「任侠」シリーズ第4弾。東京のとある町に事務所を構えるヤクザの親分・阿岐本雄蔵は、困った人をほっとけない上、文化事業好きな性格が困りもの。そのせいで組員たちは、これまで出版社、高校、病院などの経営再建に携わる羽目になってきた。「おう、アニキいるかい」ある日、事務所の外から前触れなく聞こえた不穏な声。日村が扉を開けると、案の定、そこには組長の阿岐本と兄弟分の盃を交わした永神の姿が。永神は潰れかけた銭湯の再建話を持ち込んできた。今度の舞台は赤坂の路地裏にある古びた銭湯だ。世の中どんどん世知辛くなって、ヤクザ稼業も楽じゃないが、阿岐本、代貸・日村はじめ個性的な面々は、銭湯にお客を取り戻すべく策を練り始めるが・・・。
個性的面々の活躍が面白い。マル暴甘糟も登場してシリーズファンには貯まらないほっこりタイムの読後感。
2018年7月中央公論社刊
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