逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

日本の首相(鳩山)の首を斬ったアメリカ(オバマ大統領)

2010年06月06日 | 政治
『とどめの一撃』普天間移設(新基地建設)

オバマ政権のブレーン外交問題評議会(CFR)のシーラ・スミス上級研究員は、『日本の首相が(引責)辞任しなければならないほど、日米関係が緊張することなど誰も望んでいなかった』と、鳩山由紀夫首相が米軍基地移設問題を理由に辞任したことに衝撃を受けている。
また『オバマ政権にとって鳩山政権の政策決定過程をフォローするのは困難だった』とも語った。
2009年9月の歴史的政変以来、連日続いていた検察リークのマスコミ金権疑惑報道のボデーブローがじわじわ効いて支持率低下が続いていたが、鳩山由紀夫民主党新政権の最後の『とどめ』は4日前のアメリカの民主党オバマ政権が行った5月28日の『普天間決着』で、政権の寿命がとうとう尽き6月2日の鳩山由紀夫首相辞任表明に至った。

『本当に国民は民主党の金権疑惑を怒っているのか?』

今回の民主党の金権疑惑問題は、今までの利権と汚職にまみれ腐敗した金権自民党のリクルート疑惑や佐川急便疑惑の時とは有権者の受け取り方は、一見似ている様でも内容が大きく違っている。
今回の小沢一郎金脈(政治資金収支報告書不実記載)や鳩山由紀夫巨額贈与事件(母親からの数億円の子供手当て?)は確かに政権中枢にある人物の資質の問題として批判されたこと自体は当然であるが、構造的な政権政党としての自民党の汚職体質とは同列には論じられないだろう。
何故なら、国家権力を私する自民党汚職体質は政権党の日本国を蝕む大問題であるが、今回の民主党の場合は職務権限の無い野党時代の話で、政治家個人の資質に関する話にすぎない。
政権党だった自民党の様な日本国家の大問題とはいえないのである。
半世紀の間政権を独占していた自民党の腐敗は下野以外には処方箋は無いが、民主党の場合の金権体質は、これから政権を担うに当たって修正する事は十分に可能なのである。

『企業団体献金の禁止』

鳩山民主党新政権の国民の信を無くした最大の問題点は、個々の政治家個人の政治献金の話ではない。
実は民主党公約である三年後の企業団体献金の禁止の実効性の無さなのである。
今の日本の政治が『個人献金』ではなく営利団体である大企業による違法な『企業献金』に頼って成り立っている限り政権腐敗の根は絶てない。
営利が目的の団体である株式会社が行う政治献金は(何も政治献金に限らないが)例え社長のお気に入りで有ったとしても、会社の利益に繋がらない無駄な支出を意識的に行えば特別背任罪(会社法960条、961条10年以下の懲役)は免れない。
特別背任罪は未遂であっても処罰される重罪です。(会社法962条5年以下の懲役)。
しかし政治献金が会社に何らかの利益をもたらすとすれば『政治』を金で買収する行為に他ならず賄賂罪(刑法197条~198条3年~5年以下の懲役)は免れない。
今日本では政治献金は利益の有る無しで『会社法違反』であるか『刑法違反』であるかの違いが生まれるだけで、何れにしろ違法な企業献金が何故摘発されることなく許されているのか。?不思議すぎる話だ。
検察や警察は、政治献金が企業に利益をもたらすか利益をもたらさないかの隙間のグレーゾーンであると考えているのであろうか。?
何となく罰則規定の無い出資法の上限金利29.2%と罰則のある利息制限法15%~20%(5年以下の懲役)の狭間のグレ-ゾーンの違法極まる高金利で大儲けしていたサラ金会社を思い出す話だが、現在はこの違法な払いすぎた『みなし金利』分は請求されれば利用者に返還しなければならなくなっている。
政治改革を主張するなら、消費者金融以上に大問題であるこの『政治献金』のグレーゾーンの撤廃こそが日本政治の浄化には絶対に避けて通れない。
『体に悪い』ことが分かっているのに吸い続ける愛煙家の『3年先の禁煙の約束』の実効性を信じる人はいない。
同じように『政治を腐敗させる』ことが分かっている企業団体献金の『3年先の禁止』の民主党『公約』の実効性を信じている人がどれだけいるだろうか。
今からでも少しも遅くない。
直ぐさま民主党政権は国会で企業団体献金禁止法案を可決するだけで、全ての問題は簡単に解決する。

