青春ミステリーシリーズ第2弾。猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか・・・。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。堀川と松倉は、張り紙をして持ち主を探そうとするのだが・・・。栞を作製した女子生徒、それを持っていた生徒、いずれも秘密が多く、最後まで謎は明かされることなく謎のまま。人には知られたくない事実だろうということは想像出来る。また、堀川と松倉もお互いに黙っていることが多く、家族状況や家の場所すらも知らない。だから、彼らは自分たちを友人だとは思っていない不思議な関係の友情だ。まどろこしい展開で最後まで馴染めず如何にか読了。ビターな青春物だが好みではない。
2022年11月集英社刊
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