乾酪庵 Cottage de fromage

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Ⅳ.ヒーロー論としての『TIGER&BUNNY』.力を持つ者

2024-05-07 18:00:00 | TIGER & BUNNY

気安く始めたはいいけど、これ書くの結構大変だぞと気づき出しました。おそいよ。

一応言っておくとアニメ以外にも書きたい話題はあります。けどどうしても暗くなるからさぁ

TIGER&BUNNY、4話目です。

 

 

ヒーロー物語の世界でパワー、異能を手に入れることは大人の力を借りて一時的に大人になることの暗喩だ、という説について掘り下げてみる。

 デザインAC

 

昭和のヒーローアニメにおいて、主人公が得たパワーは基本的に善なるものとして描かれている。それを得たがための苦悩などもあるのだが、エピソードの一つとして扱われ、物語の前面に出てくる事は少ない(当然例外はある)。

タイバニにおいては、むしろ苦悩が前提になっている。能力者である “NEXT” は、物語世界では周囲にとって招かれざる者であることが多いようだ。

そもそも他のヒーローアニメでは、パワーを得た者とヒーローが無条件でイコールなのだが、タイバニ世界では能力がある者が必ずしもヒーローになれるわけではないという点が大きく異なっている。

 

また、旧来のアニメでは主人公に能力を授ける存在が登場する。敵(ショッカー)だったり味方(バードマン)だったりするが、どちらにしろこれは大人の代表、親の暗喩だと見ていいと思う。

しかしタイバニの世界では、そういった存在は登場しない。能力はある日突然勝手に発現して、当人や周囲を困惑させる。

 

これ要するに、視聴者として想定されている年齢層の違いによるものだと思う。視てるのが子どもだったら大人の力を借りて一時的にでも大人になったらそりゃ無敵でしょ。

けど大人だったら、自分程度の人周囲にいっぱいいるし、そのスキルを活かせるかってその人によるよねって話しになる。

 

書いてて気づいたが私がタイバニを視始めた当初これはパーマン、と思った理由が『敵が固定されていないこと』と『Mr.レジェンド』にあるのだなぁと。

パーマンには、特に定まった敵と言うのはおらず、事件は毎回単発的に起こる。タイバニでも最初の数話はそう。

そしてパーマンにとって導いてくれる存在としてバードマンがいるのと同様に、タイガーにも心の師、先達としての Mr.レジェンドがいる。

これがだんだん、ウロボロスという謎組織が登場したり、レジェンドの過去が明らかになったりしてどんどん “藤子不二雄み” が薄れていく。そうかといって “石ノ森章太郎み” はあんまり感じないけど。

 

それでその Mr.レジェンド(と、)の話しをしたいんですけど、その前に虎徹の家族の話しをします。

 つづく



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