イヌマキは関東以西の海岸に近い山地や、四国、九州、沖縄にかけて分布し、台湾、中国にまで分布域を広げている木とか。
植物で「イヌ」というと「もとの種と比較して劣る」という意味でつけられたものですが、「イヌマキ」自体を「マキ」と呼ぶこともあって、ではホンモノの木は何でしょうか?
これがよくわかっていないようです。昔はスギをマキと言ったとか。コウヤマキがホンモノのマキだとか、いろんな説があるようです。
イヌマキの変種で葉の幅や長さが半分ほどの中国から来たとされているラカンマキも、「イヌマキ」と同様に扱われているとか。
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イヌマキ材は、緻密で耐水性に優れ、シロアリに強くて耐朽性があるため、風呂桶や沖縄では建築材として重用されているとか。また庭木としても成長が遅く、一度形をつくるとそれが長く維持されるから優れた庭木に加えられています。
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ここ桜井市大西・市杵島神社(いちきしまじんじゃ)の本殿の横に聳えています。幹周り1.8m、高さ15mほど。雌株だと根元付近に実が落ちているのだが・・・無かったため雄株だろう。
常緑針葉樹で細長い葉は、扁平で幅が広いはずだが・・・。
あまり樹高が高いため、私のカメラではアップ出来ず、葉っぱがあまり分からないのです。
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市杵島神社(いちきしまじんじゃ)の本殿の横に聳えていました。
この神社は、「お綱祭り」のクシナダヒメ(女綱)が出発する神社として有名なのです。
毎年2月11日に行われる祭りで、初瀬川をはさんで、東方に素盞鳴神社、西方に市杵島神社が鎮座、素盞鳴尊と稲田姫命の結婚式とされ、江包から雄綱(男綱)大西から雌綱(女綱)を運び寄り、神前でそれぞれの大注連縄を結合、「入船の儀式」を行うのです。
古来より、五穀豊穣を祈る神事とされています。
そんな神事をこの「イヌマキ」は、じっと眺めてきたのです。
イヌマキでこんな大きいのは見たことがありません。