でした。今日、帰宅したら、天然石のビーズが到着していました。早速、中を見て、“これは思っていたよりいいではないか?”ということで、さっそく、作ってみました。
が、色が地味ーだったので、配色に悩みました。
でも、取りあえず作って、気に入らなければ、作り直せばいいことなので…。で結果は、まあまあ満足のレベル(自己満足ーっ!)。
気に入っているアクアマリンに、菩提樹、ラピスラズリ、ヒマラヤン・ムーンクオーツ、インド産翡翠を組み合わせました。これがどんなパワーを持つのか、よく分かりませんが、自己満足でいきたいと思います。
さて、明日は運営員会に午後から出席の予定で、しかも、今日になって、うちの地区担当二人が司会と記録で、しかも、ペットボトルと紙コップをメンバー分用意する担当だと連絡が来ました。しかも、もう一人の担当者は、午後から休んでいたし…。明日の午前中に、連絡を取って仕事分担とペットボトルなどの相談をせねば…。(怒られるかもしれないけれど。ああ、面倒くさい)
今月はいろいろ会議が目白押しで、気が滅入りそう。って言うか、もう逃げ出したい。
近頃、オレンジのスタッフにはパワーストーンを身につけるのがはやっていた。ナースたちのほとんどが手首にパワーストーンのブレスレットをはめていた。もちろん、仕事の邪魔にならないよう気を遣っているようなので、速水はあえて話題にしなかった。
しかし、男女問わず、研修医が手術前にブレスレットをはめたまま、手洗いをしようとしたのには、さすがに目が点になった。清潔が絶対条件の手術に対して、執刀医以下、直接患者に接する者たちは、全員が徹底した手洗いを行う。僅かな細菌すら患者の体内に持ち込まないよう細心の注意が図られなければならないのが、手術場なのだ。
なのに、研修医と来たら…。
あまり研修医を構おうとしない長谷川ですら、医局の壁にでかでかと『オレンジでの身だしなみ』として、『1.ネックレス、指輪、プレスレットなどの装飾品はすみやかにロッカーに入れる。2.長い髪は必ず、邪魔にならないようまとめておく。3.勝手に備品に触れない。使いたいときは、指導医に必ず断ること』と貼った。和泉に至っては、小姑のように研修医に文句?を言う有様。シニア・レジデントたちに、『今年の研修医は…』と言われるぐらい今年は不作揃いだった。
「と言うわけで、今年は駄作揃いなんだよ。お前の所はどうだ?」
「まあ。積極的だとは言えないぐらいじゃないかな。それでも、俺が研修医のときより頭いいよ」
「…行灯。自分と比べるなよ。お前はスペシャルなんだから…」
「そうだけど」
速水は極楽病棟のナースセンターで、大きく肩を落とした。そして、目の前に置かれた差し入れ?のおまんじゅうを一つ、ぽいっと口に入れた。
「これお供えか?」
「違う。師長さんの手作り」
「へぇ。相変わらず、ここは平和だな」
「…なんかあったのか? また、スタッフにストを匂わされたのか?」
速水が用もなく極楽病棟に来て、うだうだと田口に絡むのは今に始まったことじゃない。が、こうしてへたれるのはあまりなかった。
「違う。長谷川と和泉が泣きついてきた」
「…長谷川先生と和泉が?」(和泉が呼び捨てなのは、単に田口と同期だからだ)
「なんて?」
田口はまた速水が無理難題を二人に押しつけたのかと思った。
「研修医に装飾品は外せと指導したら、『これは装飾品ではありません。お守りです。パワーストーンって先生は知らないんですか?』って、鼻であしらわれて、怒り爆発だ。で、佐藤ちゃんが角を立てないよう間に入ったらしいが、らちがあかなくて、とうとう黒田と山下の麻酔科師弟コンビが『そんなのはめている限りオペ室に入るな。救急車到着の患者に触れるな』って言ったもんだから、研修医が大学にパワハラだと訴えた…」
「そりゃ、大変だな」
「だろ? なんか穏便に済ませる方法はないか?」
死にかけた患者の命をつなぎ止めるのは得意でも、速水は基本、世間にはまったく興味も理解も示さないから、どう対処すればいいのかも思いつかないらしい。
「で、何が騒ぎの原因になっているんだ? 指輪?」
「いや。手首にはめているやつ」
「…ブレスレットな。確かにお守りと言われれば、難しいよな」
うーん。と、田口も口どもる。双方を丸く収めるには、どうしたらいいか。うーん。と悩む。とそこに妙案が浮かんだ。
「速水、分かった。お守りなら、どこに付けていても構わないよな」
「ああ」
「だったら、足首につけたらどうだ? 手術室でも足は関係ないだろ?」
ぽんっと田口は手を叩いた。
「確かに、足なら…」
「だろ?」
「けど、足にしろって言っても、あいつらは納得するか?」
「させるんだよ。そのためには、トップのお前がまず実践する」
「…って、俺が足輪をするのか?」
