深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

肉体より上の層の弱さを治療する

2006-05-17 12:27:21 | 症例から考える

私が治療の中心としているAK(アプライド・キネシオロジー)という治療体系には、TL(セラピー・ローカライゼーション)という特徴的な診断法がある。これはAKの創始者、ジョージ・グッドハートが発見したもので、体の何か問題を持ったところ、治療を必要としている部分に手を触れると、筋力が変化するという現象である(一般的には強かった筋肉が弱く変わるため、私たちは「その部分に弱さがある」というような言い方をする)。AKでは、このTLを用いて治療すべき部分を割り出していく。だが、実は体表面に触れても弱さはないのに、その手を体表から離して上に持ち上げていくと、ある高さのところで弱さが現れる(つまり、肉体を離れた部分に何らかの問題があり、治療する必要があるかもしれない)という現象があることを、私は3年ほど前に治療の練習をしていて偶然気づいた。

それ以降、さまざまな患者を診てきて、その現象が、ある特定の人に特異的に起こるものではなく、(私自身も含めて)多くの人に普通に起こることがわかってきた。また、その弱さが現れる高さは、体表すぐ近くのこともあれば、患者が仰臥位(=あお向け)では手が届かないほど(時には天井を越えて)高い位置にあるので、側臥位(=横向き)になってもらわなければならないこともあり、また弱さの現れる高さが複数個存在することも決して珍しくない、ということも(なお、こういう場合、私は勝手に1層、2層、…と数えている)。

以前診た、ある腰痛の患者は、腰への直接的な治療をやっていたものの、あまりハッキリした結果が出ていなかった。その時、ふと痛みの出ている部分の肉体より上の層を調べてみようと思い立って、診てみるとかなり高いところから何層かに渡って弱さがあった。それを取っていくと、腰の痛みはかなり軽減してしまった。
最近診た、ひどい下痢症状のある患者の場合も、心窩部(=みぞおち)の肉体より上に9層もの弱さがあり、それを取る治療を行った。

肉体より上の層の弱さを取る治療、と言うと、一体どうやっているのだろう、と思われる向きもあるかもしれないが、肉体より上の弱さも、要するに「そこの位置に手を持っていくと、筋力が変化する」ということであり、一般的なAKの「体表面のある部分に触れる(=TLする)と筋力が変化する」のと同じ「筋力の変化」に落とし込んでいけるので、治療としてやることは変わらない(決して、空中に鍼を打つようなバカげたことはしないのだ)。

もちろん、これも万能の治療法であるわけはなく、丹念に肉体より上の位置にある弱さを取ったものの、症状には全く変化がなかったケースも数多くある。ただ、一般的に言えることは「症状が長期に渡って出ていたり激しいケースでは、ほぼ間違いなく肉体より上の層に弱さがあり、しかも多くの場合、その弱さがかなり高い位置から複数階層に渡って存在する」ということである。

では、この「肉体より上の層の弱さ」とは何なのか、だが、いくつかの可能性が考えられた。神秘主義的な考え方では、人間には肉体レベルの外側に、エーテル体、アストラル体、メンタル体、コーザル体、…(これらの名称や順番は本によってさまざまで、オーソライズされたものではない)といったものが何層にも渡って取り巻いている、ということになるので、それらの問題をピックアップしているのかもしれない。あるいは、私が勉強会で教わっている先生に言わせると、「肉体から離れれば離れるほど、精神的な要素が強くなっていく」という。

最近になってわかってきたこととしては、人体の持つ治癒機構が、肉体より上の層の弱さに大きく関わっているらしい、ということである。日々生じるさまざまな心理的・精神的な問題の処理は、脳だけでなく内臓器にも割り振られる。特に、(顕在)意識に上がってこない/上がってきては困るものは、密かに内臓器で処理させる仕組みがあるようだ。そして、それを内臓器が処理しきれない事態が起こった時、それが肉体より上の層の弱さとして現れるのではないかと、私には見える。ただ、それがエーテル体などと何か関連があるかどうかについては、まだわからない。

いぜれにせよ、肉体より上の層を調べることは治療上、非常に有効なので、かなり多用しているが、もともと揉み治療などをほとんどやらないことで、一部の患者から不審がられている私の治療が、益々浮世離れしていくのではないか、とそれだけが心配である


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« サラリーマンNEO | トップ | The HISTORIANをついに読了 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

症例から考える」カテゴリの最新記事