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2020年1月3日、米軍無人機にイラクの首都バグダッド国際空港で殺されたイラクのシーア派民兵組織「人民動員隊」(PMF)のアブ・マフディ・ムハンディス副司令官(左)とイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官(右)
鳩山由紀夫@hatoyamayukio
トランプ大統領の指示でイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官らが空爆で殺害された。イラク国内の米軍基地が攻撃されたことの報復だが、大統領候補とも言われる人を殺害されたイランの怒りは爆発寸前であろう。そもそもトランプが核合意を離脱宣言したことに端を発する緊張である。心からの冥福を祈る。
何度も書くけれども、これはビンラディンをパキスタン国内で暗殺したオバマ大統領も同じこと。大統領個人の問題というよりも、米国という国家自体の抱える闇である。
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2011年11月16日ビデオやツイッターでD・トランプ氏というまだ無名な億万長者は当時のオバマ大統領についてこう指摘した:「交渉能力も無い弱くて無能な大統領は大統領選の前に必ずイランを攻撃して戦争を仕掛ける。それしか彼が再選される見込みがないから。情け無いじゃないか!
『1998年大統領執務室でモニカ・ルインスキとの下半身問題で弾劾されたド助平のビル・クリントン』
クリントンはアメリカ大統領の任期終わりに近い1999年に人気回復目的で突如ユーゴ空爆を開始、今に続くイスラム教過激派(アルカイダやISISイスラム国)の台頭を招く。(永久に終わらない「対テロ戦争」を始めたのはブッシュ大統領だったが、ブッシュ以外の歴代アメリカ大統領にも大きな責任がある)
日本の王政復古(明治維新)の少し前に起きた、対ロシアのクリミア戦争(1853年から1856年)や、対ソ連のアフガン戦争(1979年から、)で常に(敵の敵は味方で)イスラム勢力を利用し勝利した西欧の不純な動機。(ブーメランとして災難が降りかかる)
★注、
ウサーマ・ビン・ラーディンは、サウジアラビアの大富豪で旧ソ連に支援されたアフガニスタン左翼軍事政権打倒で世界中からイスラム聖戦士をリクルートするなどアメリカ政府や軍、諜報機関と極めて親しい関係にあったが、2001年の胡散臭い9・11事件の首謀者(アルカイダの創始者)としてアメリカ軍特殊部隊にパキスタン軍幹部の住む高級住宅街を急襲され2011年5月2日にアメリカのバラク・オバマ大統領に殺される。享年54歳。
ウサーマ・ビン・ラーディンは、サウジアラビアの大富豪で旧ソ連に支援されたアフガニスタン左翼軍事政権打倒で世界中からイスラム聖戦士をリクルートするなどアメリカ政府や軍、諜報機関と極めて親しい関係にあったが、2001年の胡散臭い9・11事件の首謀者(アルカイダの創始者)としてアメリカ軍特殊部隊にパキスタン軍幹部の住む高級住宅街を急襲され2011年5月2日にアメリカのバラク・オバマ大統領に殺される。享年54歳。
『米軍に殺された野戦軍司令官ソレイマニは、伝説の「チェ・ゲバラ」になれるのか、?』
イランの最高指導者ハメネイ師に次ぐ最重要人物(イランのナンバー2)のソレイマニ司令官が率いるコッズ部隊はイラン革命防衛隊の特殊工作部隊で、主に海外での破壊工作を担当している。PMFはそんなコッズ部隊の指揮下にあるイラクのシーア派民兵の集合体である。ムハンディス副司令官は、その中でも最強硬派の「カタイブ・ヒズボラ」の司令官。
米ディアでは沢山の米兵を殺したとして、イラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官を、1943年米軍機に急襲され殺害された山本五十六連合艦隊長官になぞらえる話が米国務省筋から出ていらしい。
