深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

マネー、マネー、マネー

2018-11-01 23:25:55 | 趣味人的レビュー

商売がなかなか上手くいかないことへの焦りや苛立ちがあって、一時、相当額を注ぎ込んでお金のセミナーとか成功セミナーに行っていたことがある。「セミナーに出るなどして自分自身のためにお金を使うことは、何より効率のいい投資だ」などと話す講師の言葉に、ちょっと感化されてたところもあったと思う。

で、どうなったかというと、そのセミナー費用すらマトモに回収できないで終わった。私がセミナーに出てもちっとも成功しなかったのは、行動していなかったからかもしれないし、必要な手順を踏んでいなかったからかもしれないし、お金に対する心理的ブロックが外れていなかったせいかもしれないし、インナーチャイルドが十分癒やせてなかったのかもしれないし、お金や成功に執着しすぎていたのかもしれないし、一緒にやる仲間がいなかったからなのかもしれないし、…まぁ理由はともあれ、結果を手にすることができなかった今は、そうしたものとは距離を置いている(そういうものに対する色気が完全に失せたわけではないが…)。

と、ここまでは実はマクラで、今回は映画『億男』の話。

兄の借金の連帯保証人になったことで3000万の借金を背負うことになり、今は妻子と別々に暮らす一男(佐藤健)は、ひょんなことから宝くじで3億円が当選。思わぬ大金を手にして戸惑う一男は、大学時代の親友で今はフリマ・アプリ、バイカムが大当たりして億万長者となった九十九(つくも)(高橋一生)のところに相談に行く。「まずは、お金の使い方を学べ」という九十九から言われるままに、一男は銀行から3億全額を引き出し、その夜は九十九のマンションで大勢を集めて酒池肉林のパーティを行うのだが、朝、目が覚めると、3億の札束と共に九十九の姿はなかった。その3億で借金を返して、もう一度妻子と一緒の暮らしを取り戻すことを夢見ていた一男は茫然自失。たまたま前夜のパーティで知り合った女、あきら(池田エライザ)のツテでバイカムの関係者を訪ね歩き、消えた九十九を探すのだが、それは彼にとってのオデュッセイ(冒険の旅)であると同時に、お金についての地獄巡りでもあった…。

 

中でも私のお気に入りは、藤原竜也演じる千住だ。藤原竜也というと『カイジ』を見ていたせいか、億万長者になって成功セミナーを主催する千住には、つい「あのカイジがここまでになるなんて…」と思ってしまったが、成功を伝授するセミナー講師としての強烈なカリスマ性の中に見え隠れする胡散臭さは、やっぱりカイジだ。ちなみに千住がセミナーの中で行ったパフォーマンスは、あれそのものが実際にやられているかどうかは知らないが、似たようなことが行われているのは知っている。目的は参加者の(お金に対する)マインド・ブロックを外す、という名目のマインド・コントロールである。

この映画はあくまでエンターテインメントだが、描かれるオデュッセイ/地獄巡りの内容はマジで深い。恐らく今、世の中にあるお金のセミナー、成功セミナー、あるいは幸せについてのセミナーで語られていることのほとんどがこの映画1本に網羅されている、と言っても過言ではないだろう。もちろん、こういったセミナーに出るのはただ教えを拝聴するためだけではないが、安くても万単位、下手すれば数十万単位のカネがかかるセミナーに出て、結局ほとんど何も成果が得られないなら、それと同じ(か、それ以上)の教えを1800円(私の場合は映画の日に行ったから1100円)で得られるのはメッチャメチャ、コストパフォーマンスがいい。

『億男』は川村元気の原作を大友啓史が監督で撮ったものだが、大友がNHK時代に撮った『ハゲタカ』とテーマが重なるところがあって、そのせいか時折、私の頭の中では『億男』に重ね合わせるように『ハゲタカ』の中のシーンが自動再生されていた。そこで『億男』のEDはBUMP OF CHIKENの『話がしたいよ』だが、この記事の最後は『ハゲタカ』のEDだったtomo the tomoの『road to rebirth』を添付しよう。なぜなら、この映画はまさに地獄巡りの果てのroad to rebirthの物語だから。




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