公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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新しくお世話になります。

2019年04月30日 | 日記

皆さんはじめまして。研修医1年目のKと申します。(個人情報保護の観点から以後イニシャルのみとさせて頂きます)

4月は時が目まぐるしく回り気づけば元号が変わる前日となっていました。
遅ればせながら自己紹介をさせていただきます。

僕はもともと群馬県出身でして、大学入学に合わせて福島に来ました。
こちらに来る前に住んでていたところは広大な関東平野の望むだだっぴろい平坦な場所でして自転車があればどこへでも行けそうな雰囲気を醸し出しています。住めば都といいますが、夏は頭おかしくなるほど暑いですし雷が多いです。そして冬は乾燥した風がほぼ毎日毎時間強く吹きすさびます。
というのも、北に臨む赤城山・榛名山・妙義山という群馬の三名山があるのですが、この過酷()な気候にその山がどうも悪さをしているらしいです。
雷の発生には強い上昇気流が必要でしてその気流を生むのが山地で温められた空気であると。冬の乾燥は山向こうの湿った空気が山越えをする際に大量の雪をもたらす結果、群馬には乾いた風がくるというわけです。
群馬というと何かと「グンマー」と呼ばれますが、気候環境だけで言えば相当なものかもしれません(笑)

群馬の名産は?と聞かれると、「きゃべつ……こんにゃく……」と言うわけにもいかないので僕は「ハラダのラスクと焼きまんじゅう」と答えます。
ラスクは結構有名になりまして群馬に似つかわしくないような洒脱なもので保存もききます。そして焼きまんじゅうとは何ぞや、と思われるかもしれないですね。これは皆さんがよく想像するようなまんじゅうをただ焼くわけではありません。もちもちとした小麦のパンのような生地を4つほど竹串に刺してじっくりと炭火で焼きます。こんがりと焼けたところに甘じょっぱい味噌ダレを目いっぱいつけて完成です。
一口で頬張るって食べるのが通のようで柔らかな触感と炭火焼きの香ばしさ、あの味を一度食べたらヤミツキになること間違いなしです。
ですのでもし群馬を訪れることがありましたら一度ご賞味してみてください。群馬には草津や伊香保といった温泉もありますからね。

と、群馬のことしか話してないですね。僕自身についてはまた後程……。
まだまだ相馬に詳しくない若輩者ですが、この地この場所で研修できることを嬉しく思います。


新年度ですね♬

2019年04月04日 | 日記
新年度になり2年目研修医となりました、中川良太です。
最後にこのブログを見たのは3月上旬でしたが、先輩方お二人(お一人・・・?)の投稿数の多さにビックリいたしました。
僕の最後の投稿は・・・昨年の11月ですね・・・もう4か月くらいに一度しか投稿していないですね。
とりあえず何かネタになる話はないかなと考えておりましたが、いい話は全て先輩方に持ってかれている気がしますので・・・どうしましょう。
私の近況としてはNCPRを受講し、その話をしたところお世話になった南相馬市立病院産婦人科の助産師さんにNCPRのインストラクターになることを命じられたこと、小児科学会の会員に一応なったこと、3か月におよぶ産婦人科研修を終えたこと(専攻医の先生にすら3か月回る人なんて聞いたことないと言われました笑)ってところでしょうか。
産婦人科の下り以外すべて先輩鈴木先生の以前の投稿と被っています(-_-;)
そして私は現在精神科研修のため外部にいますので、新しく来てくれた1年目研修医たちにまだ会えてもおりません・・・(-_-;)
ソレハオツライデスネ。
これは精神科でよく用いられる「共感」のための言葉です。自分に使ってみました、いまいち面白くないですね。
現在精神科で私は鋭意レポートの作成に勤しんでおります。某先生のお話の通りレポートを着々と倒しております。
研修医の皆さん、入院の高血圧症例と視力障害のレポートは早く倒さないと後々困りますよ。僕は循環器内科で3か月研修させていただきましたが、高血圧を主訴に入院した患者さん(高血圧緊急症など)はたしかお一人もいらっしゃらなかったと記憶しています。

さて年度は変わりましたが、来月は年号が変わるらしいです。
てなわけできっと今年の流行語大賞「平成最後の」になると僕は勝手に予想しています。
あと「高輪ゲートウェイ」とかいう駅名を付けてしまう方々の決める年号なので、カタカナが入るんではないかと危惧していましたが杞憂に終わってよかったです。
というわけで「平成最後の」1か月頑張っていきましょう!
新年度も頑張っていこうぜ!

