ながれやま栞 お話グループ中央 

子どもが好き、絵本が好き、おはなしが好き。そんな仲間たちの活動の様子を、折にふれてお知らせします。

今日はお出かけ講習会でした

2025-01-30 | 勉強会
お話グループ中央では、
スキルアップやモチベーションアップのために、
毎年度、外部から講師をお招きして講習会を開いているのですが、
今年度は、Sさんが企画して下さって、
東京子ども図書館にお出かけすることになりました。
お話グループ森からも、3名の仲間が参加してくれましたよ。

朝9時、Sさんの後について、
かるがものヒナのごとくゾロゾロと
南流山駅発のTXに乗り込み、
新御徒町と都庁前であたふた乗り換え……

TXも都営大江戸線も結構混雑していましたが、
誰も迷子になることなく、無事、新江古田駅に到着~。

快晴であたたかかったので、
駅から図書館への道のりも、お散歩気分でした。

東京子ども図書館の建物は、
レンガの壁にバラの絡まる素敵な外観でした。
内部もあたたかみのある落ち着いた内装です。

到着すると、スタッフの方々があたたかく迎えて下さり、
まずは大きなスクリーンで図書館の紹介映像を拝見しました。

次に、暖炉のある、秘密の隠れ家的な小部屋に移動して、
お待ちかねのおはなし会です。

・おばあさんとブタ(イギリスの昔話)
・ゆきんこ(ロシアの昔話)
・梅の木村のおならじいさん(松岡享子作)

三人のスタッフの方々が交替で語って下さったのですが、
お三方とも、物語の雰囲気にぴったりな、
本当に素晴らしい語りでした。

すっかり子どもにかえった元子どもの私たちは、
繰り返しの楽しい『おばあさんとブタの』でクスクス笑い、
『ゆきんこ』でしんみりとしたもの悲しさを味わい、
『梅の木村のおならじいさん』で笑い転げ、
たいへん充実した30分を過ごしました。

続いて、素晴らしい資料室を見学させて頂きましたよ。
世界と日本の貴重な昔話集がずらりと並んだ棚があったり、
内外の名作児童文学をぎっしり収めた書架がいくつも並んでいたり
さらにカーネギーやニューベリーなど児童文学賞受賞作の原書まで揃っていたり。

でも、お気に入りの作品を探したり目についた本を手に取ったりはできず、
するすると書架の前を通り過ぎてしまったので、
今日はこのままこの部屋に泊まらせてほしいと、切実に思いました。
(※残念ながら、そういうサービスはありません

その後、児童室に移動して、
子どもたちと本との幸せな出会いのために日々なされている、
スタッフの方々のたくさんの工夫やお働きについて、
司書さんからお話をうかがいました。

来館する子どもたちひとりひとりの人格と意志を尊重しながら、
文字通り子どもたちに寄り添って、
子どもたちと本との橋渡しをしておられることが、
とてもよく伝わってきました。

子どもにとって、こんな夢のような空間が存在したなんて……
この図書館の近くで子育てしたかった……
いや、今すぐ子どもに戻してもらって、この図書館の近くに住まわせてほしい……!
と、一同しみじみと思ったことでした。


最後にショップでお買い物をして、図書館の前で記念写真をパチリ。


このように大きな働きはできないとしても、
私たちも、おはなし会に来てくれる子どもたちのために、
私たちにできる小さな働きを、感謝して楽しみつつ頑張ろう!
と思えた一日でした。

対応して下さった東京子ども図書館の皆様、
企画して下さったSさん、

本当にありがとうございました!

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今日はハッピーメロディさんの講習会でした

2024-02-16 | 勉強会
おはなし会で子どもたちに大人気のパネルシアターについて知識を深め、
スキルアップを目指したい、私たち

そんなわけで、今年度お招きした講師は……
大学で教鞭をとられながら、
子どもたちに笑いと夢とわくわくを届けるパネルシアターの伝道師、
みんな大好き「ハッピーメロディー」のぴんくさんみどりさんです


「鼻水~」byぴんくさん

ちなみに、7年前にも栞の講習会の講師としてお越し頂いていて、
そのとき以来、我がグループ内にもファン多し

さて、この日はメンバーのT花さんが、
お嬢さんのEちゃん(4歳)とSちゃん(1歳)を連れて参加~。
そこで、ぴんくさんとみどりさんは、お得意のバルーンアートを皮切りに、
普段、幼稚園や保育園などで演じられているパネルシアター
「ひよこちゃん」や「雨ふり」などの演目を、
EちゃんSちゃんの反応を見ながら、時に語りかけながら、
次々と実演して下さいましたよ。


最初は完全に借りてきた猫状態で固まっていたEちゃんも、
お二方の楽しすぎる熱演に、
いつしか見知らぬ大人に囲まれていることなどすっかり忘れ、
目を輝かせ、指をさして笑い、クイズに答えたり、声をあげてつっこんだり、
大盛り上がりでした




う~ん、さすが!
我々では絶対こうはいきません!

