ヴァイオリンのお化けか?弦は太いし、それを止めるピンも、積み木みたいにズドン、ズドン…と豪快にネックにぶち込まれている。
新作の弦楽四重奏曲のチェロのパートを確認しようと、親しくしている人に楽器を貸与してもらった。チェロを想定してヴァイオリンで一応確認してはいるものの、本当に大丈夫か、まだ心配だったから。
果たして左手のピッチカートが不可能だった。ヴァイオリンでは左手のピッチカートは半音だと指と指の間隔が狭すぎて弦に指が引っかからず、しっかりした音が出ないので全音にしたところ、同じモチーフなのでチェロも同じ形にしたら、こちらは指の間隔が開きすぎ、ほぼ限界まで伸ばした状態で、かきむしる動作などとても出来ない。チェロだけ半音にするしかない。するとビオラも心配になり、再度自分のヴァイオリンでビオラを想定しながら指の開きを確認し、半音と全音を混ぜた形に直した。
また、高いポジションでは楽々弾けた速いフレーズも、ポジションが低くなるにつれ、指の間隔が見る見る開き、素早く弾くことなど不可能なばかりか、指が届かなかったりさえした。チェロは、低いポジションでは全音が指2本分もの開きになるのだ。最も低いポジションで可能な音型に、全体を直した。
さらに、跳躍する速い音型は、和音としても弾ける指の形になっていなければならないのだが、そうなっていない箇所もあり、音を変えた。
和音の音程が、指の置き方により必然的に僅かに狂ってしまうものもあった。僅かに狂う位ならいっそのこと、指に無理のない形できちっと取れる音に半音ずらす事にした。却ってそちらの方が良い和音になった。
ダイナミクスも変更した。極めて高いポジションは鳴り方が悪い。意図する響きよりやや強めの指定にしないと、他のパートに埋もれてしまうと思った。
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2 コメント
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- 時々ブログを拝読させていただいております。 作... (Amicizia)
- 2007-04-15 18:56:21
- 時々ブログを拝読させていただいております。 作曲家というのは(作曲というのは)、ピアノなりの机上の作業だけではなく、個々の楽器(特に弦)の楽器としての特性や(演奏しにくさ)の確認、なぞ必要なのですか?チャイコフスキーなどの古今の作曲家も弦楽器はそれなりに扱えたのでしょうか?
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- Amiciziaさん、コメントありがとうございます。 (I)
- 2007-04-15 21:50:51
- 興味深いテーマですので、次回のブログにてお答えします。
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