市ヶ谷日記

喜寿を超えた老人です。日々感じたことを、過去のことも含めて、書き記しておこうと思います。

防衛大臣スキャンダルは日本国民の安全安心より重要であるのか?

2017-03-22 | 独吟

 稲田防衛大臣がここ数日国会で質問攻めにあっている。

 一つは南スーダンに派遣されている陸上自衛隊の日報問題、もう一つは森友学園とのかかわりをめぐっての問題である。いずれも防衛大臣にまつわるスキャンダルに関してである。

 日報問題は、あくまでも推測であるが、その内容が内閣の命運を左右しかねないトップシークレットに属するものであったことから、防衛大臣を通り越して政府上層部へ報告され、非公開にすることが決められたものと考えられる。そのことが後になって何かの手違いで表沙汰になり、混乱が生じているだけである。稲田大臣には申し訳ないが、自衛隊制服組からの信頼が希薄なために起きた不祥事であり、野党がいくら責め立てても、総理の任命責任に疑問符をつけるのが精一杯である。

 森友学園をめぐる問題は、稲田大臣が弁護士としてかかわったことであり、記憶違いから誤って答弁したことを「国会で虚偽の答弁をした」と絶叫するのはどうかと思う。弁護士は職業がら極悪非道な人物とも接触をすることがあり得るわけで、籠池氏の裁判に立ち会ったこと自体を非難することはできない。また、籠池夫妻から合わせて1万2千円の政治献金を貰ったことを攻めるのも、滑稽と言うほかない。

 むしろ筆者が心配するのは、トランプ米大統領の誕生などで激しく揺れる国際情勢にどう対応すべきか決めなければならない時に、こんなつまらない問題で国会が論争していてよいのかということである。

 今、国民の最大の関心事は核実験とミサイル発射を繰り返す北朝鮮の脅威である。何かのはずみで北朝鮮が核攻撃をしかけてくれば、阪神淡路大震災や東日本大震災はおろか、第2次世界大戦で失われた以上の犠牲を覚悟しなければならない。しかも、北朝鮮による暴挙の確率は、金正男暗殺事件からも分かるとおり、大地震発生の確率よりも高いと思われる。稲田防衛大臣そして自衛隊の制服組には、国民の安全安心を守るためより重要な職務に専念してもらいたいと考える。

 それにしても、民進党の蓮舫代表や辻元議員、社民党の福島副党首など女性議員のはしゃぎ方は異様である。明日に迫った3月23日の証人喚問で、籠池泰典氏に振り回されていた国会が正常化し、これら女性議員による稲田防衛大臣いじめが終焉することを期待したい。