『マスコミの官僚たたきと鳩山たたきの矛盾』

マスコミ、特に官庁の記者クラブそのものが官僚システムに100年もどっぷりつかった官僚記者を作っていて、鳩山由紀夫や小沢一郎金権疑惑問題とは、
検察庁のリークをそれと知っていて嬉々として記事にしていたことに尽きる。
メディアによる官僚たたきですが、
これは『官』に対する『政』の優位の確立(政治主導)が目的の一つであるとメディアでは説明しているのですが、それなら昨今のメディアによる鳩山首相たたきは目にあまる。
鳩山政治を叩いて、今までの自民党の決定(辺野古日米合意)を守ろうとしているキャリア官僚を助けている。
報道番組で出席者全員が口汚く罵声を浴びせてるのですが、確かに鳩山由紀夫が今までの自民党政治を変えようとして変えられないのは歯がゆくはあるが、いくら悪くても小泉のように断固として自分の非を認めなかったよりは100倍は善良である。
マスコミが大宣伝していた、ワシントン・ポストのコラムのloopyの意味は愚かでもクレージーでもなく『現実から奇妙に遊離してしまっている人』の意味で、それなら日本のマスコミの表現である『宇宙人』の英語訳だったらしい。
沖縄限定のローカルニュースだった普天間や辺野古は今や日本国の大問題中の大問題となっているが、その最大の功労者は辺野古移設に反対した共産党や社民党ではなく、皮肉にも鳩山由紀夫以外には考えられない。
自民党などが普天間がもともとの『自民党案』に戻ってしまった事を取り上げて民主党(鳩山)批判をしているが論理矛盾もはなはだしい。
自民党案で決着した事を大失敗であるかの様に主張して解散総選挙を要求しているが、衆議院解散の前に普天間返還を辺野古移設に摩り替えた自民党の責任は大きい。
自民党の今回の鳩山由紀夫批判が正しいなら、鳩山批判の前に自民党は国民全員に謝罪して党を解散することが筋というものだろう。

『何とも日本的だった鳩山由紀夫首相』

鳩山首相の『最後のとどめ』となった、アメリカ(日米の軍事外務官僚プラス防衛利権族)に押し切られた沖縄に新しい基地を建設するという誰もが飲む筈が無い普天間日米合意ですが、あの鳩山由紀夫のやり方では最初から駄目だった。
日本国内では一々口に出さないで、双方がお互いを思いやる『忖度』という日本人以外の外人には理解できない美しい伝統(制度)がある。
日本人同士だと『10』欲しいと思っても、相手を慮って半分の『5』ぐらいを口に出す。あるいは全く数字を言わないで『何となく』5~10を匂わせる。
これを聞いたほうも、相手をおもんばかって『5』にいくらか上乗せして双方が満足する結論に至る。
ところがこれが文化的背景が全く違う外国人相手では上手くいかない。
どうも国際基準では10欲しいと思った時は駄目で元々で最初は100ぐらいを吹っかけて徐々に双方が譲歩して5~10程度に落ち着くので双方が満足する。
米国留学の経験もあるのに日本の鳩山さんは困った事に、アメリカ人のオバマ大統領相手に日本人同士と勘違いして『5~10』を匂わせる程度で、具体的な要求を何もしなかったのです。
例え具体的に『10』要求したとしても相手のアメリカは国際基準で当然10分の1のゼロか1程度で決着し様と考える。
今回の我らが鳩山首相は日本人相手でもなかなか難しい自分の考えを言わず匂わせるだけの腹芸だったのでアメリカ人のオバマは当然、今回のようなゼロ回答は当たり前である。それが5月28日の日米普天間合意の真相でしょう。

『鳩山由紀夫が学んだ抑止力の意味』

沖縄の海兵隊の抑止力の意味ですが、自民党一の軍事通で、多分自民党以外でも国会議員一の軍事オタクである石破元防衛相ですが、この人は実に面白い人で時として、実にまっとうなことを言う。
軍事問題とは、田母神航空自衛隊幕僚長のアパの懸賞論文のような『自分が如何思うか』『他人がどう思うか』など自分が満足する『主観』には何の価値も無い。
その反対の自分の立場や考えに都合がいくら悪くても『事実は如何であるか』など客観的な科学的事実だけが唯一価値があるのです。
石破茂は自民党政治家なのに、時々は実に正確な客観的発言をするのですが、今回沖縄海兵隊の有事の抑止力の意味は、直接的な戦闘行為を意味しているのではなく、もしもの有事の際に在留米人救出、外国人保護、なのですが、これも座席に余裕があれば同盟国の日本人が優先的に乗せてくれる程度なのです。
これが日本国が大金と大事な自国領土を提供する見返りの『抑止力』の正体ですが、何となく当てにならないキャンセル待ちの優待券みたいな話で、到底独立国とは言えず属領か自治州程度の認識です。
今でも日本国は全面講和で第二次世界大戦を終結させ完全独立することなく、1951年占領国アメリカとの部分講和しか行わなかった不完全な独立の付けを未だに払わされているのでしょう。
沖縄の普天間基地も問題かもしれないが、それ以上に自国の首都が外国軍(アメリカ軍)の巨大基地に取り囲まれている日本国の現状が、部分講和以前(米軍占領下の日本)と同じ姿である事に何ら違和感を感じない心象風景が三流国の『植民地根性』『奴隷根性』丸出しである事に誰も気が付いていないことではないだろうか。

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10 コメント

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次の内閣に期待したい (伯爵)
2010-06-04 00:22:21
鳩山首相が辞任に追い込まれたのは、出来もしないのに『五月末までに普天間移設問題を決着』『最低でも県外、出来れば国外に移設』すると公言してしまったからです。 それで、鳩山氏は国民の信頼を失って「鳩山氏の下では選挙は闘えない」状態になった。 米国が直接に鳩山氏を追い詰めたわけではないです。

私個人は、結果的に、浮世離れした首相と利益誘導型政治家の幹事長が辞任して良かったと思っています。
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100吹っかけることは可能なのでしょうか (夢見)
2010-06-04 09:08:26
いつも楽しく読ませていただいています。本記事と伯爵さんのコメントのずれが興味深く筆を取りました。

私の友人の多くは伯爵さんの仰るように、「できもしないことを広言するな」と言っています。ただ、この記事の文言を借りると、本当に「できること」しか口に出してはいけないのなら、政治家は要求したい「10」のうちの「1」や「2」どころか、「0.1」レベルのことしか広言することはできません。

そこについて、ブログ主さんは逆に「100」吹っかけてこそ「10」を取ることができると仰っているように思えます(実は私もそう思っています)。ですがそれは「できもしないことを広言すると人気が下がる」という世論の傾向と真っ向から対立します。そのような世論の中、人気を落とさずに「100」吹っかけることは本当に可能なのでしょうか。ブログ主さんのご意見をお伺いできると幸甚に思います。
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鳩山由紀夫の自業自得ではあるが (逝きし世の面影)
2010-06-04 11:23:19
伯爵さん、コメント有難う御座います。

普天間返還ですが、あれは日本が『危険だから返還してください』と頼んだから実現したものではありません。
その逆で、アメリカのラムズフェルド国防長官が『世界一危険な基地』だと認めて返還すると明言したもので、自民党橋本内閣の手柄でもなんでもない。
このアメリカ軍の『危ないから』の理由ですが、これも日本人の生命を守る事が目的ではなく、将来大事故が起こった後では沖縄県の反基地感情は取り返しの付かない状態になり、
嘉手納空軍基地などより重要な米軍基地の返還になる危険性があるからですね。
そして沖縄の海兵隊ですが、元々海兵隊とは電撃戦を得意とする奇襲部隊なので陸軍のようなどこかに基地を構築して面の地域制圧、(抑止力)するような性格の部隊ではありません。
海軍は制海権を、空軍は制空権を握る事で目的なのですが、陸軍はこれ等海空軍と同じように陸を面として制圧する事を目的にしている。
これが抑止力の本当の意味ですが、日本付近の東アジアでは陸軍基地があり戦闘部隊が常駐しているのは韓国だけです。
日本にはそもそも抑止力を持っているアメリカの陸軍部隊は存在していないのです。
近頃論議されている『いわゆる抑止力』は核の傘(拡大抑止)と全く同じ意味で完璧な欺瞞です。
核兵器には『抑止力』としての何の意味も有りません。有るとすれば『恫喝力』ですね。

海兵隊は戦争の抑止が目的の部隊ではない。
その正反対の戦争の火付け役の殴り込み部隊の、世界の何処にでも場所を選ばない純粋な戦争屋集団です。
唯いくら戦争のプロ、人殺しのプロでも当たり前ですが年がら年中戦争をしているわけではない。
いくら戦争マシーンでも人間なので、平時や休暇の時は家族や友人たちと暮らしたい。
ですから海兵隊基地は沖縄以外は全て米国本土の西岸のカルフォルニアか東岸のバージニアに基地を持っている。
今回世界で唯一の海外の海兵隊基地である沖縄の第三遠征軍は一時的にはグアムに司令部を移して本拠を移転するが最終的にはアメリカ本土の海兵隊部隊に吸収合併する計画(米軍再編)ですが、
これでは膨大な今までの防衛利権が少なくなる。
これを嫌った日米の防衛利権族や軍事外交官僚が談合して決めたのが辺野古の意味不明のV字滑走路構想です。
辺野古の基地建設とは、意味が八つ場ダムと全く同じなのです。
関係あるのは膨大な防衛予算の確保(消費)だけであり、そもそも抑止力などは何にも関係していない。

そのへん事情を少しでも知っていればオバマアメリカ大統領が日本の事情を斟酌して忖度しくれる(普天間の無条件返還)しかないと鳩山由紀夫は思っていた。
意味の無い無駄な箱物の中止は、日米の防衛利権族にとっては大損失だが、日米両政府にとって大きな利益なのです。
だから何も言わずとも黙っていてもオバマは解っていると思っていた。
それが5月末決着の意味だったのですが、鳩山首相は直接にはオバマに何も言わなかったので。この日本流の腹芸には、当然な事にオバマが何も反応しなかった。
それが鳩山首相に最後の止めを刺すとまで理解できなかったのです。
倒閣など、こんな大事になるとは思っていなかったアメリカとしては今頃は慌てていると思いますよ。
今度の事で、アメリカ人も忖度という日本独特の相互の思いやり制度をもう少し勉強して欲しいものですね。
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夢見さん、はじめまして (逝きし世の面影)
2010-06-04 12:13:58
コメント有難う御座います。指摘されて改めて自分の記事を読み返してみると何処にも鳩山批判が書いてない。
ですから伯爵さんの様に『次の内閣に期待したい』『 私個人は、結果的に、浮世離れした首相と利益誘導型政治家の幹事長が辞任して良かったと思っています。』とわざわざ書いてもらったのですが、
民主党支持するか不支持かに関係なく、鳩山首相や小沢一郎幹事長が辞任して良かったと思っている人も次の内閣に期待している人も、どちらも今の日本人の絶対多数の良識的な普通の意見でしょう。
勿論私も日本人の一人なのでこの意見には全く同感なのですが、『みんなが書いている事は、出来る限り書かない』のがこのブログ記事の特色なのですね。
ブログで私より文章力が優れている人は沢山いるので、私が同じことを下手糞な表現力で記事に書くだけの値打ちが何処にも無いのです。
取り上げる対象は同じでも、誰も気が付いていない別な視点からの判断を行うことで、より正しい新しい考え方が見つかる可能性が生まれるかもしれません。
当方は大手企業が扱わない『隙間産業』のようなブログなのです。
ですから鳩山批判をひとことも書いてないからと言って『鳩山支持』であるとはならないのです。

皆さんの多くが鳩山民主党が新政権であるとか、09年9月が政変であるとか思っているから期待が大きい分、失望も大きい。
ところが私は民主党とは、今までの自民党がその時々の国民の不満に答えて党首(首相)の名前を変えていたが、
とうとう最後には旧社会党が支持者の批判にさらされて党名を社民党と変えたように、党名を自由民主党から『民主党』に変えたのだと解釈しています。
鳩山代表は自民党の主流派の名門で小沢一郎幹事長は元々自民党幹事長だったのです。
全く期待していなかった分、今の民主政権は実によくやっているとの評価ですね。
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日本独特の縮み志向 (逝きし世の面影)
2010-06-04 13:12:48
世界で一番文化的に近い国はお隣の韓国なのですが、
大きく違うところは、この日本人縮み志向と対照的なユーラシア大陸の人間である韓国人の拡大志向だと思うのです。
在日二世三世は日本で生まれ日本語を母語としていて朝鮮学校に学んだ人を除けば日本語しか喋れない人が殆どなのですが、それでも日本人とは考え方が大きく違い、知らないと文化摩擦を起こすようです。
顔も仕草も喋り方も同じですが在日は中身が外国人なので基本的に10欲しいと思ったときには100を主張するのですよ。
多くの日本人は善良なので人種差別をしたくないと考えているのですが、ここで大きな間違いを犯すのです。
相手(在日)を日本人と同じだと思うのですね。これが同じ外国人でも黒人とか白人なら見かけが日本人とは違っているので『文化が違うので、外国人には別の物差しがある』と最初から考えるのですが、10の処を100と言った在日には途惑うばかりで理解できないのです。
昔よく買いに行ったキムチの小さな売店の看板は『国際漬物販売所』だったのですが、縮み志向の日本人的な常識では到底考えられない感性です。
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日本の政治家の公約 (逝きし世の面影)
2010-06-04 15:30:39
外交と軍事では法螺やはったり、極秘機密はつき物ですが、時間が来れば必ず『歴史の審判』を受けるために公開しなければならない。
一定時間は極秘にしても、全ては公開する事が原則なのです。全ての事柄を公開して歴史の検証を受けなければならない。
『都合が悪い事柄』だからこそ公開が必要になってくるのですが、これば日本では日米核密約のように『無かったことにする』傾向が強い。
根本的な考え方の間違いですね。
国家でも個人でも同じですが、成功例よりも失敗例が、使い方しだいで何十倍も勉強になり役に立つからですね。
国家であれ個人であれ、歴史の検証を受けた間違いや失敗ほど素晴らしい財産は無いのです。
外交で相手国にはったりをかますのは良いとしても、
政治家の有権者に対する言葉ですが、これは少しの誇張も割引も無く限りなく真実と同じで無いといけないでしょう。
政治家(議員)とは独裁者ではなく単なる代議員であり投票してくれた人の代表(右総代)なのです。
そして政治経済は社会科学なので、政治家個人がどのように思うのような『主観』が問題なのではなく、科学なのですから検証可能な客観的な科学的事実だけが問題なのです。
今度の管新首相ですが、20年間の日本の失敗をはっきりと明言して財政再建を断言しているのですが、意味するところが消費税などの大衆課税(大企業の減税)であるなら、これからも同じ失敗を繰り返して同じ過ちを犯すでしょう。
20年ほど前に国の借金残高が100兆円を超えた時に非常事態であると財政均衡が叫ばれ自民党の財政再建策が今まで20年間も続けられたのです。
その結果が今の日本経済のデフレでの経済活動の縮小であり、800兆円の膨大の借金の増加だったのです。
唯一借金が減った(税制均衡が成功した)のは90年所等のバブル期だけの話で、それ以外は目的と結果が正反対になるのですが、それならこのやり方(消費税増税と大企業減税のセット)は間違っていた事になります。
何しろ日本国で20年間続けていた実績があるのです。これ以上に正しい話(今までの財政再建策は大間違い)は無いと思うのですが、今でも20年間も続けた間違いを続けようとする愚か者が大勢存在しています。
今の日本の不況の最大原因は消費不況であり、今までのような生産者側(供給)だけのサプライサイドの改革でどうにかなる話ではないどころか、リストラや賃金抑制で消費不況はますます悪くなる。
今までの正反対で無いとこの問題の解決はない。
マスコミ宣伝の正反対の消費税の廃止と資産課税しかないでしょう。
現行消費税廃止と基本税率20%の新消費税の創設
2009年08月01日 | 経済
家計から見る経済学
2009年01月30日 | 経済