May the force be with you !!

2019年03月31日 | 日記
気が付いたら2年間の研修があと数時間で終わりそうです、2年目研修医、阿部です。

前回投稿っていつだっけ・・・?とたどってみたら2017年の11月でした・・・。やっちまったぜ。
どうにもさぼり症でして、やろうやろうと思いつつこのザマです。・・・鈴木君ごめんね。
さぼりといえば、3月頭にレポートの提出期限(初期研修医は症例のレポート提出義務があります)がありました。
自分のレポート提出が終わったのは、提出締め切り最終日でした!!いやー終わってよかった。
  ・・・関係の皆様、本当に申し訳ございませんでした。(土下座)
でも何とか初期研修は修了することができました。
思えばあっという間の2年間で、気が付いたら名取先生、濱近先生を見送り、中川君を迎えていました。

鈴木君が書いてくれていますが、平成31年度研修医は3人全員が合格。誠におめでとうございます。やったぜ。
いよいよ明日から勤務が始まりますが、きっと相馬のために尽力してくれることと思います。
皆は、レポートは定期的に提出するようにしようね!


平成23年の震災の時、自分はたまたま入院しており当院の3-3病棟におりました。
あれからすでに8年が経過したと思うと、感慨深いやら、時間が過ぎるのはあっという間ですね。
トシちゃん25歳!いえ26歳になりました。四捨五入でアラサーでございます。

自分は福島医大の消化器内科へ入局することとなりました。
ご期待に沿えなかった科の皆様には本当に申し訳ありません。消化器内科医として全力で仕事をさせていただくことでお詫びとしてかえさせていただきたく思います。

なお、4月から消化器内科の常勤医として、当院に引き続き勤務させていただくこととなりました。
なので研修医のみなさん、当院へ実習・見学へいらっしゃる学生さん、ぜひ楽しくやりましょう!!
支払いは任せろ~(バリバリバリ)

鈴木君とはかれこれ11年間一緒だったわけですが、これで一旦お別れとなります。いろいろありましたが、11年間ありがとう。
またいずれ一緒に仕事をすることになる気がするので、今後ともよろしく!!

最後に、2年間お世話になりました公立相馬総合病院の皆様、相馬地区の医療関係者の皆様、研修をさせていただいた福島医大 救急科、精神科、産婦人科、麻酔科の皆様、宮下病院の皆様、そして診療をさせて頂いた患者様方、自分にこれ以上ない経験をさせていただき、本当に感謝しております。
ありがとうございました。
今後も地域医療のため尽力していきます所存です、以後もご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。

さて、締めはタイトルにもある私の愛するスターウォーズの名言で。
みなさまの今後のご健勝とご発展をお祈りいたします。

フォースとともにあらんことを!
                                              阿部



初期研修終了と再出発

2019年03月29日 | 日記
研修医の鈴木です。
本日をもって2年間の初期研修が終了しました。私は地元相馬の出身として当院で初期研修をさせて頂くことができて全ての関係者の皆様に心から感謝しています。そして2年間、ブログを見て応援して下さった皆様にも感謝しています。どうもありがとうございました。

私が医師になりたいと考えたのは幼少期に肺炎で当院に入院した時に自分の辛い症状を治してくれた医師の姿に憧れを抱き、自分もいつか人の痛みや辛さを理解して一つでも多くの命を守れる人間になりたいと思ったことが最初のきっかけでした。それから小学、中学時代に必死に勉学に励み、地元の進学校である相馬高校に進みました。高校時代に相馬地区の医療事情を見つめた時に全体的に医療従事者が少なく、高齢化しており医療資源が非常に乏しく厳しい環境であることを学びました。自分が医師となって少しでも地元の医療に貢献したいと改めて考えるようになり、福島県立医科大学への進学を決意しました。
私はそれほど裕福な家庭というわけではなく、ごく普通の一般家庭で生まれ育ちましたが、医学部は学費が高くなる(ご存知の通り私大医学部はかなり高いです)ので、あまり費用のことで家族にあまり負担もかけずに医学部に進学したいと考えていました。福島県は、福島医大に入学する学生に福島県内の公的医療機関に数年間従事することを条件に借りられる奨学金制度(福島県緊急医師確保修学資金)があります。それを利用して6年間大学で過ごして医師となり福島県に残って頑張りたいと考えていたので、福島県立医科大学入学に向けて受験勉強を行いました。滑り止めの大学受験は一切受けず、福島県立医科大学だけに絞り、費用がかさむ予備校や塾も利用せずに勉強をコツコツ続けて震災の年に何とか推薦入試で合格しました。その後ほどなくして津波で家を失うことになりましたが…

