米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長(2019年12月11日撮影)
米軍、イラク撤退を「誤って」通達
イラク議会は前日、駐留米軍の撤退を要請する決議を可決していた。書簡はイラク駐留米軍の司令官ウィリアム・シーリー(William Seely)准将がイラクの合同作戦司令官に送付したもので、イラクと米国の国防当局者らはAFPに対し書簡の信ぴょう性を認めていた。
書簡では、米大使館がある首都バグダッドのグリーンゾーン内とその周辺をヘリコプターが飛行することになると通達。AFPは6日夜、バグダッド上空を低空飛行するヘリコプターの音を夜通し確認していた。
だがミリー氏は記者らに対し、送られた書簡は草稿であり、送付は「間違いだった」と言明。またマーク・エスパー(Mark Esper)米国防長官も、「イラク撤退の決定は一切下されていない」とし、「あの書簡は、われわれの現在の状況と相反している」と述べた。
(抜粋)
1月7日 AFP
1975年4月30日アメリカ傀儡政権大統領官邸にベトナム軍戦車が突入して長かったベトナム戦争もとうとう終了
ベトナム戦争終結(サイゴン陥落)で敗北したアメリカ傀儡政府関係者、米兵や軍属の家族などが沖合に停泊する米軍空母にヘリで逃亡する。(第二次世界大戦は攻撃兵器の主力として空母が大活躍したが、ベトナム戦争の空母は敗戦時の逃亡用兵器だった)
『歴史は繰り返す。1回目は悲劇として、2回目は喜劇として、』
アメリカ軍のヘリがイラクの首都のグリーンゾーン上空を低空で大量に飛び回っているという情報は確実らしいが、もしこれが米軍部隊が大規模撤退中だとすれば、1975年のサイゴン陥落(超大国アメリカのベトナム戦争敗北)に匹敵する歴史的大事件が(ソレイマニ司令官暗殺の騒ぎに隠れて)密かに進行中。★注、これこそ大ニュース中の大ニュースだった。
\(^o^)/オワタ
1月3日、中東の大国というかイスラム教シーア派の盟主であるイランの№2。イラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官を米軍がドローンを使って暗殺したことから世界中が大騒ぎになる。
サラエボでのオーストリア皇太子暗殺を引き金にした第一次世界大戦のような、第三次世界大戦勃発まで心配されていた。(ソレイマニ司令官暗殺で即座にイランの最高指導者ハメネイ師はアメリカ軍に対する復讐を宣言した)
『張作霖爆殺時の満州の関東軍と東京の日本軍参謀本部より酷い』 (^_^;)
1月5日にイラク議会がアメリカ軍の撤退を満場一致で決議したら(ただし少数派のクルド人やスンニ派議員は大部分欠席)、イラク駐留米軍司令官が『撤退を準備している』との公式書簡がをイラク政府に送付する。
ところが、翌日の1月6日には米軍制服組トップ(ペンタゴン)のマーク・ミリー統合参謀本部議長が、『米軍がイラク撤退を準備』とのイラク政府に通達した(ソレイマニ司令官を暗殺した現場である)アメリカ軍現地司令官の公式書簡が、『誤って送付された』と言い出したのですから無茶苦茶。(1928年(昭和3年)満州の関東軍が張作霖を暗殺した時の東京の参謀本部の大混乱以上の恥さらし)
完全に腰が引けているというか、やる気が完璧に無いというか、緊張感が丸ごと欠如して放心状態に陥っているというか。典型的な官僚の責任逃れというか。いずれが真実かは不明だが、何れにしろアメリカが第三次世界大戦を引き起こして勝てるような状態ではないことは確か。
★注、
1月7日のネットのトップニュースなので欧米マスメディアや日本のマスコミが如何報じるかと注目したが全国紙1月8日朝刊では完全無視かベタ記事。安倍晋三をまねて「なかったことにする」つもりらしい。(マスコミや有識者が脳死状態)
イランの初代最高指導者アヤトラ・ホメイニ師
