『原発安全神話の崩壊』
目先が利くので他の観念右翼連中とは違い、アメリカの負け戦が明確なイラク侵攻でも『アメリカの無法な暴力で有る』とはっきりと批判している右翼の論客の西尾幹二は、今回の福島第一原発の爆発を見て、『脱原発こそ国家永続の道』と早速転向している。
読んでみると、『原発推進派』が目の前の現実の危機を直視できずに観念論の妄想に嵌っている現在の態度を批判しているのですが、これが実に面白い。
実にまともなことを言っているのです。
特に面白い部分は、国土や国民を守るとの今までの保守の主張(建前)は、今目の前に有る国土を汚し人命を危険に曝した福島第一原発事故の現実の前には嘘八百、正反対であったことが明らかになった、観念的だと思っていた左翼の主張の方が実はリアリティがあり真実であったと断言。
小出裕章や広瀬隆は『説得力があり、事故が起こってしまった今、なにびとも簡単に反論できないリアリティがある。』
『教授ポストを捨てて生涯を危険の警告に生きた小出氏などは、話し方にもパトスがあり、人生に謙虚で真実味がある。』とまで持ち上げる。
勿論西尾幹二は福島第一原発の事故までは原発安全神話を信じていた推進派の一人だった。
今盛んにメディアで『原発の危険性』を語っている武田邦彦教授も、福島第一原発事故以前は御用学者の一人で原発推進派だったが、今は『勝ち馬』の脱原発の転向組み。
自民党ですが、今の管内閣の不甲斐なさが目に付いて、それでオウンゴールで選挙で勝利しているのですが『原発』という名の時限爆弾を日本中にばら撒いた戦犯は歴代の自民党政権なのです。
ほんの少しでも日本人が冷静になれば、今度の福島第一原発事故の大被害の根本原因が、自民党や産経などの言うような、管直人首相個人の引き起こした『人災』ではないことに直ぐに気が付きます。
福島第一原発事故は、安全神話に首まで嵌りこんだ自民や産経など今までの原発推進グループの引き起こした『人災』であることは誰にでも判ります。
いまさら論争するまでも無く『誰が正しかったか。間違っていたか』は、もう既に結論が出ている。
原発安全神話とは、所詮はオウム真理教と同じような『破壊的カルト宗教』でしかなかったのですね。
右翼の口癖の『日本国の安全』とか『国土を守る』が念仏であり、事実は正反対。
いまや原発で、大切な国土は汚されて人命が脅かされているのです。
反原発の護憲左翼の主張こそが実はリアリティがあり日本人や日本の国土を守る立場であったことが証明されたのです。
今でも『安全神話』の信者達の生き残りが蠢いているのは確かに事実であるが、これは地下鉄サリン事件以後でも教祖麻原 彰晃に忠誠を尽くす小数のオウム信者たちもいた事実とまったく同じ事例でしょう。
原発事故で『風向き』は完全に変って仕舞って、日本の自民党もドイツの保守政党のように反原発で無いとこれからの政治生命は無いでしょう。
『津波で炉心損傷ほぼ100%』経産省独法「想定外」を想定
2011年5月31日(火)の産経記事で、当ブログの一月近く前の記事、
『通産省「原子力安全基盤機構」7mの津波高で電源喪失、炉心損傷』(2011年05月02日 放射能と情報操作)で指摘していた事実を書いています。
通商産業省の独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」が、
『去年12月の報告書で津波の波高を想定した危険性を検討。
防波堤がない場合は7メートル超で炉心損傷に至る可能性は「ほぼ100%」と分析していた。』
と実に明解。
『実際の津波は約15メートルだったため、国や東電は「想定外」と主張していた。』など産経らしいお馬鹿で無駄な印象操作も有るが、
『日本システム安全研究所の吉岡律夫代表は「国と東電は想定外と主張しているが、報告書を見れば想定外とは言えない。報告に基づき十分な対策を講じていれば、今回の事故は防げた」と指摘している。』
と、東電などの想定外を完全に否定しているのですから面白いですね。
原発命の産経でもこれなのですから矢張り、今では風向きは完全に変ったようです。
(資料)
