4カ月ほど前から、ギターとマリンバのための《ブラウン×2 運動》をマリンバ協奏曲にしていた。原曲の初演後、入念な改訂を施したのはこのためだ。
民俗楽器であるマリンバの響きは本質的に、西洋楽器による洗練されたオーケストラとは溶け合わない。だからこそオケと対峙する協奏曲のソロとして、適する。
一方、どうしてもオケと殺し合ってしまう場面ではマリンバのパートを削除し、オケのみにした。
現代、新たなオーケストラ作品の位置付けは、作曲の最先端と言うより、時代の遺産に正面から対峙するという意義が強い。
最先端の響きやコンセプトを試みるには、むしろ室内楽や小編成のオケの方がずっと適している。
しかしその限定的な意味に於いて、オーケストラは僕にとって依然魅力的であり、世界のどこかでオーケストラ作品の新作募集が無いか、時々チェックしている。
この協奏曲もコンペに出すつもりでいた。〆切が迫って来た先月、改めて要項を確認しようとサイトを開けば、何と要項は削除され、「残念ながら財政難によりコンペは中止」との事!
折角完成目前まで漕ぎ着けたので、もうひと踏ん張りし、とりあえずざっと完成させた。
原曲を初演して下さった會田氏が興味を示して下さり、スコアとPC音源をお送りする事になった。そのお蔭で、コンペの中止によって萎えた心に再び火が付き、完成させる事が出来たのだ。
♫ 試聴 [2023年改訂版] | ▶YouTube 💿CD
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