エステティシャンの皆様へ

連載シナリオ『黒電話』

９　正樹の家(正一の部屋)
　　正一、机に向い法律関係の問題集を解い
　　ている。
　♪ドアをノックする音
正樹「兄貴いいか？」
　　正一、ペンを走らせながら、
正一「ああ、いいぞ」
　　正樹、ドアを開け入って来る。
正樹「兄貴、ニューウェイって知ってるか？」
　　正一、引き続きペンを走らせながら、
正一「ああ、マルチだろ」
正樹「マルチ？」
　　正樹、パンフレットを机に置き
正樹「コレなんだけど」
　　正一、引き続きペンを走らせながら、
　　パンフレットを一瞥して、
正一「アメリカのマルチ商法企業、簡単にい
　えば、ネズミ講だな」
正樹「ネズミ講！・・なら違法かよ？」
正一「脱法だな、今の所グレーゾーンだけど、
　法律改正があれば違法になるかもな？」
正樹「友達が、儲かるって言ってんだけど？」
　　正一、ペンを止め、正樹の顔を見詰め、
正一「止めとけ、友達失くすぞ、それに、
　儲からないから」
正樹「そうだよな、そんな美味い話ないよな」
　　正樹、立ち去ろうとする。
　　正一、ペンを走らせながら、
正一「おい！」
　　正一、パンフレットを正樹に突き出す。
　　正樹、パンフレットを鷲摑みにし、
　　部屋を出て行く。