あれから6年、大学で様々な人と出会い、切磋琢磨しながら充実した大学生活を送り医師国家試験に合格しました。そして初期臨床研修病院として歴史は浅く、知名度も低い当院ではありますが、地元の相馬で地域医療を肌で感じつつ、自分に何かできることがあればやらせて頂きたいと思い、2年前の春に初期臨床研修医として着任致しました。当初は右も左も分からず、採血もろくにできない(要するに何の役にも立たない)状態で自分の無力さを痛感する毎日でしたが、その中で日々成長できるように自分なりに努力してきたつもりです。世間には診療ガイドラインなどというものもありますが、地域性を考慮しながら医療を展開していかなければならないので画一的な医療ではなく、個人に合わせた医療を提供していかなければならない面もあるため、悩むことは多かったです。たくさん悩んだ分だけ医師として少しは成長できたのかもしれません。
4月からは福島医大の小児科で後期研修として再出発します。相馬を離れることになりますが、私の原点は相馬にありいつの日かこの地に戻って小児科医療の一翼を担えるようになれる医師になるために福島で全身全霊で精進します。

ちなみに相馬高校出身で福島医大卒の中では私と阿部先生(4月からも消化器内科で当院にいます)の2人が最も若い世代になります。現在福島医大生で相馬高校出身は1名います。なかなか地元相馬高校出身で医学部に進学するのは厳しい状況が続いています。先日、4月から相馬高校出身で福島医大進学を考えている学生さんにお話する機会があったのでエールを送ってきました。参考になるかはわかりませんが来年まで1年間頑張って欲しいです。

長々と書きましたが今回でブログを書くのは最後とさせて頂きます。2年間ありがとうございました。
最後に私の故郷の磯部の風景を載せて終わらせて頂きます。


寄木神社

祝 国試合格

2019年03月20日 | 日記
研修医の鈴木です。3月18日、医師国試が合格発表されました。
当院に4月から来る予定になっている3人の新研修医の結果は…

全員合格

でした。おめでとうございます。
これまで当院の研修医は毎年1名あるいは2名でしたが、3名は初めてになります。新研修医の先生方は4月から上手く仕事がこなせるのか不安もあるかと思いますが、医療資源の少ない地域医療の現状を肌で感じつつ、医学的な知識や技術だけでなく患者やその家族、周りのスタッフと関わり方など様々なことを学んで頂けたらなと思います。当院の指導医の先生方も看護師さん、薬剤師さん、技師さん、栄養士さんなど全てのスタッフが研修医のサポートをしてくれますので、その期待に少しでもこたえられるように頑張ってほしいです。
それと若い時の長期休暇は今回の春休みで最後になるかと思いますので4月までの間に旅行とかやりたいことを今のうちにやっておきましょう!
ちなみに私は卒業旅行でハワイに行きました。本当は勉強会のみんなでヨーロッパに行きたいねーと言っていたのですが、イスラム国によるテロ事件が多発していた時期だったので結局ハワイに決めました。ココナッツウォーターを飲んだり、ロコモコ食べたり楽しい良い思い出をたくさん作れました。

