2023年秋アニメについての、ネタバレなしの感想と評価。この「1」は放送を終えたものと途中切りしたものを挙げた。
ちなみにアニメの評価については、私の場合、何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。
以下、並びは50音順で、評価はA~E。
まず放送が終了したもの。
『進撃の巨人The Final Season 完結編(後編)』
アニメ放送開始から10年にして『進撃の巨人』がとうとう完結と相成った。物語の詳しい感想などは別に記事を書くつもりでいるが、これほど長大で、しかも「The Final Season」の途中でPoint of No Return(引き返すことのできない地点)を超えてしまった作品を、破綻なく、あるサプライズまで含んで、薄っぺらなハッピーエンドにもバッドエンドにもせず、現実と地続きなまま着地させた原作者、諫山創(いさやま はじめ)とMAPPA制作陣に敬意と感謝を!
その上で、やむを得ないことだが物語展開にどうしてもご都合主義的な部分が見えてしまい、評価はB~B+。
次に途中切りしたもの。これらについては感想のみで評価はつけなかった。
『アンデッド・アンラック』4話切り
「少年ジャンプ」連載中のマンガが原作で、この作品、ビジュアルを含めたキャラクタ造形やストーリーラインに鳥山明の強い影響が覗える。
不死身のアンデッドが周囲に不幸(死)をもたらす体質の少女と出会い、“本当の死”を求めて行動を共にするが、そんな彼らの前に“否定者”と呼ばれる異能力者たちが立ちはだかる。
物語は面白いし、アニメーションの作りも悪くない。アニメYouTuberたちの評価を見ても総じて高い。にもかかわらず切ってしまったのは、見ていると異様にイライラしてきてイヤだったから。時々あるのだ、そういうアニメ作品が。過去に見た作品だと『プラチナエンド』とか『SPY×FAMILY』とか『よふかしのうた』など。なぜそうなるのか分かる作品と分からない作品があって、上に挙げた3作は正直、物語に魅力を感じなくて見ているのが苦痛になったせいだが、『アンデッド・アンラック』はそれとはちょっと違う。上手く言えないが、「生理的に受けつけない」という感じ。この作品はよくアンディの腕や首が飛ぶシーンがあるが、そういうのが生理的にイヤだということではない(私は残酷描写やグロいシーンなどは全く気にならない)。そういう表層的なことではなく、もっと別の何かの理由で、見ていてとにかく気持ち悪くて仕方がなかった。
本当は3話で切るつもりだったが、ジーナとの戦いが途中だったので、何とか頑張って第4話まで見た次第。
『ティアムーン帝国物語』3話切り
ティアムーン帝国で市民による革命が勃発。“わがまま姫”と呼ばれた皇女、ミーアは幽閉の末、断頭台の露と消えた──はずだったが、ミーアが目覚めると12歳の頃に戻っていた。だが、前世?の記憶と幽閉中につけていた日記を持つ彼女は、再び自分が断頭台に上らなくて済むよう、“わがまま”キャラはそのままに国政改革に乗り出す。
話としては「不都合な出来事を回避するため過去を改変する」というもので、このジャンルには『Steins;Gate』や『Re:ゼロから始まる異世界生活』などの傑作がある。
この『ティアムーン帝国物語』はアニメYouTuberの間では結構評価が高いようだが、私には妙にライトなギャグテイストがどうにもなじめなかった。またミーア姫が過去の記憶と日記を頼りに、結果としてだが、かなりやすやすと改革を推し進めてしまうのも、『シュタゲ』や『リゼロ』、また『東京リベンジャーズ』でも、主人公が死ぬような思いをしなが過去を改変してきたのを見ているだけに、安易に感じてしまう。せめて『天才王子の赤字国家再生術』のように知謀と知略を駆使して他国と渡り合う政治劇の要素があれば、もう少し見ていられたかもしれない。
多分『ティアムーン帝国物語』でも、この先、「実はミーア姫が期待していたほど国政改革は上手く進まず、市民の間に革命の機運が生じて焦りまくる…」といった展開が待っているのだろうと思うが、そこまでつき合う気はなく、3話でリタイアとなった。
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