2011.5.31『産経』
津波15メートル超で「炉心損傷」 経産省所管法人は「想定外」を想定
原発の安全研究に取り組む独立行政法人「原子力安全基盤機構(JNES)」が平成19年以降、津波被害を想定した研究報告をまとめていたにもかかわらず、所管する経済産業省や東京電力が具対策を講じていなかったことが30日、分かった。東電福島第1原発の事故は、ほぼ研究報告通りの展開をたどっており、国や東電が「想定外」と主張する津波の波高についても想定。15メートル超の津波を受けた場合の炉心損傷確率を「ほぼ100%」としていた。
「わが国の原発は、いずれも海岸線に設置されており、地震発生に伴い津波が到来した際には、原発に対して何らかの影響を及ぼし、炉心損傷が発生する可能性が考えられる」
JNESが20年8月にまとめた報告書には、津波被害の項目の冒頭にこう記され、福島第1原発で起きた津波被害を起因とする炉心損傷の可能性を明確に指摘していた。
東電によると、福島第1原発は、津波の影響で、タービン建屋の地下にある非常用ディーゼル発電機が水没して故障。同発電機用の軽油タンクも流されるなどして冷却系の電源や機能がすべて失われた結果、炉心溶融や水素爆発が起き、放射能漏れにつながった。
報告書では、これら実際に起きた具体的な被害をすべて想定しており、結論として「全電源が喪失し炉心損傷に至る可能性がある」と警鐘を鳴らしていた。
22年12月の報告書では、3~23メートルまでの津波の波高を想定した危険性を検討。海面から高さ13メートルの防波堤がない場合は7メートル超、ある場合でも15メートル超の津波が来た場合、炉心損傷に至る可能性は「ほぼ100%」と分析していた。
福島第1原発の津波対策での想定は波高5・7メートルで、実際の津波は約15メートルだったため、国や東電は「想定外」と主張していた。
JNES広報室は、研究目的について「原発の設計基準を上回る地震対策について国を支援するため」と説明するが、報告書は経産省に直接提出することはなく、ホームページで一般に公表するだけ。研究のあり方も問われそうだ。
日本システム安全研究所の吉岡律夫代表は「国と東電は想定外と主張しているが、報告書を見れば想定外とは言えない。報告に基づき十分な対策を講じていれば、今回の事故は防げた」と指摘している。
原発の津波対策をめぐっては、国の原子力安全委員会が18年、「耐震設計審査指針」を改定した際、津波についても「発生する可能性があると想定される」レベルに備えるよう要求。電力各社は安全性の再評価に着手していたが、耐震対策を優先させ、津波対策は後回しになっていたとされる。
のど元過ぎれば何とやらで、今でこそ騒いでるが、どうせ沈静化するだろうと読んでいるのではないでしょうか。
とりわけ、(我々が一番懸念している)問題は、従来のウラン型原発の維持だけでなく、核燃料サイクル推進政策(将来のプルトニウム原発)が堅持されている点です。 プルサーマル(MOX燃料)、使用済み核燃料再処理(六ヶ所村再処理工場)、高速増殖炉(もんじゅ)の計画は、従来の2050年の高速増殖炉商業稼動に向けて、何の変更・見直しもされていません。
実際には、脱原発に関する公の議論は全く存在しておらず、話になりません。
とても日本人は放射能の本当の怖さを感じているとは思えません。ドイツのボランティアが帰国してしまったとき、superGAUなんて、何を大げさなという論調でしたし、国民はそう思っていました。しかし彼らが感じていた危険意識の方が真っ当なものでした。
管退陣、そして総選挙後は自民圧勝で、メディアが後押しして安部石破体制で、がんがん原子力推進。安部元総理など「私ならこう復興する」なんて雑誌でいってますね。
確かに保守層に中にもまともな人たちは居ます。しかし一般国民は、むしろ小泉旋風みたいなカリスマ的なものを求めているようなふうに思えるのです。
メディアの風向きの変化は一時的なもので、また流れは変わると恐れています、私は。
