むさしの墨友会

現代書道の父、比田井天来先生の門流である桑原翆邦先生の門人の吉野大巨先生を師として、書を愛好する仲間の会です。

日本の繊細さ(拓本続き)

2013-03-10 | 書道

3月10日(土)花粉がたくさん飛んでいます。

辛い!目がかゆい!

土用の朝のお教室はいつもの順番です。

彩翆さんが終わり、東鶴さんが指導を受けています。

先生は立ちあがり、別室の倉庫へ・・・

大きめの茶封筒を出してきました。

その中の一枚を広げました。

字体の大きな拓本です。

 

 

彩翆さんも東鶴さんも私も“おぅ~”と言って声をあげました。

ここから先生のご説明が始まりました。

「これは中国で採った拓本です・・・」

 

 

「きっと、タンポなどでは無く、ロ―ラ―などで採ったものでしょう」

「字が不鮮明で、中白も墨が入っています」

そして、もう一枚を開きました。

 

 

いろいろとご説明がありました・・・。

長野のなんとか寺?比田井天来先生の・・・?山の上・・・?

よく把握していませんでした。

そこの石碑の拓本です。

鮮明に浮き出ているように見えます。

 

 

実に丁寧な仕事をしています。

鑑定団ではありませんが、「いい仕事していますねぇ~」です。

 

 

裏面を触らさせていただきました。

凹凸がありシッカリと採っているのが分かります。

「へぇ~」です。

一同ため息!

 

 

先生は更に、もう一枚を開きました。

唸ります。

なるほど・・・。

 

 

石に彫る方も凄いと思いますが、簡単そうに見える拓本採りも大したものです。

丁寧に時間をかけてシッカリと採って行く。

これが日本人が成せる繊細さなのでしょう。

 

 

見て下さいよぅ~

雅印も鮮明です。

準備は大変な仕事だとも言っていました。

石碑をきれいに汚れを取り、薄いノリ状のものを塗って、画箋を張り・・・

丁寧に細かく採っていく。

湿拓です。

凄い!

短い時間に、いろいろとご説明いただきました。

歴の浅い私にとっては、意味不明の部分もありご説明できないのも残念です。

 

 

家に帰ると、内田藍亭先生からの便がありました。

開けてみると、藍亭先生が採られた拓本です。

先日ご紹介したのでいただけるとか・・・。

ありがたく頂戴いたします。

 

 

いただいた拓本を見ると、お名前や雅印を押すところは枠抜きのようになっています。

採る前から、全体のバランスや雅印を押す部分を決めているのでしょうね。

もちろん、裏面を触っても凹凸を感じます。

この続き(拓本)は、現場での採取状況ですかね?

 

( 萬 鶴)