著者の母校恵泉女学園の創立を描いた女性大河小説。「女が手を取り合えば、男はいつか戦争ができなくなる。」明治、大正、昭和。女子学校教育の黎明期。シスターフッドを結んだ河井道と一色ゆり、ふたりの女性が世界を変えた。大正最後の年。かの天璋院篤姫が名付け親だという一色乕児は、渡辺ゆりにプロポーズした。彼女からの受諾の条件は、シスターフッドの契りを結ぶ河井道と3人で暮らす、という前代未聞のものだった。明治から戦後までを生きた教育者・河井道が、一色ゆりとのシスターフッドのもと、理想の学園として恵泉女学園を創設し、女子教育に尽力する姿が描かれている。新渡戸稲造や津田梅子・大山捨松をはじめとして、野口英世・有島武郎・芥川龍之介・徳富蘆花・平塚雷鳥・市川房江・村岡花子・白蓮・白洲次郎など戦前戦後の著名人がたくさん出てきます。女子教育を広げようというべき熱い思いがたくさん詰まっている。先人たちが苦労して道を切り拓いたからこそ今の女子教育・日本があることをしっかりと勉強することができた。長いけど読みこたえがあった。
2021年11月小学館刊
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