オーストラリアの「尺八室内楽国際作曲コンクール2008」に第3位入賞しました。
このコンクールは尺八に、ギターと弦楽四重奏の中から楽器を選んで組み合わせ、10分~15分の作品を作るもの。楽譜にデモ演奏のCDを任意で添付しました。
第1回の今年は18作品(オーストラリア4、カナダ1、香港1、日本4、ロシア1、アメリカ7)の応募がありました。
*****入賞者と曲名*****
第1位 Derrik Jordan (Vermont, USA) “Sky Mirror”
第2位 Douglas Gibson (Melbourne, Australia) “Essence”
第3位 Satoru Ikeda (Tokyo, Japan) “Ki-e”
拙作は、尺八とギター、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの五重奏曲。
ギターの弦は6本で、ヴァイオリンなどの弦楽器が弓で同時に鳴らせるのは弦2本、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの三重奏だから計6本、とバランスが取り易かった。
匿名で審査するため、名前の代わりにつける単語は遊び心で"Qui est ?" とした。これも「キエ」と発音し、フランス語で「誰?」の意。
他の2人の入賞者は弦楽四重奏。また、第1位の作品はクラシックギターではなく、エレキギターを使っている。
---プログラムノート---
西洋音楽が発展的な構成を持つのに比べ、日本の伝統音楽は「円環的」と言えるだろう。
無から始まり、ある時は厳しく、ある時は優しく、激昂する時があればすすり泣く時もあり、小さなフレーズを繰り返しながらスケールの大きい時間を作る。
ギターで琵琶風の音が出せないか、試みた。ヴィオラやチェロがヴァイオリンと対等になるよう、弦楽三重奏にした。
"Ki-e"は日本語で、神や仏にすがる信仰心「帰依」を意味する。Kyrie(レクイエムのキリエ)に語感が似ているのも気に入った。
ついでながらこの曲の調性 E-minor を暗示する。即ち Key-E。
試演をして頂いた尺八奏者には真っ先に報告しました。
はたして2か月で書けるかどうか…。
でも、がんばります。