2022年「青い雪」で第25回日本ミステリー大賞。受賞後第二作目。病院で生まれた子供が取り違えられた二つの家族にまつわるミステリー。すべての始まりは誕生日だった。「みんなで家族になりましょう」。鎌倉の民宿にある家族が長逗留してきている。息を潜めるように暮らしているが、実はテレビで「離島のシェア家族」という番組で特集された有名人たちらしい。新生児の頃に子供を取り違えられた二組の家族が支え合い、共同生活を営んでいたことが注目されたのだ。それが、なぜここにというところからミステリーがはじまる。最初は登場人物と誰が誰と血がつながっているかその複雑な人間関係を把握するのに難儀するが、彼らを襲った殺人事件と、失踪、とだんだんと様々な事件が絡んでいき、ぐんぐんと物語に引き込まれて行きます。最終ページまでには、伏線が回収されすべての謎は解明されるのですが、プロローグに続くエピローグでヒヤリとさせる内容が示されるのが怖い。この作者の作品は初読ですが、濃い内容で面白かった。将棋盤を使った謎解きや歪んだ日常の先で待ち受ける更なる悲劇に驚愕。
2023年5月光文社刊

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