同期の友人と楽しく旅行に行くことができるのは今だけなので研修医になる前に思いっきり楽しんでほしいです。

あの日から8年

2019年03月11日 | 日記
研修医の鈴木です。今日は3月11日ですね。私はコードブルーの対応で黙祷とかしている場合ではありませんでした。

東日本大震災から早いもので8年が経過しました。

私は相馬市磯部地区の出身で産まれてから2011年3月11日まで家族とともに生活していました。自宅のすぐ近くが海で波風の音を聞きながら日々を過ごしていました。子供の時は夏になると海水浴によく行ったのを覚えています。
8年前の3月11日、私は相馬高校を卒業して福島医大入学を控えていた時でした。相馬高校からの帰り道、近くのドラッグストアに寄ったときに地震が発生致しました。今までにない大きな地震であり、津波警報も発令された為、その日は自宅に帰らず、親戚の家に避難しました。もしあの時ドラッグストアに寄らずにまっすぐ帰っていたらもはやこの世にいなかったかもしれません。所持品はほとんどありませんでしたが幸いにも命は助かりました。数日後、磯部地区に行きましたが、そこはもはや私の知る故郷ではなくなっていました。自宅があった場所は地面がえぐられて海になっていて、思い出となるものも何一つ残っていませんでした。故郷が失われたことをその時初めて理解しました。頭の中に浮かぶ磯部の風景はもう二度とこの目で見ることはできないのです。

安否情報を確認すると近所の人や知人の名前がありましたが、あまりに突然の出来事で何も実感がなく、ただ唖然とするばかりでした。ついこの間まで私が医大に合格して喜んでくれた人達が一瞬にして亡くなってしまったことに対して理解が追いついてないようなそんな感覚でした。


あれから6年が過ぎて初期研修医となり相馬の地に戻り、働かせて頂きました。初めの頃は何もわからず、全く役に立たない自分に対して思い悩む日々でしたが、多くのことを学ばせて頂きました。何か少しでも自分にできることはないかと自分なりに考えながら勤務しました。私がこの公立相馬病院で初期研修医として何か足跡を一つでも残せたら良かったのですが、自分の力不足ばかりが目立つ研修だったかもしれません。

ただ、この相馬の地で自分がなりたいと思える医師像を見い出すことができたので指導医の先生方に対して心から感謝しています。震災で犠牲となってしまった方々の分まで日々精進していきます。

学会入会

2019年03月06日 | 日記
仙台から相馬に戻ってきた研修医の鈴木です。いよいよ初期研修も最後になってきました。このブログを書けるのも残りわずかとなってきました。

今日、当直明けから自宅に帰ってくると少し分厚い封筒が送られてきました。中をあけてみると日本小児科学会の入会を認める文書と日本小児科学会誌がありました。初期研修終了後、後期研修医となって専門医の資格の取得を目指すわけですが内科医になるにせよ、外科医になるにせよ各学会の会員であることが専門医試験を受ける条件になっています。さらに小児科の場合は日本小児科学会の会員年数が3年以上であることが求められているので昨年の12月に入会申請を提出していました。その他に封筒の中には1枚のチラシも入っており、それが目に止まりました。"こころをつむぐ、ほそくながく…"東日本大震災小児医療復興新生事務局が作成した被災地応援小児科医師募集の宣伝チラシです。

写真を見て気づいた方もいると思いますが、当院の先生も写っています。当院もこの被災地応援病院の一つになっております。日曜日や祝日の救急外来の小児科診療を外部の先生方に担当して頂いています。興味を持った方はネットで被災地応援小児科で検索してみてください。公立相馬病院で応援に来て頂いた先生方のコメントなども載っています。震災から8年が経とうとしておりますが、それでもなお多くの先生方の支援を頂いています。本当にありがたいことです。
震災から8年が経過しましたが、当院では今もなお第一線で活躍する先生方が数多くいらっしゃいます。今の被災地の医療事情に興味がある、震災当時の医療事情が知りたい、そんな学生さんも大歓迎です。是非見学に足を運んでみて下さい。


病院説明会(仙台)

2019年02月22日 | 日記
お疲れ様です。研修医の鈴木です。東北大病院での研修も残りわずかとなってきました。
今日は東北大の艮陵会館で公立相馬病院説明会に参加してきました。会場に来てくれた学生さん80人程度で少なかったためか私たちのブースも厳しい状況でした。この時期は4年生が今週から病院実習(SGTと呼ばれています)が始まったばかりで正直疲れもあってか臨床研修病院の説明会に行ってる余裕もなかったのかなーという印象を受けました。開催日をもう少し変更して頂けたら状況は少し違っていたかもしれません。