アメリカは山本五十六やチェ・ゲバラやビンラディンを殺し、日本(関東軍)は張作霖を殺したが、・・・イラン(最高指導者のアヤトラ・ホメイニ師)のファトワー(イスラム法に基づいて発令される勧告、布告、見解、裁断)で殺された日本の五十嵐一。
★注、
1988年発表のサルマン・ラシュディのムハンマドを描いた小説「悪魔の詩」は作者だけではなく関係者全員に対して死刑のファトワーが出されていたが(理系出身の)筑波大学助教授の五十嵐一は「本来のイスラム教は寛容な宗教だ」と、無謀にもホメイニ師の死刑宣告を無視して日本語訳する。(ネギ嫌いの客の好みを無視、「これが正しい」と勝手にネギ山盛り饂飩を出す頑固な店主どころの話ではない)
『これでは幾ら命があっても足りない』
五十嵐 一(いがらし ひとし、1947年6月10日 - 1991年7月11日 )は、中東・イスラーム学者。東洋思想の大御所井筒俊彦の愛弟子。比較文学の学者で ある五十嵐雅子は妻。十数の言語の読み書きが出来、イスラム思想、数学や医学、 イスラム思想、数学や医学、ギリシア哲学などを研究していた。
イランのシーア派イスラム革命が起きた1979年(昭和54年)まで研究員としてイランに留学。イラン最高指導者のアヤトラ・ホメイニ師のファトワーで勤務する筑波大学で頸動脈を切断するイスラム式の処刑方法で殺されていた。(目立つエレベーターホールに遺体をさらすなど公開処刑のような有様だが、犯人は捕まらず殺人事件は時効になる)
「イスラムは本来、寛容な宗教だ」とファトワーを無視して殺された筑波大学助教授の五十嵐一とは違い、ソレイマニ暗殺で即座にイランの最高指導者ハメネイ師はアメリカ軍に対する復讐を宣言したのですから、(一番危険な立場の)イラク駐留米軍の司令官ウィリアム・シーリー准将が『駐留米軍の撤退』を口頭ではなくて、(明確に証拠が残る)書簡で明らかにしたのは、あまりにも当然な行為である。
同じく、比較的安全なアメリカのペンタゴンにいる米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が、「イラク駐留米軍がイラク撤退」を否定してみせるのもまた,あまりにも当然な成り行きである。誰でも命は一つしかないので無駄に死にたくない。
誰でも命は惜しい。
今回イラク駐留米軍のシーリー司令官にしろペンタゴンのマーク・ミリー統合参謀本部議長にしろ同じで、それ以外の選択肢は一切無かったのである。
(おまけ)
アサシン(Assassin)は暗殺者や暗殺団、刺客を意味し、語源はハシーシュ(大麻)やハサス(原理)など諸説あるが最も有力なのが暗殺教団である。イスラム教・シーア派の分派イスマーイール派(ニザール派)は、彼らと宗教的に対立していたセルジューク朝(トルコ)だけでなく、十字軍 に対しても秘密諜報員による暗殺を繰り返した。伝説の暗殺者、このアサシン教団の本拠地はイラン北部ともアフガニスタンだともいわれている。
また、7つの海を支配した大英帝国や世界最大最強の戦車隊(ソ連軍)に勝利したアフガニスタンの主要部族パシュトーンの掟では、復讐には時効はなく親から子へ、子から孫へと10代受け継がれ、一族の名誉を守る。恨みに報いるため母親が子供を育てて復讐するのが美談とされているらしい。
徴兵を恐れた若者が、選抜徴兵登録サイトに殺到、サイトがクラッシュ、はたまたFAFSA(連邦による大学奨学金サイト)に登録すると自動的に徴兵登録されると思いこんだ学生が、FAFSA登録を削除できないかとパニックを起こし、メディアがFAFSAと徴兵登録とは無関係だと否定する始末。
どっちにしたって、国民一人一人の健康状態からカネの流れまで、すべて国家が把握している状態で、例え選抜徴兵登録してなくても、徴兵される時はされる。
若者よ、誰しも戦場には行きたくない。私も子供を戦場に送りたくない。自己保身に走るのもわかる。だけど、そのエネルギーをアメリカを変えるために使うべきではないか。
アメリカ生活も長くなったが、アメリカ全体がこんなにビビっているのを見るのは初めてだ。
イランにとってのゲバラの消滅によってハメネイらも安堵したことだろう。