は大きい。

 周知のように、トランプ大統領はアメリカ・ファーストを唱え、特にアメリカ国内における雇用拡大を最重要施策に掲げている。当然に、アメリカ市場に多くを輸出している国との軋轢が増す。日本もこうした国のひとつであるが、第一のターゲットは中国である。

 アメリカはこれまで中国を北朝鮮に影響力を行使できる国として期待し、その見返りに中国の経済進出を寛大に見てきた。したがって、アメリカと中国の関係がギクシャクすれば、北朝鮮がより危険な存在になることは明らかである。北朝鮮は、それを予期していたかのように、アメリカ本土に届くミサイルの開発に余念がない。

 トランプ大統領のアメリカ・ファーストにおいて、安全保障が経済より優先することは言を俟たない。中国との貿易不均衡の改善に成功しても、北朝鮮の暴走を押し止められなければ、元も子もないからである。

 マティス長官の訪問は、アメリカ・ファーストを推進するうえで、中国との関係悪化を前提に極東アジアにおける安全保障の在り様を再構築する、というのがその目的である。国防長官はまず韓国を訪問した。恐らくその意図は、韓国がアメリカの同盟国として信頼できる国であるか否かを識別するためである。韓国は今、選挙で選ばれた大統領が職務停止中であり、政治の混迷が極みに達していている。

 そうした韓国の状況を踏まえ、日本政府との協議を終えたマティス長官は、記者会見で次のように発言した。日本人の誰もがびっくりするような日本を肯定的に見た内容である。

(1)米軍駐留経費の負担について日本は他国のモデルになる。

(2)尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用を受ける地域である。

(3)中国の東シナ海、南シナ海における海洋進出および北朝鮮のミサイル開発は、日米両国に共通する安全保障上の問題である。

 マティス長官は、独身を貫き、孤高の戦う修道士である。歯に衣着せぬ物言いと高い教養で知られており、トランプ大統領には、中国および韓国、そして日本との間における外交・軍事の在り方について、ストレートに自分の考えを伝えたであろう。

 マスメディアの扱いは低いと思われるが、2月10日の日米首脳会談においてアメリカが最も重視するテーマは北朝鮮対策である。通常の経済制裁や軍事的威嚇では動かない北朝鮮を如何にして国際ルールの通用する国家に導くか、これがトランプ大統領がアメリカ・ファーストを進めるために喫緊に答えを出さなければならない課題である。この部分について、アメリカが日本に期待し、かつ、日本が果たすことのできる役割は多々あると考えられる。

 中国が自国の利益のため北朝鮮カードを乱用し、両国の関係が冷え込んでいる現在、そして韓国が自国の統治さえまともにできない状態にある現在、日本の北朝鮮に対する影響力はこれまで以上に強いと考えられる。北朝鮮が最も渇望する外貨獲得のルートが日本に暗渠のように存在する。北朝鮮の最高権力者・金正恩の生母は日本生まれ、日本育ちである。そして、金正恩やその側近と日本政府の間を取り持つ人物に事欠くことはない。

 日米首脳会談が北朝鮮を震源とする危機を緩和し、そのうえ長年の懸案であった拉致問題の解決の糸口にもなれば、これに勝る成果はない。安倍首相の頑張りを期待したい。