久方振りに赤坂を歩いていたら、ガラスで囲まれた奇妙な建築物が目に入った。中では十数人の人たちがタバコを吸っている。
写真がその「ガラスの檻」である。
恐らく歩きタバコをなくすために、街中でタバコを吸いたくなった人たちのために設けられたものであろう。公道の一画を占めているので、道路を管理する国又は東京都、あるいは条例で「みなとタバコルール」を定めている港区が設置したものである。
喫煙については、「害あって益なし」という考えが定着している。それゆえ、国及び地方公共団体は、喫煙習慣をやめさせる方向であらゆる行政施策を進めるべきである。
しかるに、この「ガラスの檻」は、タバコの害が一般公共に及ばないようにするための施設ではあるが、タバコを好む人の利便をはかり、喫煙を助長するためにも役立っているのではないか、と考えられる。少なくともこの施設の発案者は、喫煙は悪ではなく、他者への迷惑を除けばそれでよい、と考えているようである。
赤坂の「ガラスの檻」は、繫華街の一等地を占拠し、非常に目立つ存在である。檻の中でタバコを吸う人たちは、意志が弱くて悪習を断ち切れないでいる哀れな見世物と化している。しかも、この「ガラスの檻」は、醜悪であり、日本の恥でもある。
いずれにしても、国民の納める税金で設置し、運営すべき施設ではない。