「そうだよ。有言実行、これぞ速水晃一だ。でもって、俺がお前のを用意してやるから、ちょっと足の周りを測らせろ」
田口は速水の声を聞かずに、その辺にあった綴じ紐を速水の足首に巻き付けると、定規で長さを測った。
ひとり満足げに微笑むと、田口はまんじゅうを口に入れた。速水は取りあえず、この件については、田口に任せることにして、残りのまんじゅうを食べ終えると、オレンジへと戻って行った。
「と言う訳なので、藤原さん。よろしくお願いします」
「分かりました」
東城大学医学部付属病院、陰の最強タッグが動き始めた。
そして、救命救急センター部長の速水の足首に、大粒のブルームーンストーンのブレスレットもといアンクレットがはめられた。この速水の迅速な無言実行には、スタッフも驚いたが、そこは『ジェネラル・ルージュ』。
ムーンストーンのパワーが何か知らない田口と速水は、淡い色が目立たないと喜び、ムーンストーンが持つ石の力を知っている者たちは、『さすがジェネラル。田口先生への愛はそこまでか』と感心したのだった。
これには研修医たちも逆らえず、彼らの手首から早々にパワーストーンが消えて、足で見られるようになったとか。相変わらず、お騒がせなオレンジ新棟である。
。三連休にもかかわらず、朝の冷え込みに負けて、風邪をひきました。一昨日から、喉は痛いし、鼻水はねっとり膿み状だし…、気分は悪いし、食欲ないし、ついでにやる気も。
でもって、さすがにこれはやばいと、内科に行って、いつもの薬を処方して貰いました。それで、今日は少しだけ体調は復活ぎみですが…、やっぱりきつい。
なので、すっかり片隅に起きっぱなしだった天然石のビーズ・ブレスレットをはめてみました。仕事運と健康運のアップ?だったか? まあ、石のパワーに期待です。
さらに、珍しい天然石のビーズをいくつかネットで注文してみました。自分でもブレスレットが作れるようなので、トライしてみようかと思って…。
それにしても、いろいろな天然石の特徴などを見ているだけで、面白かったです。私はムーンストーンとアクアマリンが好きなんですが、それなりのお値段がしたので、手頃な価格のものをいくつかチョイスしました。でも、こんな効果がありますよと書いてあるのが、結構、当てはまらずに、「うーん」と悩みましたが、「好きな石は好きだし、これも縁だよね」と勝手な解釈で選びました。
ブレスレットにするにも、30個ぐらいのビーズが必要なので、アウトレットやセール品からちょいまとめ買いをしたりしてみました。
届くのが楽しみなのは、K2で採れた水晶です。K2は世界第2だっけ?の標高を誇り、しかもエベレストより登頂が難しいと言われている山です。一度だけ、偶然にも飛行機から見たことがあります。その荘厳さに、ただ息をのむばかりでした。なので、今回、とても楽しみです。
もう一つ楽しみにしているのは、ラピスラズリと菩提樹のビーズです。菩提樹は大好きに木ですが、日本ではほとんど見たことがありません。ドイツなどではよく見かけますが…。でも、大好きな木です。巨大化する木なので植えることはできないと思っていたので、嬉しいです。
近頃、いろいろなものをネットで買っているので、ちょっと自重しなくてはと反省です。
何を思ったのか。モルフォ蝶の標本を購入しました。もともと蝶は好きなんですが、実家に小さい頃、叔父から貰った蝶の標本を置いたままにしていて、管理がずさんだったため、悲惨な状態になってしまいました。
で、動く蝶の素材がないかなぁとネットの海を徘徊していたら、モルフォ蝶の標本に出会って…。迷ったあげく、購入することにしました。色よりも大きさを優先したら、おもったより大きいです。しかも、綺麗。
満足。満足。です。Amazonで送料が1000円かかりました。でも、困ったのは5年に一度、ケースの蓋を開けて防虫剤を交換しないといけないことです。
ふた。ぴったりしていて、どうやって開ければいいんでしょう。うーん。でも、ナフタリンを交換しないと、大変なことになるし…。
制作してくれた明和昆虫博物館に聞いてみようかと思っています。
「ああ」
速水が呼び止められ、小さい手から託されたのは、カボチャ型の小物入れだ。オレンジ2階には手術室に行く1階の『救命救急センター』の医師たちがよく歩いている。普段から、子どもたちに声を掛けられることが多い彼らだったが、近頃は大きいのからちっちゃいのまで、通るたび呼び止められて、カボチャ型の小物入れを渡される。
どうやら、子どもたちの中で、カボチャ型の小物入れに願い事を書いて入れて、1階の医師に渡すと叶うらしい。という、噂が広がっているようだ。
和泉などは預かったメモの、あまりにあまりな願い事に、呆れたり、唸ったりするのもしばしばだった。速水は緊急手術に向かう忙しいときに…と、思うことも多かったが、日頃からイベントなどで2階との交流が多いため、邪険にあしらうことはなかった。