T花さん親子が用事で中座した後も、実演は続き、
7年前には見なかった新作(?)や、
7年ぶりに見てもやっぱり笑っちゃう鉄板作品を、
大いに楽しませて頂きました。



そして今回はなんと、
パネルシアターのテキストまでご用意頂き、
パネルシアターにまつわるありとあらゆることを、
その誕生秘話(?)から始まって、とても詳しく講義して頂きました。

なんでも、お二方の大学の恩師でもありお寺の住職でもある古宇田亮順先生が、
かつてキリスト教の宣教師が使っていたフランネルグラフというものからヒントを得て
パネルシアターを考案され、1973年にPペーパーを使った今の形を完成させたのだそうです。
パネルシアターって、新しいようでいて、実は50年以上の歴史があるんですね

絵本の読み聞かせでは、
読み手はなるべく自分の気配を消すというか、目立たないように心がけますが、
パネルシアターでは、
パネルと絵人形だけでなく、
演じ手も含めた全体が「シアター」なのだとか。
だからパネル上の絵人形操作だけでは子どもたちに伝わらない、
あるいは伝わりにくそうなときは、
演じ手の動きや演技で補うことも大切なのだそうです。
なるほど~。
お二方のキレッキレの動きと弾ける演技は、そのためだったんですね!




あと、アイスブレイクとして、最初にわざと失敗してみせるのも手だそうです。
一回目、二回目の失敗では子どもたちが反応できないこともあるので、
三回繰り返すのがコツ
そうすると子どもたちも必ず笑ってくれるそうです。
逆に三回試して笑ってもらえない場合は、
そのネタは面白くないということなので、
やめた方が良いとのことでした

それから、子どもたちを惹きこむためには、流れが重要で、
例えば、最初に『トンネルぐるぐる』をもってくると、
子どもたちは、声は出さないながらも一緒に腕をぐるぐるまわしてくれるので、
そうやって気持ちがほぐれたところで、『雨降り』をもってくる。
そうすると、傘に隠れてるのは誰かな?とクイズを出しても、
子どもたちはどんどん答えてくれるのだそうです


さて、配布されたテキストは、ぴんくさんのイラストによる図解がいっぱい載っていて、
とっても分かりやすいのですが、
お二方は、さらにパネルと絵人形も駆使しながら、
絵人形の作り方やしかけについて、微に入り細を穿つ解説をして下さいましたよ。

絵人形を作る際には
必ず色を塗ってからポスカの黒で縁取りするとか、
糸止めのしかけは十分な遊びをもたせてゆるく止めるのが鉄則とか、
絵人形をパネルの上に二重三重に貼る場合は
上に貼る絵人形の裏にパネル布で裏打ちが必須とか、
絵人形がパネルの奥へ遠ざかっていくように見せるためには、
絵人形をはがすとひとまわり小さい絵人形が現れるように重ね貼りしておくとか、
糸引きのしかけでは、糸の先に適度な重さの厚紙の重りをつけておくとか、
ずらし貼り用の絵人形を作るときには
Pペーパーを絵の形に沿って切るのではなく
ずらし貼りの際手に引っかからない形に切るなどなど、
たくさんの有益な知識を授けて下さいました

(華麗な「ずらし」テク)


パネルシアターの書籍は売れないので
今はほとんど出版されなくなったとか、
Pペーパーは原料高騰のためか年々薄くなっている上に
ステルス値上げだけじゃ追いつかず
価格までもが上がっているとか、
Pペーパーが薄くなった結果たいへん風に弱くなり
夏場冬場はエアコンの風向に注意が必要とか……

切なさに涙が出ちゃう知識まで、

それはもう多岐にわたって、ご教示頂きました

続いての質問タイムでも、
遠慮を知らない我々の根掘り葉掘りの質問に対し、
お二方は惜しみなく答えて下さいましたよ


ところで、
とってもとっても今さらながらですね、
ワタクシ、気づいたんですけれどもね、
お二方のお手製の絵人形って、
我々が持っている市販の絵人形よりもね、
一まわりも二まわりも大きいんですよ
(え、そこ? 逆に7年前何見てたの?)というツッコミの声が聞こえる……

絵人形が大きいとですね、
持ち手で絵人形が隠れちゃう心配がないので、
非常に操作がしやすそうですし、
何よりも、パネルとの大きさのバランスが良くて、
とっても迫力があるんですよ!
見てる側への訴求力が違う!!