初期研修の段階は医師としてふさわしい人格を2年かけて育てていく時期であり、また同時に基本的診療能力を養成していく時期でもあります。大学病院のような大きな病院の研修ではマンパワーが小さい病院よりも豊富であるため、教科書に載っているような珍しい症例を経験できたり、カンファレンスに参加して活発なディスカッションを通してより良い診療方針を打ち出すことができたり、多くのデータベースを有しているので見たい論文の閲覧ができたりなど大きな病院だからこその強みがあります。他方で上の先生方がどんどん仕事をしてしまうので研修医自身が主体的に診療に当たっている感覚が薄れてしまうことがあり("別に自分がやらなくてもいいや"みたいになって学生と同じ状態になってしまった大学の研修医もいる)、2年間無為に研修期間を終えてしまうリスクもあります。また手技なども大病院にいると自分に回ってこないなんてこともあり数をこなして技術を磨くということも難しいこともあります。当院のような小さい病院では自ら診療にあたりアセスメントして治療プランを作り実行するところまで指導医のサポートを受けながら主体性を持って仕事ができ、なおかつ手技を数多くこなすことができるためスキルアップに繋げることができます。

私は2年目は大学での研修が多くなりましたが、1年目は公立相馬病院で過ごしました。1年目の研修はほとんど分からないことばかりだったので(今でもですが…)、目の前の患者さんに対するアセスメントがこれで合っているのかこの治療が本当に正しいのか毎日悩み考えましたが、患者さんのために不屈の精神で惜しみない努力を続ける姿勢は培われたような気がします。手技に関しても当然最初は全然できませんが(採血だって簡単じゃなかった)、どうしたらうまくいくのか勉強して考え、めげずに何度もトライすることで少しずつできていくのを実感しました。外科を回ってた時は気管挿管だけはある程度自信を持ってできるようになってました。2年目は大学での研修でしたが一人の医師としての自覚があったからこそ大学病院のチーム医療に参加することができたのかなと思います。

また、公立相馬総合病院は一部の診療科は南相馬市立病院にお願いしていますが、相馬地区全体の急性期医療を担っている唯一の医療機関です。都市部の病院では一つの点でしかありませんが、当院では診療活動を通して相馬全体が抱える医療の問題を見つめることができます。私も様々な医療機関を見てきましたが、当院は病棟が古いなどのハード面の問題もありますが深刻な人材不足に悩まされています。しかし、地域の総合病院と銘打っている以上住民からは何でも揃っていて24時間常に完璧に管理されている(そうあらねばならない)と思われていることでしょうが、どんなに工夫して効率よく仕事をしても人材不足がある以上非常に厳しい状況です。残念ながら住民の全てのニーズに応えきれていない部分もあるかとは思います。そうした現状を初期研修医が打開することなど到底不可能ですが、そうした地域医療の現実を直視することが今後自分が医師としてどのような形で日本の医療に寄与すべきなのか考える上でも当院での初期研修は非常に意義深いものであると思います。

医師国家試験

2019年02月09日 | 日記
お久しぶりです。仙台で研修をしている研修医の鈴木です。今日も朝からすごく寒かったです。雪も降りました。
今日と明日は医師国家試験ですね。受験生の皆さん、初日お疲れ様でした。来年度当院で研修する予定の方々も頑張ったことと思います。体調を崩さないように十分に休養して下さい。私の時は3日間にわたって試験でしたが去年から2日間となったので私の時と比べて全体として解く問題数は少なくなりましたが、1日に解く問題数は多くなったのかなーと思います。明日も最後まで解いて頑張ってください。


先月までは東北大の眼科で研修しておりました。1ヶ月という短い間でしたが、弱視、斜視、緑内障、白内障など様々なことを学びました。細隙灯顕微鏡や眼底鏡を使って診察したり、手術に参加したりと多くのことを経験させて頂きました。東北大学眼科学の先生方に感謝しております。
今月は耳鼻咽喉科で研修しています。止まらない鼻血で入院してくる方が2日に1回くらいの頻度でやってきています。ほとんどが出血点を焼灼して止血を確認できたら退院という形になるので病棟の回転は比較的速いです。後は人工内耳埋込術や鼓室形成術など色々やってます。こんな感じで2月はやっていきます。

