7月末に『スティルネス』の日本語版を出した記念、と言うか自分へのご褒美に、かねてから考えていたことだが、サイモン・マースデンのオリジナル・プリントを買うことにした。
サイモン・マースデンの名を初めて知ったのは、もう10年以上も前のことだが、銀座のある画廊(今はもうない)で行われる個展の記事を『ぴあ』で見た時だった。記事に載っていた作品に興味を引かれ、その画廊を訪ねて1枚の作品──タイトルはGothic Window, Castle Bernard, County Cork, Irelandで、マースデン・アーカイヴの作品コードではMA-I-088──を買った。当時は割と怖いもの知らずで、作品についていた正札価格では買わずに、スタッフに「で、どのくらい勉強してもらえるんですか?」と聞いて、値切って買った(スタッフは、「もうこれでギリギリの値段でお出ししているんですけど…」などと言いながらも、5%くらい引いてくれた)。
マースデンの作品はほぼ全て、マースデン・アーカイヴのthe picture libraryで見ることができる(以前は、全作品が一緒くたになっていた上に欠けている作品もあって、非常に使いにくかったが、現在は作品がコンセプトごとに分類され、非常に使いやすくなっている)。ほぼ一貫して幽霊が出ると噂される廃墟、墓地、あるいは異様な風景などを、時には赤外線カメラを使って撮影している。が、いわゆる心霊写真の類を狙っているわけではなく、あくまでアートしての写真を撮っているので、作品自身は(写っているもの自体は異様であっても)決しておどろおどろしさはなく、むしろ詩情を感じさせる。上で書いた個展では、展示されたマースデンの作品一つひとつにエドガー・A・ポーの作品の一節が一緒に掲げられていた(ちなみに、私の買ったMA-I-088には、ポーの『alone(孤独)』という私の大好きな詩が掲げられていた)。
今、日本では、マースデンの作品集(厳密な意味での作品集ではなく、企画ものだが)は何冊か出ているが、ネットで調べた限りマースデンのオリジナルを扱っている業者はなさそうだったので、彼のサイトから直接注文した。気に入っていた作品は数点あったが、注文したのは以前買ったMA-I-088と同じものを違う角度から撮ったMA-C-179。だが、この注文は二つの意味で失敗だった。一つは、注文した時期が円安のピークだったために、結局高くついてしまったこと。そしてもう一つが…
注文の確認メールが来て2週間後くらいだろうか、待望の作品が届いたのだが、届いたのは注文したMA-C-179ではなく、以前買ったMA-I-088だった。同じものを撮った別々の作品なので、作家本人が勘違いしたのかもしれない(タイトルも同じだし)。早速、マースデン・アーカイヴに間違った作品が届いた旨、メールしたのだが、なしのつぶて。これが日本なら、すぐに折り返しお詫びのメールが届き、「いついつまでに作品を送り直しますので云々」となるところなのに、マースデンは夏休みか??(メールしたのは8月初旬)と思い、10日後くらいに再度メール。しかし、これも音沙汰なし。以前もイギリスのサイトで本を注文して、予定日を遙かに過ぎても届かず、カリカリした経験があるだけに、これですっかりイギリスが嫌いになったが、今日になって突然、メールでの返答がないまま、マースデンから作品が送られてきた。その間、一生懸命プリントを焼いていたのだとは思うが、これがマースデン流なのだろうか?
