象徴体系を使った新しい治療システムの話を更に続けると──。
象徴体系を使った治療システム(SSTM)を作るにあたって、私には1つのアイディアがあった。それはいくつのも象徴体系を横断できるようにすることだった。中医学の五行、カバラの「生命の木」、神智学の四大などの間を自由に行き来できるような治療システムが作れないか、…そんなことを夢想していた。
けれども、始めてすぐにそんなシステムは作れないことを悟った。複数の象徴体系の間を移動するためには、移動する前と移動した後で情報が保持されている必要がある。つまり、複数の象徴体系の間に何らかの同型写像が存在しなければならないが、数学的に考えてそんな同型写像は作れない(参考図書:『線形代数と群の表現1』平井武著、朝倉書店)。
そういうわけで、私のアイディアは数学的に成り立たないことが立証されてしまった。
そんな折、「生命の木」を使った治療システムを試験的に使い始めた頃だったか、ホームで電車を待っていた時、ふと「象徴体液のモードって、実は1つじゃなかったりしてね」ということを考えて、実際に試してみた(余談だが、私の場合、なぜか電車を待っている時に何かを思いつくことが多い)。すると、そのとおりで「象徴体系のモード」は1つじゃなく、少なくとも3つあることがわかった(ここでは便宜上、それをモード1、モード2、モード3と書くことにする)。
ちなみにキネシオロジーで言うモードとは、手と指で作るある形のこと。筋反射テストと組み合わせて用い、あるモードを作った時に筋反射テストで指標となる筋(インジケータ筋)が反応するなら、相手のボディマインドはそのモードに対応した状態になっていると判断する。
その後、更にいろいろ調べていくと、象徴体系の3つのモードは
モード1:「生命の木」、タロットカード、マンダラ
モード2:五行、オラクルカード、数学(数学書)
モード3:御符、呪文、祝詞(のりと)
というふうに、それぞれのテリトリーを持っているようだ。
なお、アプライド・フィジオロジー(AP)で用いられる七行については、私自身がそれをよく知らないせいか、どこにも分類できなかった。
また、五行には伝統的な中医学の五行とタッチ・フォー・ヘルス(TFH)の中で用いられる五行とがある。私は長いことTFHの五行を、アメリカ人であるジョン・シーが本来の五行を誤って解釈して作ったものだと思っていたが、これも「2」で書いた「カモワン版」と「ウェイト版」という2種類のタロット・カードと同じように、互いに鏡像のような関係にあるのではないかと今は考えている(TFH自身は、そこで使われている五行を、オリジナルそのものではなく現在に合わせてアップデートしたもの、というふうに言っている)。
それから、象徴体系の中に数学が入っているのをいぶかしく思う人がいるかもしれないが、そもそも数学は人間が作った最大、最強の象徴体系であることを考えれば、むしろ入っていない方が不自然だ。
私はこれまでテクスチャー・セラピーとか呪法セラピーとか、テキトーな名前をつけたいくつかのメソッドを作ってきた(それぞれの詳しい中身を知りたい人は、右上の検索窓を使ってこのブログ内で検索すれば、関連する記事が出てくる)が、どうやらそれらは、このSSTMを構成する部品の1つだったようだ。
つまり私は今まで、それと気づかないまま象徴体系を使った大きな治療システムを構成する部品を作り続けていたのか…ということに気づいて、また驚いたという次第。
さて、これに続く4では、そもそも象徴体系を使って治療するとは何なのかについて述べて、このシリーズを終えたい。
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