大きさって……
大きさって……
ものすごく重要なんですね

(ただなあ、Pペーパーの価格を考えるとなあ……泣)



それはともかく、

最後はバルーンアート『おさんぽぶたさん』のワークショップ。
ワークショップとはいっても、
お二方が予め全てのパーツを用意して下さっており、
我々のやったことといったら、
風船をポンプでふくらませて口をしばることと、
ブタさんのお目々になる丸いシールを黒く塗ることと、
全てのパーツの両面テープを剥がして、
それらを並べて、エイッと風船をくっつけ、さらにお目々シールを貼って、
最後に、これまた予めご用意頂いた、カラフルでお洒落な毛糸を、
風船の口に結びつける……
と、これだけ。

完成したぶたさんをおさんぽさせてみたのですが、
本当にトコトコ歩いてるみたいで、
とっても可愛かったです

たったこれだけでも、作ったぞ!という達成感があったので、
例えば、未就学の子どもたちには、目だけ書いてもらって、風船に貼りつけてもらうとか、
小学生なら、耳も貼りつけてもらって、毛糸も結んでもらうとか、
それだけでも、作ったぞ!と達成感を味わってもらえるかもしれませんね。


というわけで、

こんなに色々して頂いて、本当によろしいんでしょうか?
と、教えて頂いている我々が不安になるくらい(?)
超もりだくさんの、非常にためになる、それはもう楽しい楽しい講習会でした


ぴんくさん、みどりさん、本当に本当にありがとうございました
7年前よりもっともっとファンになりました
今日教えて頂いたこと、ぜひ今後の活動で活かしていきたいと思います。


一緒に受講して下さった、中央図書館はじめ他団体の皆さま、
おはなしグループ森の皆さま、
この講習会を企画運営して下さった運営委員さんにも、
心からの感謝を!

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ブックトークの勉強会

2022-03-14 | 勉強会
3月9日に生涯学習センターの広いお部屋を借りて、感染対策を行いながら今年もグループ内の勉強会を行いました。

講師は、昨年もお招きした東京子ども図書館で事務局長をされている清水千秋先生です。

昨年は幼児や小学生に読み聞かせを行う際の選書についてや、読み聞かせにおすすめの絵本をご紹介してくださりました。

今年はブックトークについての講演会でした。

小学校での読み聞かせを行っている私達にとって、ブックトークはとても興味がありました。

まずブックトークとは、どういうものなのかから始まり、清水先生が実際に小学中学年と高学年で行ったブックトークの
プログラムを実演してくださりました。



子供達の読書意欲に繋がる事を願って行うブックトーク。
読み聞かせとは違って、自らの話す力が必要となる技術です。
今回の勉強会を踏まえて、今後チャレンジしてみたいなぁと思いました。

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今日は講習会でした。

2018-09-18 | 勉強会
今日は、お話部会森と我らお話部会中央の合同講習会でした。
お招きした講師は……

じゃ~ん


紙芝居、手遊び、パネルシアターなどなど、多彩なパフォーマンスで子どもたちに大人気の
BUNちゃんこと、荒木文子先生です!

初めに、小さな子の喜ぶアンパンマンやディズニーなどの手遊びを習いました。
そして、いよいよ、みんな楽しみにしていた紙芝居講座です。
まず、小さな子向けの紙芝居「だるまさんがころんだ」「いちにのさっちゃん」
年長~小学生向けの「さらやしきのおきく」「おしょうがつの おきゃくさん」など


「BUNちゃん先生」の楽しく生き生きとした実演を楽しみました。
紙芝居ごとに、全く違った世界が目の前で展開され、しかもそれぞれが素晴らしいので、みんなもう夢中。
これが講習会であることをすっかり忘れ、子どもにかえって楽しみました。


さて、お楽しみの後は、お勉強の時間ですよ。
レジュメをもとに、紙芝居を演じる際の立ち位置(姿勢)や、
幕紙の使い方、紙芝居の抜き方、キャラクターの演じ分け方、
また(参加型紙芝居の)聞き手への呼びかけ方、などなどをレクチャーして頂きます。