先に間違えて送られてきた作品については何も言って来ないので、そのまま手元に置いておいてもいいのかな、とも思ったが、後で問題になると困るので送り返すことにした。料金受取人払いで送り返そうとしたが、海外はダメらしく、2400円也を払うことになった。この注文は最後まで高くついた。
ちなみに、今回買ったマースデンは額装の上、そのうち治療室に飾る予定。乞うご期待
サイモン・マースデンの名を初めて知ったのは、もう10年以上も前のことだが、銀座のある画廊(今はもうない)で行われる個展の記事を『ぴあ』で見た時だった。記事に載っていた作品に興味を引かれ、その画廊を訪ねて1枚の作品──タイトルはGothic Window, Castle Bernard, County Cork, Irelandで、マースデン・アーカイヴの作品コードではMA-I-088──を買った。当時は割と怖いもの知らずで、作品についていた正札価格では買わずに、スタッフに「で、どのくらい勉強してもらえるんですか?」と聞いて、値切って買った(スタッフは、「もうこれでギリギリの値段でお出ししているんですけど…」などと言いながらも、5%くらい引いてくれた)。
マースデンの作品はほぼ全て、マースデン・アーカイヴのthe picture libraryで見ることができる(以前は、全作品が一緒くたになっていた上に欠けている作品もあって、非常に使いにくかったが、現在は作品がコンセプトごとに分類され、非常に使いやすくなっている)。ほぼ一貫して幽霊が出ると噂される廃墟、墓地、あるいは異様な風景などを、時には赤外線カメラを使って撮影している。が、いわゆる心霊写真の類を狙っているわけではなく、あくまでアートしての写真を撮っているので、作品自身は(写っているもの自体は異様であっても)決しておどろおどろしさはなく、むしろ詩情を感じさせる。上で書いた個展では、展示されたマースデンの作品一つひとつにエドガー・A・ポーの作品の一節が一緒に掲げられていた(ちなみに、私の買ったMA-I-088には、ポーの『alone(孤独)』という私の大好きな詩が掲げられていた)。
今、日本では、マースデンの作品集(厳密な意味での作品集ではなく、企画ものだが)は何冊か出ているが、ネットで調べた限りマースデンのオリジナルを扱っている業者はなさそうだったので、彼のサイトから直接注文した。気に入っていた作品は数点あったが、注文したのは以前買ったMA-I-088と同じものを違う角度から撮ったMA-C-179。だが、この注文は二つの意味で失敗だった。一つは、注文した時期が円安のピークだったために、結局高くついてしまったこと。そしてもう一つが…
注文の確認メールが来て2週間後くらいだろうか、待望の作品が届いたのだが、届いたのは注文したMA-C-179ではなく、以前買ったMA-I-088だった。同じものを撮った別々の作品なので、作家本人が勘違いしたのかもしれない(タイトルも同じだし)。早速、マースデン・アーカイヴに間違った作品が届いた旨、メールしたのだが、なしのつぶて。これが日本なら、すぐに折り返しお詫びのメールが届き、「いついつまでに作品を送り直しますので云々」となるところなのに、マースデンは夏休みか??(メールしたのは8月初旬)と思い、10日後くらいに再度メール。しかし、これも音沙汰なし。以前もイギリスのサイトで本を注文して、予定日を遙かに過ぎても届かず、カリカリした経験があるだけに、これですっかりイギリスが嫌いになったが、今日になって突然、メールでの返答がないまま、マースデンから作品が送られてきた。その間、一生懸命プリントを焼いていたのだとは思うが、これがマースデン流なのだろうか?
先に間違えて送られてきた作品については何も言って来ないので、そのまま手元に置いておいてもいいのかな、とも思ったが、後で問題になると困るので送り返すことにした。料金受取人払いで送り返そうとしたが、海外はダメらしく、2400円也を払うことになった。この注文は最後まで高くついた。
ちなみに、今回買ったマースデンは額装の上、そのうち治療室に飾る予定。乞うご期待
こちらから出したメールに対して、メールによる回答がなかったのは事実ですが、二度目に送られてきた作品に、一緒にマースデンからの手紙が入ってたことに、今日になって気づきました。
その一部を以下に引用します。内容は謝罪と、返送費用を負担するので、前に送った作品を送り返してほしい、というものです。
Once again please accept my apologies for sending the wrong picture previously.
I would be very grateful if you would return the original image and I will refund you any postage and packaging fee py Palpal.