花菖蒲

日常やら何やらかんやら気儘に綴ります。気儘に。

孤独な三毛猫 其の拾肆

2020-01-26 20:45:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
己の事を概ね理解してくれてる。
この事実は大きい。
何だかんだ白狐の器の大きさに助けられている。
三毛猫はそう実感する日々を送っている。
意を決して三毛猫は白狐に自ら己の欠点其の壱を見せる事にしたのだが…
今思えば実に阿保な三毛猫が其処に居たのだ。
三毛猫は基本的にどっかこっか抜け抜けで視野が狭い。
故に割とバタバタと体裁を取り繕いう為に掃除はそれなりにしたのだが…
抑も他者を呼ぶ部屋では無い。
と、云う事をすっかり失念した三毛猫が其処に居たのだが…
本人がそれに気付いたのは…
白狐を呼ぶ直前になってからである。。。
さて、三毛猫の致命傷的な欠点それは…
整理整頓
これだけは物凄く苦手なのだ。
抑も三毛猫の悪癖がムシャクシャしたら兎に角、気の済むまで荒らすと、云うあまりにも残念過ぎるものである。
それに自覚のある三毛猫は…
いい加減に其処だけは晒しておこうと心に決めたのである。
その発端は至って単純。
あー、鍋やりたいなぁ。。。
あまりにも安易な理由である。
しかも挙げ句の果てに振る相手が白狐ぐらいしか居ない三毛猫も又、世も末であるが。
三毛猫は絶対に認めはしないだろう。
白狐と鍋をやりたい。と、云うのが本当の気持ちであるのだと云う事を。
全くを以て三毛猫は素直ではないのである。
さて、そんな三毛猫は何とか体裁だけ取り繕った部屋へ白狐を呼ぶのだが…
取り敢えず取り繕わずに素直に自分があまりにも整理整頓が出来ないのを白状したのだった。
最早、距離を置かれたら心の傷になり兼ねないくらいに白狐に入れ込む前に判断した三毛猫はこの行動に踏み切ったのだ。
別に白狐を己のテリトリー内に立ち入らせたくない訳では決してない。
が、避けていた理由を述べるには現実を見て貰う方が明らかに早い気がしたのだ。
それはそれで大雑把にも程がある三毛猫である。
しかし、白狐の反応が如何にもで三毛猫は大爆笑する羽目になる。
掃除してーわー。
苦笑ではなく、最早、面白いものを見た。
と、言わんばかりに白狐はその言葉を発する。
白狐は自分と真逆的なのだ。整理整頓に関しては。
三毛猫はそれを知っているだけに最早、恥を承知で白狐とのその後に会話した内容から白狐を頼りにしようと内心、決めたのである。
…断捨離は悪くないよな。絶対に。
と、三毛猫は本気で思いつつあるのである。
白狐は距離を置きはしなかった。
寧ろ何かを愉しむ様な物言いが多かった。
けれどそれは構えていた三毛猫からしたら、とても有り難かった。
ドン引きしていたとしても表に出さないで寛容に笑い飛ばしてくれた事に関して。
しかし、ドン引きされたかも知れない事は数日後に吹き飛ぶのだが、それはまた別の話で。。。
曝け出した三毛猫はスッキリした。
落胆されたりするのは地味に三毛猫は精神的に負荷が掛かるタイプである。
なるべく完璧に外面は熟す反面、内面は兎に角、底辺の底辺まで堕落する。
落差が激しいタイプなのだ。元々が。
だからこそ外面だけを見ていた者が三毛猫の内面を知ると阿保みたいに落胆し、ドン引きするのである。
けれど、それも仕方ないし当然の反応だと三毛猫は考えている。
そういう障害スレスレなものを擁えてしまった己が悪いのだと三毛猫は考えている。
だからこそ内面を使う事にするのだ、他者を試す様に。
己を受け入れてくれてる。
それを推し測る為に己の内面を三毛猫は利用する。
そういう癖に気付く者は居ない。
故に三毛猫は有効活用する。
使えるものは何でも使う。
三毛猫の自論の1つである。
今の捻くれに捻くれ捻じ曲がるに捻じ曲がった歪み切った三毛猫を形成する自論である。
それがあるから、言葉が少ない者でも表現が下手な者でも三毛猫は理解の範疇に及ぶのだ。
目は口程にものを語る。
それは言より動の方が語るとも言える。
と、三毛猫は感じている。
言葉など幾らでも並べ立てる事が出来る。
建前。
虚勢。
虚偽。
何でも御座れだ。
それとなく言を繰る事は容易い。
けれど、動を操るのは中々、容易ではない。
何故なら動は心に直結してるから。
三毛猫はそう捉えている。
だからこそ三毛猫は言をあまり信じない。
しかし、言質は取る。
それは有効手になるからだ。
喩え信憑性が薄くても。
そんな三毛猫のとんでもなく計算高い部分に白狐は間違いなく気付いているだろう。
隠してもない。
表に出してもない。
けれど察しのいい又は頭の回転がいい人物は気付くだろう。
そんな部分すら白狐は臆する事は無いのだ。
理解して受け入れてくれている。
三毛猫にはとても嬉しい事なのである。