日本には成熟した民主主義、市民意識がまだ育っていないと思います。堅い安部石破体制でまた元の木阿弥に逆戻り。谷垣さんや、反原発の河野さんが自民の中心に立つことはありえないですよ。こんなこと考えたくはないんですが。
日本の今の政府や大手マスコミが言っていることが正しいとすればですが、
『放射能は怖くない』のですよ。
『今程度の放射能なら安全』何の心配もしなくても良いのですね。
長崎大学医学部の山師た教授の言葉を信じるなら『帽子も被らずマスクも無し』で子供達を砂場で遊ばしても何の問題も起きません。
政府は日本人に対して『心配いりません』と言っているのですね。
osakasenriさん、
ですから政府やマスコミの言葉が真実なら、それは『心配のしすぎ』なのですね。
山師た長崎大学教授が、福島県の原発被災地で講演して『日本政府が決めたのだから我々日本人には従う義務が有る』と断定しています。
また『チェルノブイリでもヒロシマでもナガサキでも人々は、そこに住み続けなければならない』『何処にも行く所が無いのですから』とも言っている。
日本人ですが、日本以外には住むところが無いのですね。
ですから、全ての事柄は心の持ちようであり、放射能でくよくよするのが良くない。病気の元だとも言っているのです。
心配するのは止めて笑って過ごせば病気にはならないと言っている。
なにやら医学者発言と言うよりも、不幸とは『自分は不幸だ』と思うから不幸なのであり、何事も感謝して生きなさいという宗教指導者の御言葉の様な発言なのですね。
政府やマスコミの話が本当である事を、心から祈らずにはおられません。
山下教授の話は真実です。
政府や権威有る大マスコミが揃いも揃って、同じ嘘を口を揃えてつく筈が無いじゃありませんか。
もしも、真実で無かったとしたら・・・それは予想される最悪の中でも、信じられないくらいの最も悪い悲惨なことが密かに進行しているいるのですよ。
ですから我々としては安全であると『信じる』以外の道は、既に残されていないのかも知れないのです。
これは私の友人から聞いた実話なのですが、極親しい友人が癌の検査で手の施しようが無い末期癌で余命が幾らもないことが判る。
ところが可哀想なので本人には告知せずに親しい回りの者だけに知らせて極秘扱いの内緒にしたのです。
『知らせるか知らせないか』で迷ったが検査結果があまりにも悪すぎるので、それで本人に知らせようがないのです。
『女房が急に優しくなった。前々から欲しかった大型二輪が買えた』と嬉しそうにしているのを見ているのは辛かったそうです。
悲惨すぎる避けれない未来は、嘘をついてでも知らさないのも愛情なのですが、・・・何ともやりきれない悲しい話ですね。
私の連れ合いが何時もと同じで少しも優しくないのは『実は、これな良いことなのだ。』と日々自分に言い聞かせております。
そうなんですよ。
産経ですが、これまでは『正論』や社説や記事で繰り返し繰り返し原発推進の立場からの主張(妄言)を一番強硬に言い募る、原発安全神話の最右翼の立場なのですね。
浜岡原発の一時停止の政府の方針に、唯一はっきりと正面から批判していたのです。
何時もなら産経に同調しそうな読売でも管直人の浜岡原発停止は一定程度は評価しているのです。
ですから産経の他とは大きく違う度外れた原発推進の態度は原発事故後に特に目立っていたのです。
ところがですね。
それなら、この通商産業省の独立行政法人原子力安全基盤機構が出した、『7メートルの津波で100%損傷』の驚愕的内容の報告書を、その産経新聞が記事にする筈が無いのですね。
この報告書ですが、
今では誰でもが知っている範囲のことですが、原発とは全電源喪失(ブラックアウト)で冷却出来なくなり冷却水が無くなる。冷却水が無くなれば3時間程度で確実にメルトダウンする。
原子力発電とは、絶望的な回復不能、破局的なアクシデントまで、ほんの僅かの時間しかない、超ウルトラとんでもない危険な代物である事実を書いてあるのですね。
普通の常識的な判断であるなら、産経はこの報告書の恐るべき内容を絶対に紹介したくない筈であるのですよ。
実は、これを記事にしたのは一月前の赤旗と、今度の産経の二つだけなのです。