そして、なんと!先生のご提案で、
講習会参加者メンバーが、実際にその場で、紙芝居に挑戦しました。

「コッコおばさんのうれしいおでんわ」「おにぎりおにぎり」「あたまにかきの木」
1作につき3人程度が立候補し、
キャラクターの演じ分け方や紙芝居の抜き方に気をつけながら、
ぶっつけ本番で紙芝居を読み、
先生から直接、具体的にどこをどうすれば良くなるか、指導して頂きました。

講習会の後は、先生とのランチ!
BUNちゃん先生の明るくて気のおけないお人柄に、
メンバーみんな喜んで質問しまくったり
先生のお話に笑い転げたり、
大変楽しい時を過ごしたのでした。

BUNちゃん先生、素晴らしい講習会をありがとうございました。
ぜひ、また講師としていらして下さいね。

今回の講習会は手配・準備・当日の運営・撮影・後片づけなどを、全てお話部会森が引き受けて下さったんです。
お話部会森の皆様、本当にありがとうございました。

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伊藤明美先生講演会

2017-09-08 | 勉強会


今日は講師をお招きしての勉強会がありましたよ。
すごい方にいらして頂きました。
なんと、元浦安市立図書館司書で、朝日新聞「子どもの本棚」の書評委員、
東京書籍中学国語教科書編集委員、ブックスタート絵本選定委員などを歴任され、
全国昔ばなし大学の講師もされている、伊藤明美先生です


最初に、浦安市立図書館の環境についてうかがったのですが、
なんと浦安市には「中学校区にひとつ」図書館ないし分館があるそうです。
しかも図書館業務についている全員が司書資格をお持ちだとか。
その上、赤ちゃんから小学生まで、子どもたちが切れ目なくおはなしに親しめるよう、
読み聞かせやストーリーテリングに力を入れていて、
年齢層別の多様なおはなし会が多数開催されているとのこと。
しかもなんと年間にのべ1000回、職員の方々が小学校へ出張して読みきかせをしているそうです。

図書館では、司書の方々が、おはなし会ではないフロアーワークの時間も大切にされていて、
来館した子どもたちと積極的に関わり、ごく普通に一緒に絵本を読んだり読み聞かせたりされているようで、
よく来館する子どもたちは司書さんのことを「●●さん」と名前で呼んでいる模様。
名前で呼んでもらえる関係になるって、すごいことだと思います。
出会った子どもたちとの交流エピソードを、ここには書ききれないほどうかがったのですが、
子どもたちと「子どもの本」に関わる図書館の方々の距離がいかに近いか、
また職員のみなさんがどれほど細やかに配慮されておられるかが察せられました。
なんでも、子どもの本やおはなし会に関わる職員の方々は、
皆さんが本格的に語りの勉強をしながら日々の業務をこなしていらっしゃるのだとか!
この恵まれた図書館環境は、税収の多いうらやまし……じゃなかった、
浦安市の潤沢な予算のおかげはもちろんでしょうけれど、
職員のみなさんの弛まぬご努力の賜物なのだな~と思いました。

また、子どもたちに読み聞かせやストーリーテリングを行う意義や心構えについてもおうかがいしました。
人間はお母さんのお腹にいるときからすでに「聴覚」があるので、
五感の中でも聴覚の働きはとても大きい役割を果たしているのだそうです。
わたしたちが生きていく上で「言葉」は欠かせないものですが、
子どもたちが言葉を取り入れて自分のものとしていくためには、
家庭だけでなく、色々なところで出会った本やおはなしを通して、
「耳」から入ってきた言葉を蓄えていってもらうことが、とてもとても大切なことなのだとか。
また、聴覚はもちろんですが、子どもたちの五感に働きかけをすることも重要だそうです。
たとえば伊藤先生は、「ちいさなかがくのとも」の「とんぼとんぼあかとんぼ」を読まれるときに、
子どもたち全員の指先に、お手製のとんぼをちょこんと止まらせてあげるそうで、
子どもたちはしんぼう強く待っていて、とんぼが自分の指にとまるととてもほっとして喜んでくれるそうです。
疑似体験とはいえ、とんぼが指先にとまったときの感触、とまってくれるまでの期待と緊張が入り混じった気持ち、
そして、とまったときの喜びなどを味わった直後に絵本を読んでもらったら、
絵本やとんぼに対する印象がどれだけ深まることか!
素敵だなあと感じ入りました。





<続く>

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