もちろん、速水晃一こと、『救命救急センター部長』も??を顔に浮かべながら、手渡されたカボチャを手にして、部長室に戻った。何気なくデスクにぽいっと置こうとして、彼はうんざりした。机上にはすでに、たくさんのカボチャが並んでいる。お気に入りのドクターヘリ模型の横にも、大小いくつものカボチャがあった。いつの間にか、殺風景な部屋がすっかりハロウィーン仕様になっていた。
「それにしても、なんでカボチャなんだ? しかも、お願い手紙入りだし、わかんねぇー」
とぼやきつつ、速水は机におけなくなったカボチャたちを応接テーブルに並べた。
そんなある日。オレンジ一階に様々な機材を納品している医療機器メーカーの営業マンがやって来た。そろそろ来年度の備品計画を立てる時期なので、来春新発売になる医療器具のカタログを、速水に届けに来たのだ。
「もうすぐハロウィーンですね。院内のあちこちにジャック・ザ・ラタンが飾ってありました」
「ああ。特に2階は凄いぞ。カボチャだらけだ。しかも、通るたびに、チビどもからお願いってカボチャを渡されるから、この有様だ。ハロウィーンのあとはクリスマスだぞ。いい加減にしW欲しいと思わないか?」
速水はカボチャの一つを指ではじきながら、笑った。
「大人はそうかもしれませんが、子どもは長い入院で退屈でしょうから、小児科ではいろいろな工夫をされているのでしょう」
「まあな。2階が何をしようが関係ないはずなんだが、なぜかこっちも駆り出されるから大変なんだ。ところで、ハロウィーンでお願い事ってあるのか?」
速水はちょっと気になっていたことを、世間に詳しそうな営業マンに尋ねた。
「…それは、あまり聞きませんが」
「だよな。なのに、なんでチビどもは一階の俺たちにだけ、このカボチャを渡すんだ…」
速水は首を捻りつつ、子どもたちのお願いメモを広げて見せた。
早く元気になれますように。
お父さんが会いに来てくれますように。
ケーキをいっぱい食べたい。
……。
短いが、彼らにとって大切な願いごとが書いてあった。
「あいつら、クリスマスと勘違いしていないか?」
速水は苦笑した。だが、速水も勘違いしている。願いごとをするのは七夕であって、クリスマスのお願いは『欲しい物』をサンタさんに頼むのだ。
「……おばけが出ませんように、って可愛いですね」
「ああ。それは多分、一日限定のお化け屋敷のことだろう」
「この『ななちゃんに会いたい』というのは切ないですね」
多くの病院を回る営業マンでも、転院した友達か。退院した友達に会いたいのだと思うと辛くなるのは、小児科の現状をよく知っているからだ。
「…ななちゃん。そんな子、2階にいたか?」
2階の子どもたちのことをよく知っている速水は、首を捻りつつ、ななという名前を何度が繰り返した。そして、
「…ああ。ななは桜もちに入院している子象の名前だ。先月の動物愛護デーのイベントでうちに遊びに来て…。チビどもはめちゃくちゃ大騒ぎで、行灯の奴が半泣きになっていたっけ」
「…ゾウですか…」
突然のゾウ登場に、速水の信頼厚い彼が絶句した。それにしても、『菜々』という紛らわしい名前を動物につけるものだ。男女だけでなく、人か動物かの区別も難しくなっていると、彼は思った。(それは多分、オレンジと桜もち限定だと思う 田口談)
「菜々。可愛かったぞ。まだ小さいから、歩いていて鼻を踏みそうになったりしてな。生まれつき心臓が悪いのに、廊下をチビどもと一緒に走って、どっちの看護師も真っ青になって追いかけていた。何にしても、子どもは一緒だな。
菜々に会いたいのなら、桜もちと交渉してみるか。せっかくなら、牛や馬や羊なんかも連れて来たらいいかもな。もともと、あそこには珍しい生き物がいろいろいるからハロウィーンにはぴったりだと思わないか」
ひとりで納得する速水だったが、ゾウと羊と牛と馬は、ほとんどハロウィーンは関係ないのではと指摘できないのが、速水が速水である所以だったりする。どうやら、彼の中ではカボチャと動物たちがいれば、ハロウィーンらしい…。と、優秀な営業マンは頭の中にメモした。
ちなみに、ハロウィーンに関係する生き物は、魔女にカボチャにコウモリに狼男?にフランケンシュタイン?などである。
そして、子どもたちが勘違いした理由は、これまたハロウィーンがよく分かっていない田口が、“神様だけでなく、悪魔だって悪い奴ばかりじゃないと思うから、しっかり心を込めてお願いをしたら、かなえてくれると思うけどな”と言ったことだったりする。
この後、勘違い野郎の田口と速水のせいで、子どもたちは大喜びだが、病院はとんでもないことになってしまうとは、誰も予想できなかった。