アニメ『呪術廻戦』から、これまでに「『なんちゃって無量空処』の話」と「『なんちゃって構築術式』の話」を書いてきたが、今回も全くの想定外の第3弾。いや~『呪術廻戦』はネタの宝庫だね。ホント有り難い。
さて、『呪術廻戦』に登場する呪術師の一人、釘崎野薔薇(くぎさき のばら)の使う芻霊呪法は、いわば丑の刻参りを拡張したような術式だ。それを使うエピソードは複数話あるが、術式を解説してくれるアニメの24話が一番分かりやすいかもしれない。芻霊呪法は大きく「共(とも)鳴り」と「簪(かんざし)」とからなる。「共鳴り」は相手の体の一部を入れた藁人形に呪力を込めた五寸釘を打ち込むことで遠隔で相手にダメージを負わせ、「簪」は呪力を込めた五寸釘を金槌で相手に直接打ち込む
──というのは、例によってあくまでアニメ/マンガの中で語られる芻霊呪法の話だが、実はキネシオロジーにも「共鳴り」と似たような方法がある。それが「イメージ投影」だ。
例えば、相手の身体を藁人形ならぬ骨模型に「イメージ投影」すると、模型を使って骨の変位を調べることができる。それだけでなく、そのアジャストメント(矯正)も、「イメージ投影」によって骨模型と相手の身体との間にリンクが構築できているので、模型に対して行うことで実際に矯正できてしまうのである。
もちろん「イメージ投影」する際の投影元は自分自身の体でもいい。だから骨模型を使って自分自身を矯正することもできる。よく「自分で自分の矯正をすることはできないから…」などと言っているカイロプラクターがいるが、決してそんなことはないのだ。
それに「イメージ投影」は文字通りイメージを投影するだけだから、『呪術廻戦』の「共鳴り」のように投影元の体の一部がなければならないという縛りはない。また骨模型のような立体物に対してしか行えないわけでもない。実際、私は解剖写真に「イメージ投影」することで内臓の状態の検査も行っている。そのことはYouTubeにアップしている動画でも語っているので、それを貼っておこう。
というわけで、「なんちゃって芻霊呪法」=「イメージ投影」は非常に使い勝手がいいので、私は毎回のように施術で用いている。
これまで書いてきた以外にも、『呪術廻戦』に出てくるもののうち、いずれも「なんちゃって」レベルではあるが、実際にできるものはある。
まず“呪いの王”両面宿儺(すくな)の使う、失った体(の一部)を再生させる「反転術式」は、任意に設定した過去の特定の時点での体の状態を擬似的に再現させる「時遡行(ときそこう)」で代用できるのではないか。これについては「時を駆ける治療家」や「ボディマインドを時間的に捉える」といった記事の中で詳しく述べている。
それから、言葉の力で相手を操る、狗巻棘(いぬまき とげ)の「呪言(じゅごん)」だが、さまざまな言葉によって相手の体に生じる反応を調べるのは私の十八番の一つで、ブログにも「呪法セラピーに関する考察 序論」や「詞(ことば) 1」などの記事を書いている。
こうしてみると、自分は『呪術廻戦』が始まるよりずっと前から『呪術廻戦』的なことをやっていたのだなぁ、と改めて思う今日この頃である。
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