ワイルドフェルホールの住人と
聞いてピンと来るでしょう!
シーズン2のクリスマススペシャルで
メアリーがクイズをジェスチャーして、
イザベルが正解します。
シャーロットや、エミリーの
作品は読んだ事が、ありますが
アンの作品は初めて読みました。
ちなみ私は嵐が丘より
ジェイン エアの
方が好きです。
この作品は、嵐が丘や、
ジェイン エアの
ような、
衝撃的なシーンはありません。
しかしアンは、姉妹の中で
一番現実的で、ワイルドフェルホール
も今の小説や、映画やドラマに
一番近く感じます。
ちょっとあらすじを…
少々ネタバレですが…
ワイルドフェルホールという古い屋敷に
ヘレン グレアムと、息子のアーサーが
引越してきます。
旦那さんがいないので、近くの住人は
良からぬ噂を立てます。
ギルバート マーカムは、未亡人の
ヘレンに恋をします。
しかしヘレンは、偽名を使っていて、
未亡人ではありません。
ギルバートに、ヘレンは、過去を
知ってもらうために、若い時書いた
日記を渡します。
ヘレンは、叔父様、叔母様に育てられ、
反対を押し切り、ほぼ一目惚れの
イケメン、アーサー ハンディトンと
若い時に結婚します。
結婚して、旦那が、こういう旦那は
勘弁して!というリストがあったら
それを全部やってしまうダメ男と
分かります。
そのダメっぷりが完璧すぎる…
しかし、この時代の女性は
耐える!とにかく辛抱強い!
ヘレンが信仰心が強く、
絵に描いたような
良い人なんです。
この時代イギリスでは、
女性が浮気したら、
離婚できるけど
男性が浮気しても離婚は出来ない
と法で決まっていたり、
人前で字を書いたり、1人で
散歩する女性に嫌悪感を抱いたり、
女性に凄く不利な状況や
偏見がありました。
感情を出したりするのも
良くなかったのでしょう。
しかしヘレンは息子アーサーの
ために家を出る事にします。
その後旦那が体調が悪くなり
ヘレンは戻る事に…
この本は、みすず書房の
ブロンテ全集、9巻で
解説もついています。
とても素晴らしい本ですが、
今は入手困難らしいです。
実はブロンテ姉妹は、お兄さんが
いました。
兄、ブランウェルは、家庭教師先の
夫人といい関係になって、解雇され、
酒や、アヘンにはまり、
どうしようもないダメな奴で、
ヘレンの旦那は、兄の事を
書いたかもしれません。
アンが家庭教師で上流階級の生活を
見た経験も生かされています。
この作品は、アン ブロンテが
経験を元に本当に書きたい事を
忠実に書いています。
708ページとかなり厚いですが、
女性ならではの繊細な情景描写と
心理描写が秀逸で、今まで読んだ
ブロンテ姉妹作品の中で一番好きです。
追記…熱海市伊豆山の災害に遭遇した方
お住まいの方に心よりお見舞い申し上げます。実家に帰る時に必ず通る道です。