TIGER&BUNNY(無印)の感想、5話目です。重要なネタバレあります。
それで Mr.レジェンドの話をしたいんですけど、その前に虎徹の家族の話をします。
虎徹はシュテルンビルトで一人暮らしですが、田舎に家族を残している。老母、娘の楓、独立した兄。妻は数年前に他界している。
父親については一言も言及がなかったと思うんだが(私が覚えてないだけかもしれないが)、お墓参りのシーンがあったのでおそらくあの中なのだろう。
虎徹が何歳の時に亡くなったのかにもよるが、おそらく父親の不在と自らの能力の出現で精神状態が不安定になってたところで事件に巻き込まれ、そこを救ってくれたのが Mr.レジェンドだった、と。
レジェンドは事件そのものからだけでなく、虎徹少年に将来ヒーローになって誰かを守る、という夢を持たせてくれた、いろんな意味で救いだった。
ある意味父親的な存在と言える。一度しか会っていないこと、現在の消息が分からないことも『レジェンド(伝説)』感をだしており、虎徹の中でより理想化されていると言えるだろう。
考えてみると、虎徹もバニーも実の父親が不在なので、それで父親的な人物が実際以上に大きくなってしまったのはあるだろうな、心の中で。
物語が進むにつれて、そのレジェンドには実の息子がいることが明かされる。
息子のユーリが幼いころは父であるレジェンドのヒーロー業もうまくいっていたようで、息子にとっても良き父親であったようだ。
それがある事情からヒーローとして行き詰まるようになり、家庭でも酒に溺れ妻に手をあげるなど日に日に生活が荒んでいく。思い詰めたユーリ少年はついに…。
ある意味で、虎徹は幸運だったと言えるでしょう、真実を知らぬまま大人になれたことは。
しかしどこかで道を誤れば、ふたりの運命は全く違っていてもおかしくなかったと私は思うのです。