「9割出来たと思った時が半分」というような戒め(中国の故事「百里を行く者は九十を半ばとす」)を聞いた事があるが、まさに。
チェレスタ・コンチェルトの仕上げ、追い込みで寸暇を惜しむ毎日。
17日(月)、代官山での午前中のレッスンが学生の都合でキャンセルとの連絡があり、午後の作曲のレッスンだけになった。
それなら午前中は知人の展覧会に寄ることにし、開店の10時直後から20分間ほど、たった一人で鑑賞した。
風土(ふど)会の中でも最もオーソドックスな風景画を描く画家、鈴木延雄・悳 俊彦・塚越仁慈・小田切 訓…による風土会四人展《油彩》。
東急吉祥寺店 8階 美術サロンにて 11月13日(木)~19日(水)開催
小田切作品は画面一杯にびっしり描き込まれ、一見して労作。ヨーロッパの黄土色の屋根の波。華やかな都市の夜景(号単価平均10万)。
悳作品は、若い時期抽象画にのめり込み、速筆で量産した遺伝子が現在の風景画にも影響しているのか、小田切作品とは対照的に余白を生かし、細部をぼかした筆致で、具象画でありながら観る者に想像・解釈の余地を残す。静謐な叙情の中、殆どの絵に焦点が存在する。グレーの中の赤だったり、飛翔する鳥の姿だったり…(号単価平均6万 / 写真:悳氏から頂いた水彩の色紙)。
塚越作品の、くっきりした小舟の輪郭と、揺らめく川面の描き方に吸い込まれる(号単価平均10万)。
鈴木作品は仁王立ちする満開の桜の大樹。絵具が盛り上がるほど塗りこまれた重厚なテクスチャー。
紫外線を感じさせるような独特な空の青紫は、水槽の中に油絵具を溶かし、浮いているのをキャンバスですくい取り定着させる技法による(号単価平均6万)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます