拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  勝虫(トンボ)よ、永遠なれ!

2014年03月30日 | ヨーロッパの風
 先日、ローザンヌの日本食堂での話。
 隣の席の4人家族の 親父さんが4,5歳の息子達に 箸の持ち方を指導している風景を見て 『あれ?・・・」と不思議な気持ちに襲われた。
 その親父さんは 英語を話す西洋人でありながら その様子があまりにも自然であることに 不自然を感じたのだ。

 最近、同様なことが 幾つも重なり 西洋社会の中で何かが起こっているのか!?・・・と思い始めている。

 先日、 カルト農場一家の話をしたが そのオリジナル・メンバーと言って間違いない夫婦とは 何度かカルト食堂で一緒に食事したりして だんだん
 親しくなり、 カルト農場でのパーティの後、彼らを我が家のアパートに招いて お茶をすることにした。

 その日はカルト・パーティで遅くなったので 双方、ほんの短時間『お茶』をするつもりであったのが、
 僕らが出したナップキンの絵柄を 旦那のステファンが『トンボ!』と発音したことで 我々の前にあった文化の壁が『ドット!』音を立てて崩れたのだ。

 これまで数回以上 ステファン&クローディアと他の夫婦で 一緒に食事をしたのに 日本人のボクに一言も『日本刀・オタク』であるとは言わなかった
 この男をボクは マジマジと見つめてしまった。
 と言うのは トンボはトンボでも 彼の知っているのは 日本の刀剣の知識から発せられた『言葉』だったのだ。
 ボクも知らない 『勝虫=トンボ』から来ていたのだ。・・・これ知っている人いた?

 トンボは 前へ前へと飛んで、決して後ろに下がらない、勇猛果敢で勝負強い虫として「勝虫」といわれ
 勝利を呼ぶ縁起のいい虫とされ、特に武士に好まれていた・・・・というのだ。

 だから、ボクは即 引っ越しの際 客が捨てるという 長短の二刀の刀(切れない、もちろん)を 見せたところ。
          
                居合もならっていた、というステファンが『目利き』する図

 博識な男・・・とは思っていたが 日本刀について 『鮫皮』だの『柄巻』だの『切先』だの 聞きなれない日本単語を飛び出しながら
 ボクの拾った偽日本刀が 案外上質の物であると目利きしてくれた。
 更に 火を使う鍛冶屋と陶芸の関係から 『備前焼』などに話が広がるあたりで、 ボクは腰が引けてしまった。

 日本の現状に 嘆き、伏せぎ込みがちなボクであるはずなのに なんだかボクが最近出会う 外国人達の間では 日本文化が以前にもまして
 浸透しているようなのだ・・・?。

 政治の面では ダメ日本であるが、 これまでの諸先輩が培った日本文化は 『トンボ』なのかもしれない。
 
 『食べて応援』とは 真逆な 真の応援として 外国人達は 日本文化を愛し始めている。

 我々日本人は それに応えるべく 悪政を一刻も早く改め 真に尊敬される国にしたいものだ。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