映画と自然主義 労働者は奴隷ではない.生産者でない者は、全て泥棒と思え

自身の、先入観に囚われてはならない
社会の、既成概念に囚われてはならない
周りの言うことに、惑わされてはならない

女ともだち - LE AMICHE - (ミケランジェロ・アントニオーニ イタリア)

2012年12月04日 22時58分28秒 | ミケランジェロ・アントニオーニ
女ともだち - LE AMICHE - (1956年 イタリア)

監督  ミケランジェロ・アントニオーニ Michelangelo Antonioni
脚本  スーゾ・チェッキ・ダミーコ
    アルバ・デ・セスペデス
撮影  ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
音楽  ジョヴァンニ・フスコ

出演
    エレオノラ・ロッシ=ドラゴ
    イヴォンヌ・フルノー
    ヴァレンティナ・コルテーゼ
    マドレーヌ・フィッシャー
    ガブリエル・フェルゼッティ
    フランコ・ファブリッツィ


恋愛と仕事(この場合は恋愛も結婚も同じこと)
クレリア
彼女は洋服店を任されている.仕事のできる女性、真面目に仕事をする女性.
恋愛は、カルロの方で触れましょう.
ロゼッタ
良家のお嬢さんで、仕事はしたことがない.自殺未遂の彼女を救おうとクレリアは、彼女にお店に勤めるように勧めたけれど、
彼女は遅刻、無断欠勤で勤まらなかった.
彼女は画家のロレンツォと不倫の関係で、男と一緒にいたくて、仕事を欠勤する.不倫が不真面目な恋愛と言うつもりはないけれど、彼女の場合は単に好きな男と一緒にいたいだけ、誰でもSEXばかりしていて暮らして行ければ苦労はしない、彼女の恋愛は男の負担になるだけの、不真面目な恋愛と言える.
設計者のチェーザレ
クレリアが工事中のお店に初めて来て、現場監督に聞いたら、誰の事か分からなかった.工事をしている者どうしで「チェーザレ?」「金髪の男さ」、こんなやり取りをしている.お店の工事が遅れているのに、いい加減な返事ばかりで、仕事に不真面目な男.
他方、彼の恋愛も、女の片っ端から口説きまくる.不真面目もいいところ.
助手のカルロ
彼は、設計者とは反対に、真面目に仕事をこなす男だった.彼の真面目に仕事を行う姿に接して、クレリアはカルロを好きになったのね.そして、その恋愛も、真面目なものだった、真剣なものだったと言って良いでしょう.
ネネ
彼女の絵は認められて、ニューヨークで個展を開くことになった.彼女は仕事のできる女性.そして、彼女は浮気をした夫を許し、個展をあきらめ、夫と一緒に暮らす道を選んだ.恋愛も真面目なものだったと言える.
ロレンツォ
妻のネネとは逆、絵が売れなくて、妻をひがむようになり、浮気の道に走る.仕事ができなければ、恋愛も不真面目とは言えないものだった.モミーナ
富豪の男と結婚して、夫とは別居暮らし.浮気ばかりしてるようだけど、当然のように仕事とは無縁な女.
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まとめれば、仕事に真面目な人は恋愛も真面目.仕事に不真面目な人は恋愛も不真面目だった.これは男も女も同じに描かれている.ここまでは映画を観るだけで分かることであり、さて、ここから何を導き出すかは、観て感じた心で考えること.全部は書かないで置きましょう.
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「愛の不毛」、この言葉は、日本公開に際して日本の配給会社の人間が言い出した言葉で、こんなことを言うのは日本だけのこと.この言葉、自分で説明できますか?.自分で説明できないということは分からないということ.自分で分からない言葉を用いては、結局は何も分からない.
分からない事柄を、分かる言葉で考えるからこそ、分からないことが分かってくるのね.


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