横田滋さんが亡くなった。拉致されためぐみさんを北朝鮮から救出するため、日本国民に訴え、日本政府に要求し、世界の有力者に嘆願して来た一生であった。しかし、痛ましいことに、生きてめぐみさんに会うことは叶わなかった。年端のいかない愛娘が突然姿を消し、直ぐ隣の北朝鮮に拉致されていたことが明らかになった後においても、娘さんを取り戻すことはできなかった。横田さんご夫妻の心情を思うと、いたたまれない気持ちになる。
筆者は、横田めぐみさん拉致事件に関連して、「横田夫妻は平和憲法の犠牲者である」という思いを強くした。我が国が、平和憲法を堅持し、国民を守るための軍隊を保持していないことが、この事件を生み、解決することができなかった真の理由であると考える。
我が国が軍事力を備えていれば、無垢の日本人を拉致するというような犯罪行為を犯す国は現れなかったであろうし、少なくともそうした行為を思いとどまらせる抑止力が働いたはずである。めぐみさんの拉致は、領土の帰属問題とか、戦時賠償の有無とか、といった国の運命を左右するような重大な国際紛争とは違うのである。
我が国では今もって、「国家間の紛争は話し合いで解決できる」、「こちらから仕掛けない限り、相手は攻撃してこない」という前提で、現行憲法を堅持している。確かに、そういうこともあるかもしれないが、善良な日本国民を守るためには、日本政府が毅然とした態度を取ることができるよう手段を整えておく必要があろう。
憲法改正の機運は熟していると思うが、これに反対する人たちの考え方を聞きたい。特に、熱病にかかったように平和憲法改正反対を声高に叫んでいる人たち、そして、理由もなく安倍政権に反対している人たちの、「北朝鮮の拉致問題」を前提にしての議論を聞きたい。
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