期末試験前のため、今日も早い時間から生徒が勉強しに来ています。「以前は勉強が嫌だ、と言っていたけど、最近は頑張るようになって来たね。」とほめると、「今でも勉強は好きじゃないです。受験があるから頑張っているだけで…。」と少々残念な返事が返ってきました。私は内心がっかりしながらも、勉強をする意味、何かを成し遂げたり生活を維持するにも勉強が必要なことなどを話しました。話をしていて気付いたのが、この生徒自身が自分の変化に気付いていないことでした。一年前は本当に勉強が嫌いに見えましたし、分からないことが多すぎて何からやったらよいか分からずモチベーションが上がらないのもよくわかりました。しかし、一年間通っているうちに徐々に分からないことが減り、授業中の回答や、ノートやワークを見たときにも記入してある内容や正答率がここ最近特に良くなってきているのを私は知っています。さらに、表情もずいぶん明るくなってきました。
「自分では気づいていないかもしれないけれど、随分変わってきたよ。それは創研塾の先生たちがみんな知っているよ。自信を持って頑張っていこうよ。」と話すと、少し照れながらうなずいていました。
鏡や写真を見ている時以外は、人は自分の姿を見る機会はあまりありません。目から入ってくる映像では、自分が年を取ってきたことを実感する機会はあまりありません。それと同様に、この生徒も自身の変化にまだ気づいていないようです。そうか、私たち大人や講師が、その子が変わってきていることを伝えて続けてあげないと自分ではわかりにくいんだ、とあらためて感じました。そして「そうか、私は変わってきているように見えるんだな。もしかしたら変わってきているのかも。だったらもう少し頑張れるのかな。」こんな風に考えてくれるようになったら、第一段階は大成功のように思います。
この生徒だけでなく他の生徒に対しても、ちょっとした変化、それも良い方の変化を積極的に伝えていこうと思います。