舞台は、千葉。南房総、伊予ヶ岳(336m)の断崖で女性死体が発見されます。ストーカーにつきまとわれていた女性が山中で死体となって発見されたのです。事故あるいは自殺と思われたが、女性の家族は納得せず、復讐に動きかねない。一方、ストーカーとして告発された男は、名家の御曹司であることを楯に、取り調べを拒否して、行方をくらましてしまう・・・。発見者は、安房警察署・生活安全課巡査・小塚俊也。彼からの通報を受け、その捜査をする県の生活安全捜査隊主任・山下警部補。しかし、何故かその事件はあっさりと捜査が打ち切られていました。息子の親父は,地元の経済界を牛耳る大物で,警察官の退職後の就職のあっせんなどにも力を発揮するという事で,誰も頭が上がらず,まともに調べることもなく刑事課と生活安全課の軋轢を背景に事件は、きな臭い空気の中、意外な展開に・・・。やがて銃を持って山に消えたのは凶悪な加害者か、それとも、復讐に燃える被害者家族か。と大規模な山狩りにと発展し・・・。例によって刑事たちの会話によって事件が進行していきますが、いつもながら遅々として話が進まずイライラしますが予想が付く展開でガッカリ。山岳小説でもなく警察小説だったようです。
著者の笹本稜平氏は21年11月22日、急性心筋梗塞のため死去、70歳。(合掌)もっと著者の警察小説や山岳小説を読みたかったのに残念です。
2022年1月光文社刊
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