来月は相馬に帰ってきます。いよいよ研修医最後になりますのでよろしくお願いします。

謹賀新年

2019年01月04日 | 日記
2019年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。研修医一同代表して御挨拶申し上げます。研修医の鈴木です。
年末年始は小児科の日直外来や内科日直外来のお手伝いをさせて頂きました。都市部ではすでにインフルエンザが流行しているようですが、相馬でも内科外来でインフルエンザを診断した方が数人ほどいらっしゃいました。いよいよ相馬もインフルエンザが流行するシーズンに入ってきたような気がしてきました。診察した自分自身、うつってないかちょっと心配ですが…皆さんも体調管理に気をつけて下さい。

1/4から仕事始めになりました。私は東北大学病院で研修しております。今月が眼科、来月が耳鼻科ですね。初期研修も最後になってきていますが、残りの研修期間の中でしか経験できないことを経験したいと思い、仙台まで来ました。福島医大卒なので福島医大病院なら分かるのですが、東北大学病院は初めてなので病院内で迷子になりかけてます。長い歴史の中で増築が繰り返されてできた病院であるらしく、迷路みたいになっていると聞きました。
当院には眼科も耳鼻科も常勤医がおらず、東北大学からの支援を頂いて外来診療をお願いしてもらっております。外来診療に来てくださる先生方と当院の初期研修医がお会いして話をする機会は少ないですが、支援して下さる東北大学の医局の雰囲気を感じながら、人脈も作っていけたらと考えています。
当院が研修病院としてスタートして5年ほどが経ちましたがまだ日が浅く、認知度が低いのが現状です。だからこそ当院の協力病院として医局員を出して頂いている東北大学、福島県立医科大学との結びつきをより一層強固にしていくことが重要であると考えています。私が協力病院で研修することでわずかでも結びつきを強くできればと、そのためにもこの2ヶ月間を頑張っていきます。
今日は慣れない職場で未知なる分野で1日過ごしました。分からないことばかりで疲れました。週末はしっかり休んで仙台を楽しんできます。

研修を7ヶ月半終えて

2018年11月17日 | 日記
はいどうも。研修医1年目の中川です。
最近先輩にばかり投稿させてしまい反省至極でございます。
まぁ前回が7月で今11月ですね。うん。うん。ひどいものですね。
ちなみにこれだけ更新に期間が開いたのには理由があります。
今年の9月に私は先輩に倣ってPALSの講習会にてちゃんとプロバイダーの資格を取ってきました。
その際に資格習得の証明として普段はバッジが貰えるのでその写真を載っけてブログに投稿する予定だったのですが合格通知をいただいたもののバッジは送られてこなかったため写真がなく投稿見送り処分にしていました…言い訳はよろしくないですね、そろそろ本題に入っていきましょう。
11月16日をもって今年(今年度じゃないよ)の学生さんに向けた勧誘活動(レジナビなど)は全て終わりました。なので少しはこのブログを活用しつつ病院の一員として情報を発信していければなと思っております。
ちなみに私の研修医募集のパワーポイントは大半が福島の紹介です。
個人的にはもう相馬云々の前に福島がどこにあるかっていうことを知ってもらうことも目標の一つになっています。あとはやぶさ、こまちって新幹線がありますが大宮の次は仙台で福島県内には停車しないんですよね笑。
まぁそれは置いておいてせっかくなので今回は相馬、福島県の魅力PRをしていきたいと思います。
相馬に住んで7ヶ月くらい経ちましたが非常に住みよい街です。
都会にある程度の期間住んでた身としてはびっくりするくらい夜は静かだし、食材は何買っても外れないし(道の駅で地元の野菜とか海苔とか買って食べたりしてます。)、お酒は美味しいし、近くには山も海もある。
これ以上何を望みましょうかって感じです。
コンパクトシティの名の下基本的にお店は中心部に集約されていて私は普段車を使っていますが、自転車でも十二分に生活できる街じゃないかと感じます。
また個人的な趣味で恐縮ですが、山に登ることが私は結構好きなんです。本格的に山を登られる方々にはにわかレベルでしか登ってないんですが、登った範囲でせっかくなのでPRします。
福島は山だらけ、登る山には事を欠きません。
相馬から一番近いのはお隣新地町の鹿狼山でしょう。既に3回は登頂させていただきました。
相馬が一望できる景色の良い山で、山頂がかなり開けています。ほぼ1年中登れるのも魅力の1つだと思います。
他に私が福島で登ったのは霊山、吾妻山(高湯温泉→一切経山)、安達太良山(塩沢温泉→鉄山→安達太良山)です。どれも絶景ポイントがあり、各々に違った美しさがある魅力があります。
今吾妻山(一切経山)に登るルートで一番お手頃な浄土平からのルートは磐梯吾妻スカイラインの通行止のおかげで使えません。
登るにしても麓からで結構大変だと感じますのでゴールデンウィーク頃と早めに登っておいてよかったと感じています。
時期的に魔女の瞳も見てこれました!
同じルートから登った先輩クライマーの方の足跡を頼りに登頂したのはとてもありがたい思い出です。
福島の方のあたたかさを感じました。
まぁ思い出は小出しにした方がネタを失わないんで済むんですが今回は安達太良山(牛の背)からの写真でお別れとしましょう。
研修と自然を満喫できる相馬、福島県にぜひみなさんきて見てください!

