主人公は、地下鉄内での防犯のため、試験導入された地下鉄私服警備員として働く穂村明美。彼女は、二年前に地下鉄駅構内で起きた暴行事件によって恋人・要一を失い、その事件の真相をつかむために警備の仕事に就いていた。 勤務の中で、明美は乗客たちの様々な事情に触れていく。そして要一の事件の手がかりを掴むが・・・
東京メトロと都営地下鉄という別個の会社だが両方受け持つ逮捕権もなければ制服でないので事件の抑止にもならないが突発事態への初動対処と旅客のツアーコンダクターとしての位置づけで試験的に300人程採用された契約社員・架空の私服警備員という設定は面白い。
順法意識の欠如や無理筋の都合も気になったが、地下鉄の中での様々な事件・人間ドラマを通じて、自分自身の心のわだかまりと前向きに生きる意欲を取り戻す展開は感動です。もしこんな職業があったとしても大ぴらに出来ないからフィクションとして面白かった。
2024年9月PHP研究所刊
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