粗碾き蕎麦の美味しさを求めて

地元箕輪町上古田産石臼碾き「信濃1号」が主体の蕎麦屋です。

「一人で勝手にやれば」語る会 25

2011-07-13 13:45:53 | 語る会
もう一つ、どうしても紹介したいことがあります。
カントについてのお話しです。カントって、知らない?カントを知らないなんて、いカントよー。

今から200年も前の、ドイツの哲学者、大学教授 80歳没
3批判書
 純粋理性批判 実践理性批判 判断力批判

  カントは蹄鉄屋の子、馬具職人として生まれ、生まれつきくる病であった。背中に瘤があり、乳と乳の間は僅か2インチ半、脈拍は絶えず120~130、喘息で、いつも苦しげに喘いでいた。ある時町に巡回医師がやってきてた。父はカントをその医師に診察を頼んだ。

□その医師の言葉「気の毒だな、しかし気の毒だと思うのは身体を見ただけのことだよ。考えてごらん。身体はなるほど気の毒だ。それは見れば分かる。だがあなたは、心はどうでもないだろう。心までもせむしで息が苦しいなら別だが、あなたの心はどうでもないだろう。

 苦しい辛いと言ったところで、この苦しい辛いが治るものじゃない。あなたが苦しい辛いと言えば、おとっさんだって、おっかさんだってやはり苦しく辛いんだ。言っても言わなくても、何にもならない。言えば言うほど、みんながよけい苦しくなるだろう。苦しい辛いというその口で、心の丈夫なことを喜びと感謝に考えればいい。
 身体はともかく、丈夫な心のお陰であなたは死なずに生きているじゃないか。死なずに生きているのは丈夫な心のお陰なんだから、それを喜びと感謝に変えていったらどうだね。そうしてごらん。私の言ったことが分かったろ。それが分からなければあなたは不幸だ。 これだけがあなたを診察した私の、あなたに与える診断の言葉だ。分かったかい。 「薬はいりません。お帰り」  宇野千代著「天風先生座談」より 続く。