有ること無いこと色々有る、なんでもありの週刊誌さえ、この報告書の内容は何故か報道しないのですね。
それなら赤旗が紹介したのは頷けるが、全てのマスコミがこぞって同様に、横並びで毎日や朝日が避けているのに、よりによって原発推進路線まっしぐらの筈の産経だけが、今回報道しているのです。
不思議過ぎると思いませんか。
だから今回『何故なのか』と、とんでもなく驚いているのですね。
しかも文字として永久に残る新聞記事なのですからより意味が重い。
何故なら、
これがテレビなどの映像メディアの場合には誰かが録画しないと真実(内容、事実)が残らないのです。
良い例がアポロ11号の人類最初の月着陸で、当時はテレビ局とか特殊なマニア以外には録画機を持っていなかったのでアメリカは都合の悪い部分を削除して、今では数秒のビデオ映像だけを流している。
当時と同じ連続放映だと『健全な懐疑心』があればインチキが暴かれて大恥をかくのですね。
ところが映像と違い文字は簡単には『削除』が効かない。
産経編集部は自分の新聞読者のメディアリテラシーはゼロなので記事の内容の重大性に誰も気が付かないとでも思って、アリバイ作りとして安易に書いた可能性も考えられますが、それでも不思議なのです。
まったく仰られるとおりであり昨日の管直人首相と党第一党自民党総裁で、今の日本国で最大の課題である原子力発電に対して、
一方の管首相は『(原発を)否定するものではない』と言っているのですから否定の否定で原発肯定派。
(何時まで経っても名前が覚えられない印象の薄い可哀想な野麻生太郎の次の)自民党総裁の方は、『原発推進は必然』とする元祖原発肯定派。
今現在進行形で日本列島を汚し続けている原発に対してはっきりとNOと言えない二人では、似たもの同士の犬の喧嘩みたいで、信任不信任も阿呆臭くて話にもなりません。
この2人ともが、原発安全神話に首までどっぷり嵌ってしまい、どうしても抜け出せないのですね。
その点自民党の河野太郎や民主党小沢一郎は脱原発態度を鮮明にしているが大きな違いです。
今度の原発事故では副作用で、今まで隠されていた色々な事柄が判明して来ました。
今まで政府や自民党など保守や右翼連中の言っていたことが大嘘であったことが、これ程明らかになったことは無かったのですよ。
原発事故で、大切な日本の国土や日本人の命がこれ程脅かされているですが、その事実を全く無視しているのが自民党です。
なるべく見ないようにしているのが管政権。
両方ともが、ありもしない北朝鮮の危険性は大声で言い募るが、目の前の実際に国土や生命の危機のときは、無視して何もしないのですね。
産経や政府など、今まで散々言い募っていた『危険性』ですが、本当に北朝鮮の暴走が怖いなら、日本海側の海岸沿いに林立する原発は危険すぎる、
何をおいても原発の即時停止こそが先決でしょう。
福島第一原発の事故で発覚したことですが、原発とは別に爆発物を仕掛けなくとも冷却を数時間止めるだけで自爆する時限爆弾だったのですよ。
特に恐ろしいのはプルトニウムを燃料とする高速増殖炉もんじゅでしょう。
水をかければ爆発的に燃焼するナトリウムの冷却剤と史上最強の猛毒のプルトニウムの組み合わせは想像を絶する危険性があり、もしも暴走した時には軽水炉だった福島第一事故など、子供騙しの問題ともならない軽微な損害に思えるほどの大損害を出します。
アメリカなど外国から見ると、安全神話の日本の原発のセキュリティーなど話にもならないお粗末な水準で有ると書いていましたよ。
危機管理の基本がなっていない。正門にガードマンがいるが勿論丸腰。
基本的に日本の原発が攻撃されるとの設定がなされていないのですね。
旧ソ連では主要な鉄橋とかトンネルは軍の歩哨が常時武装して警備していたし地下鉄は百数十メートル以上の地下深くに建造していたのと正反対で、日本では一番脆弱で危険極まりないな原発さえ何の特別な警備体制にないのです。
『マスコミの第一面に載る大騒動』を起こしたかった秋葉原など全体から見れば問題ともされないが、これとは大違いで原発では数人の不穏分子の破壊工作でも、日本列島全体は致命的な打撃を受けて立ち直れないでしょう。