ところが、もしイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・スレイマニ司令官が、イスラム革命をイラン国外でも成功させようとしてアメリカに殺されたなら、ビン・ラディンよりも山本五十六よりも、一番似ているのはキューバ革命の『チェ・ゲバラ』の英雄伝説である。(★注、ただし、イランでは即座に「殉教」と言っているように『宗教戦争』そのものであり、この部分がチェ・ゲバラとカセム・ソレイマニとの根本的な大きな違い)
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キューバ革命のチェ・ゲバラ(エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ)とフィデル・カストロ
チェ・ゲバラはアルゼンチン生まれの医師で政治家。キューバ革命の成功後に工業大臣になるが、貧困に苦しむ中南米のボリビアで再び銃を取りゲリラとして戦うが捕えられて裁判抜きでその場で処刑される。(1967年10月9日)享年39歳。
弁護士だったカストロの方はアメリカのCIAなどに600回以上も命を狙われ続けて、『何も体に良いことをしなかったのに、思いがけずこんなことになった』と90歳(2016年11月25日)まで生きて天寿をまっとうする。
『トランプ、米軍に嵌められたか?それともに米軍がトランプに嵌められたのか?』
アメリカがイラク首相にイランとの紛争の調停を頼んできたので、イラク首相はレイマニ司令官に調停案を話し合うためにバグダッド訪問を依頼した。しかしアメリカ軍はこの外交的努力をソレイマニ司令官の暗殺に利用した。(バクダッド空港にはイラク側要人の出迎えがなく車列がソレイマニ司令官だけだったので米軍は無人機での暗殺を最終決断したと報じられている)
そもそも一時はアメリカが全面撤退させたイラクの5000人以上に大量のアメリカ軍の再駐留(2014年オバマ大統領)させた理由とはスンニ派イスラム教過激派の、ISIS(イスラム国)対策である。
トランプはイラクからの米軍全面撤退の公約で当選したし、トランプ政権の最初の安全保障担当のフリン大統領首席補佐官は、ISISは米軍の傭兵組織だと、当時のオバマ大統領に報告して首になった経歴がある。
それなら、もっともISIS(米軍の傭兵組織のイスラム国)対策として効果があったイスラム教シーア派のヒズボラやイラン革命防衛隊を目の敵にしていたのはペンタゴン(スンニ派のISISイスラム国の雇い主の米軍)であり、その逆がトランプ大統領。(今回、一応はトランプが米軍に嵌められた形)
『対イラン戦争勃発なら米軍やイスラエル、サウジなど軍産複合体が大儲け(トランプの負け)、イラクからの米軍全面撤退だけで騒ぎが収まるならトランプの勝ち』
今回のアメリカ軍による何とも唐突なスレイマニ司令官暗殺(シーア派革命のイラン風なら殉教)で、イラク議会は即座に駐留米軍の即時撤退を決議するは、同じくイラク首相アブドルマハディもアメリカ軍の全面撤退を要求するなど風向きが大きく変化する。(1手先の読みならトランプがペンタゴンに嵌められた。ところが3手先の読みなら逆に米軍がトランプに嵌められたことになる)
今後の動きから少しも目が離せないもっとも危険な展開である。(欧米など世界のツイッターではイランや第三次世界大戦の言葉が躍るが、日本だけ例外でタレントの嵐だったとか)
今後の動きから少しも目が離せないもっとも危険な展開である。(欧米など世界のツイッターではイランや第三次世界大戦の言葉が躍るが、日本だけ例外でタレントの嵐だったとか)
アメリカの蛮行、一夜にして、イラン全国民を愛国者にした。
この愚行を歓迎する国は世界中どこにもない。イスラエル以外。
アメリカでも大統領選の空気が一変したと思う。再選に弾みではなく、逆の方向にだ。
もう、堪忍袋の緒が切れた。トランプの二期目はない。
「神は我々の味方」トランプ年初演説。一体どんな神なんだ。
実はイランの上層部は喜んでいるのではないのだろうか。