NAVA

2018年11月04日 | 日記
研修医の鈴木です。11月に入り結構寒くなってきましたね。
再び福島医大で研修をしております。
10月30日夜に当直して明けの31日に福島に向かいました。ちょっと眠かったですが、安全運転で無事福島につきました。当直中に絞扼性イレウスで外科に置き土産してきました。きっと外科で手術して今頃はよくなってきているのではないかなと思います。

私の方は11月からまた新しいところ(NICU)で奮闘しております。朝早いのでそこが少し大変なところではあります。

先日、NICUで新しい人工呼吸器の説明会があったので聴いてきました。新しい人工呼吸器はNAVAという新しい呼吸器モードがあるそうです。人工呼吸は速やかにガス交換を改善して呼吸筋の疲労を軽減することを目的として行われる救命処置ですが、自発呼吸との同期と呼吸努力について考慮する必要があります。そのポイントとしては自発吸気と強制換気のタイミング、人工呼吸器による供給圧と患者の呼吸努力との関係、呼気相での肺虚脱を防止するための圧(PEEP)の設定が重要になります。現在、SIMV(同期式間欠的強制換気)やPSV(プレッシャーサポート)といった患者の自発呼吸に合わせて呼吸補助を行うことのできる人工呼吸モードが広く使われています。患者の自発呼吸を感知するシステムとしては呼吸回路内の圧力や流量の変化を感知して換気圧を調整しています。このモードの欠点は呼吸回路内の圧力や流量の変化を感知してから換気圧を調整しているため自発呼吸とのタイミングにずれが生じていることがあります。特に1歳未満の小児では強制換気のうち50%以上が同期しておらず、このことが人工呼吸からの離脱や人工呼吸中の睡眠障害や人工呼吸管理期間の延長との関連が指摘されています。
今回紹介されたNAVA(neurally adjusted ventilatory assist:神経調節補助換気)はこれまでの人工呼吸器を使用する際に問題となる非同期を改善するために開発された人工呼吸器モードで、患者自身の呼吸中枢から横隔膜へのシグナルである横隔膜電気的活動を感知して換気を調節するモードです。横隔膜電気的活動を感知するセンサーを搭載した胃管をを留置して電気信号をとらえ、それに応じて換気のタイミングを合わせたり、電気信号の程度に応じて換気圧を調整します。これにより患者の呼吸に同期しやすくなり、人工呼吸器による肺損傷を少なくして人工呼吸に伴う苦痛を軽減することが可能になります。

人工呼吸器も進歩してきていますね。少し勉強になりました。まだまだ学ぶべきことは多いですが、これからもがんばっていきます。

夏休み(秋休み)

2018年10月12日 | 日記
こんにちは 研修医の鈴木です

10月も半ばとなり紅葉のシーズンとなってきました。私は10月初めに夏休み(秋休み?)がとれたので家族を連れて那須・日光に行ってきました。私が行った時はまだ色づきの頃でしたが、中禅寺湖や華厳の滝に行って満喫してきました。お土産ももちろん買って医局と病棟の皆様にお配りしました。