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上には上が (Saito)
2010-06-04 16:34:19
普天間基地(国外)移設失敗で鳩山内閣崩壊と、ほとんど同時期にパレスチナ救援物資運搬船が公海上でイスラエル軍に襲撃され「虐殺事件」として国際的な大事件になっているのですよね。日本の場合は、アメリカー>日本の従属関係が関心を持って観察している人にはつくづく分かった次第ですが、この虐殺事件では、米政府のイスラエルに対するおよび腰にょって、さらにイスラエルー>アメリカという上下関係が鮮明に分かるようなことになっています。
副大統領のバイデンなどは、アメリカ人が頭に4発も喰らって殺されたというのに「だからどうだっての?」などとおっしゃっているそうです。
アメリカは戦勝国でスパーパワーですから、日本政府がびびるのも、情けないけどある程度分かる。しかし、イスラエルのアメリカに対する影響力は、すべて、アメリカからの膨大な援助金などを駆使して米政界に食い込んだ成果なのです。まさに「上には上が」の世界ですね。
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悪の枢軸アメリカ、イスラエル (逝きし世の面影)
2010-06-05 10:14:08
Saitoさん、コメント有難う御座います。

日本国内では20年も前に終わった冷戦時代の価値観のままで、頭の中の全ての時計が止まってしまって動いていない困った人が大勢いる。
鳩山由紀夫が学んだ『アメリカ海兵隊の抑止力』なんかは、その典型的な一症例です。
日本国内では冷戦時代どころか大東亜戦争時代で時間が止まって動かない多母神みたいな人物が大量破壊兵器を日々取り扱っていたのですから、決してイスラエルを他人事だとは到底思えない状態なのです。
冷戦思考といえばブッシュの悪の枢軸イラク、イラン、北朝鮮を日本のマスコミは冷戦の考えをそのまま延長して判断して納得してしまったのですが、これでは世界観が多母神と五十歩百歩で到底正常とはいえない。
今の世界中の一般市民に聞けば、一番危険な国は北朝鮮だと思っているのは日本人くらいですよ。
何と、38度戦で直接軍事対決している韓国人が一番危険だと思っているのは北朝鮮ではありません。
あっと驚く我が日本国なのです。
理由は簡単で、装備に金のかかる空海軍では国の経済力比と同程度に韓国が北を圧倒しているのですが、日本と韓国では矢張り経済力比どうりに日本の自衛隊が韓国軍を圧倒している。
今の世界の市民が思う、第一位の危険な国は断トツでイスラエルなのです。
そしてアメリカの外国への軍事援助の半数以上はイスラエル一国が建国以来独占してきたので周辺アラブ諸国との軍事力の差は大きく、イスラエルは国は小さいが断トツの抜きん出た地域軍事大国なのです。
日本人を除く、今現在の世界の市民が思っている真の悪の枢軸とはイスラエル、アメリカなのです。
そして日本はその悪の枢軸アメリカと軍事同盟を結んで軍事基地まで提供し思いやり予算で資金まで援助している。

アメリカとイスラエルの同盟ですが、イスラエルの金でアメリカの政界が動かされているとの考え方は事実の一部であるかも知れませんが『真実の姿』ではありません。
イスラエルは建国以来営々と戦争を行っているのですが、このような対外戦争と軍事偏重政策は莫大なお金と人手がかかり普通では行えない。
北朝鮮のように、普通は戦時体制化で半世紀も国家運営すれば国家が財政的に破綻してしまうのです。
イスラエルが何故破綻せず今でも中東に軍事大国として君臨できるかの謎は、全て経済超大国であるアメリカの経済的全面支援と膨大な軍事援助があったからなのです。
大量のアメリカからの援助資金がイスラエルに入り、その一部がアメリカ国内の政治家にも還流する構造は、日本の海外援助のODA資金の一部が途上国の援助国から日本の政治家にキックバックされる仕組みによく似ています。
ですからイスラエルの金でアメリカが動いているとみるよりも、アメリカの金でイスラエルが動いていると見るべきなのです。

