読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

堂場瞬一著「守護者の傷」

2024-12-04 | 堂場瞬一
主人公は水沼加穂留・神奈川県警の巡査部長。捜査一課への配属希望は通らぬまま三十歳までキャリアを重ね、春の異動で警察が訴えられた民事裁判の対応をする部署「訟務課」へ。「違法捜査は本当にあったのか?」ほどなくして外部からも弁護士資格を持つ新人の新崎大也(だいや)がやって来る。淡々として同僚と関わらない新崎。なぜ弁護士が警察職員に? そんな折、強盗犯グループへの違法捜査を問う裁判が発生し、加穂留と新崎が担当することに。威圧的な取り調べはなかったという捜査一課の言葉を信じ、彼らを守ろうと公判にのぞむ加穂留。しかし法廷で、関与した警察官の「嘘」が暴露され敗訴する。やがて検挙成績を上げるためには違法捜査を辞さず犯人を”造り出す”ことも厭わない神奈川県警の[R]という”伝説”刑事とその因襲を守り権益を維持しようとする県警内派閥の存在が明らかとなり、良識ある主人公たちが、この集団と対決することに・・・。読んでいて昭和30年代袴田裁判やたくさんの冤罪を生んだ静岡県の違法捜査容認体質を思い出した。以前読んだ安東能明著「蚕の王」
だ。


2024年2月KADOKAWA刊

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