整形外科を回って2ヶ月になりますが、間接穿刺を何度かやらせてもらったり、乳児健診で股関節の診察をさせて頂いたり、少しずつ経験させてもらっています。この前の股関節の診察では診察中に子供におしっこされてかかりそうになるハプニングもありましたが…
今週の終わりころから指導医の先生が学会へ出張しており、病棟は私一人で診ております。今のところ特に体調を崩している方もおらず、安定しているので今こうしてブログを書いております。整形外科は普段は常勤が1名しかいない中で診療されているので私が頑張って少しは休んでいただければいいかなと思っています。
整形外科は残り2週間ほどですが最後まで頑張っていきます。

帰ってきました

2018年09月03日 | 日記
研修医の鈴木です。雨が続いていてジメジメしますね。

今日から相馬に戻って研修しています。先月までは福島医大病院で救急科で研修させて頂きました。ドクターヘリに搭乗できなかったのは残念でしたが、重症患者の管理について深く学ばせて頂きました。6〜8月まで心身医療科、産婦人科、救急科と充実した研修になりました。大学で研修して改めて思うことは、当院はスタッフが少ない厳しい状況下でなんとか頑張っているということです。そして僕のいない3ヶ月の間に当院が色々変わったなーと感じました。まずは、スタッフのユニフォームが変わってましたね(ちょっとおしゃれになった?)。ユニフォームが変わるとなんとなく印象も変わったかもしれません。それに食堂がなくなってました…たまに食堂でハンバーグカレーとか食べていたんですが、やっぱりなくなるとちょっと寂しい気もします。これまで食堂で美味しい食事を作ってくれたことに感謝しています。ありがとうございました。

とりあえず9、10月は整形外科で研修を頑張っていきます。正直、国試の知識も抜けてきていて整形外科の知識が弱いと自覚しているので、今回の研修で整形外科の基本的な手技はできるように努力していきます。
改めて相馬の地で頑張りますので宜しくお願いします。

NCPR

2018年07月31日 | 日記
どうも、研修医の鈴木です。

みなさんは、NCPRってなんだかわかりますか?



これは新生児心肺蘇生法(Neonatal Cardio-Pulmonary Resucitation)のことです。その名の通り産まれたばかりの赤ちゃんに対する心肺蘇生法のことです。現在13万人が受講しているNCPRでは、出生直後の新生児に対する人工呼吸および胸骨圧迫、気管挿管などをトレーニングできる講習会です。この講習会は医師はもちろんのこと看護師や助産師、救急救命士、医学生、看護学生などを対象として全国各地で開催されています。ちなみにBLSやACLS、PALS(成人、小児の心肺蘇生法)はよく知られていますね。
私は7月に産婦人科を回る前にNCPRを福島医大で受講してきました。今日、ちょうどNCPRの認定証が届きました!こういう認定証はただの肩書でしかないですが、ちょっとは自信になります。
NCPRを受講したことで産婦人科を回っている間は自然分娩での新生児の初期処置をやらせてもらいました。ほとんどの赤ちゃんは元気に産まれてきたので人工呼吸などはやりませんでしたが、新生児の保温、乾燥、気道確保、APGARスコアの採点をさせて頂きました。ちなみに帝王切開で産まれた新生児はNICUの先生方がオペ室で待機して蘇生法を行います。
我が国の出生数の推計は100万人ほどであり、そのうちの10万人以上の新生児が出生時に呼吸循環が安定するために何らかの助けを必要とされています。また、出生直後は元気にみえた児でも沐浴や哺乳中や啼泣を契機に呼吸停止や徐脈に陥って慌てたというようなケースも少なくなく、分娩室だけでなく小児科病棟に勤務する医療従事者もNCPRを習熟する必要があります。
当院にも常に入院患者がいるわけではありませんが、NICUがあります。小児科病棟のスタッフが少ない中でも全力で診療にあたっております。しかし、マンパワーが不足しているのが現状であり、24時間つきっきりで小児科医師が勤務することは現実的には厳しいです。当直中にそのような事態が万が一にでもあった場合、自分に何ができるのか?せめて小児科医師が到着するまでの間にNCPRを施行し、スタッフに的確な指示を与えられるようにしていきたいです。

このさきどんな医師になれるのか分かりませんが、今は目の前にある研修がベストなものになるように努力していきます。