それなら何故イスラエルをアメリカがそこまで援助するかの理由が当然生まれてくる。
ところが、これを政治や経済的社会科学的に合理的に説明する事は誰であれ無理なのです。
今のアメリカの国益にとって、もっとも重要な中東の国はイスラエルではなくエジプトとサウジアラビアなのですが、イスラエル支持でこれ等の国民の反米感情が危険な状態になっているのでエジプトやサウジアラビヤの親米政権も危機に見舞われることになる。
アメリカの行動に何時ものプラグマティズム的な合理的な理由で無いとしたら宗教的な目的だと考えないと、到底説明が付かないのです。

本当のイスラエル問題
2009年07月02日 | 宗教
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表現力 (農婦 )
2010-06-09 05:33:09
すみません。私はいきし世の面影さまのブログと晴耕雨読様風呂具を拝読させていただきながら勉強いたしてます。この世にこれほどすばらしいかたがたがいらっ者他と、感動のきわみの思いで降ります。頓珍漢の私にも理解できるのになぜ学問をなさられた多くのみなさん、肌で感じないのでしょうか。むしろ戦争を経験なさられた方々にしかりかいできないことなのでしょうか。自分さえ良ければ他人のことなど考えずとも良いと言う文化は日本の恥であったと想像してます。しかし私の亭主は「水は高いところから低いところへ流れる、自分に力がないのに人にかまう資格はない」と申しますが、私は、1960年代のような若者がいなくなってしまったことに不安を感じてます。弱いものの立場に立ちつつ、苦しみながら学生運動をなさられた皆様尊敬いたしてます。人の考え方はそれぞれでも、できの良い人も、できの悪い人もみな同じ人だと思います。アー。私は、この表現力がまるでないので、誤解を招くことが多々です。ブログ主様の文章力は文筆家なみですし、頭脳明晰、科学者なのか哲学者なのか、一休宗純様なのか、わたくしら庶民にも理解できてます。ありがとうございます
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知識や経験がいくら優れていても (逝きし世の面影)
2010-06-09 13:54:21
農婦さん、コメント有難う御座います。

今度の鳩山由紀夫首相ですが、歴代自民党首相に比べれば随分真面目であったと考えていますが、辺野古にしても『最低でも県外』といって一旦決まっていた辺野古の日米合意に最後まで抵抗していた。
辺野古の日米合意を当然であるとする、こんどの菅新首相発言何かより何十倍も良いと思うのですが、これが評判がよくない。
『痛かったら言って下さい』という歯科医がいますが、何となく鳩山首相の態度を思い出しますが『痛い』と国民が言えば中止してくれるのでしょうか。?如何もそのようには思えない。
あれは単に口で言うだけで中身が伴っていないのです。
しかし、ものは考えようで『痛かったら言って下さい』というだけでもマシだとも考えられる。
痛いのは当然であるとの態度の今度の菅新首相ですが、これでは間違いなく国民には『痛い』はずです。
何故『痛かったら・・・・』と口で言うだけの鳩山由紀夫には期待できないのに、
一言も言いもしない菅新総理大臣に期待できて支持率が高いのか。?
私にはその理由がさっぱり分からない。
大体ですね、大抵の食堂の店頭の見本のてんぷら饂飩のえびは実際に我々が食べる本物のえびよりも大きいのですよ。
見本の海老が小さければ、それ以上に小さい海老が出てくるのは菅新政権が始まる前から分かっているのです。
政治家の公約よりも実際の施政が各段にしみったれて貧弱なのは世界共通のことで、何も日本だけの特別な話ではない。
鳩山政権では消費税の増税は無いとはっきりと断定していた。ところが菅新政権はこれまでに消費税増税と市民負担を主張していた連中が閣僚にも党役員にも目白押し。
しかも菅新総理の消費税は上げないとは一言もいわないばかりか『消費税を含む抜本的な財政再建』と日本経済を20数年間停滞に導いた一番危険なキーワードである『財政再建』を最初に断言しているし10%の消費税増税の自民党との合意にさえ言及しているのです。
これでは最初から期待するほうがどうかしている。色々悪い内閣があったが、1度も『痛かったら・・・』といわない菅新総理大臣は日本国の経済を根本的に破壊する最悪の内閣になる可能性があるのです。
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